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南スーダン: 難民キャンプの死亡率・栄養失調率が危機水準超え――MSF最新調査

PR TIMES / 2012年8月3日 16時18分



2012年8月3日――国境なき医師団(MSF)は、南スーダンの難民キャンプで実施した最新調査で、死亡率と栄養失調率が危機的水準を超えているとの結果を発表した。

MSFは、上ナイル州内のドロ(難民4万5000人)、バティル(3万4000人、)ジャマム(3万2000人)とユニティー州内のイダ(5万5000人)の計4ヵ所の難民キャンプで医療・人道援助活動を行っている。

これらの地域へは、スーダンの青ナイル・南コルドファン両州から、戦争と食糧危機を逃れた17万人以上の難民が、国境を越えてきた。何週間も歩き続け、4キャンプのいずれかに到着したときには、極限状態まで疲労していた。そのうちのイダでは、難民が急増した6月以降、子どもが平均で1日5人も亡くなっている。また、バティルでは子どもの3分の1が栄養失調になっている。

MSFのアンドレ・ヘラー=ペラシュ活動責任者は、「イダで亡くなった子どもの数は悲惨です。バティルでは、1200人の子どもが重度の急性栄養失調で、MSFの栄養治療を受けています。これは氷山の一角です」と話す。イダとバティルで診察している患者のほとんどは衰弱した栄養失調の子どもで、下痢、マラリア、呼吸器疾患を発症している。そうした病気がさらに合併症や死亡の原因となる悪循環が起きている。MSFはこの悲惨な状況下、命を救うために24時間体制で活動を続けている。

MSFがイダでおこなった最新調査(7月27日現在、6~7月の死亡率を含む)では、5歳未満の子ども1万人につき1日に4人が亡くなっている。これは危機的水準とされる数値の2倍にあたり、イダ・キャンプでは平均して毎日5人の子どもが亡くなったと推計される。原因のほとんどは下痢と重度の感染症だ。また、成人の死亡率も危機的水準の2倍を超え、1万人につき1日に2人となっていた。さらに、調査の直近2週間で、家族の誰かが病気になっている世帯が82%に達した。

バティルでの調査(7月31日現在・速報値)では、子どもの27.7%が全急性栄養失調、10.1%が重度の急性栄養失調となり、危機的水準の5倍に達している。2歳未満では、44%が栄養失調で、18%が重度の急性栄養失調だった。また、過去4ヵ月の5歳未満の死亡率が1万人につき1日あたり2.1人で、危機的水準を超えている。これらの数値と分析結果は確定ではなく、直近の死亡率はさらに高まっている恐れがある。

MSFのオペレーション・ディレクターであるバート・ジャンセンは「雨季が難民キャンプを悪夢の地に変えた」と話す。道路事情が悪化したため、人道援助活動を行う上で、人びとが生きていける環境の整備に苦しみ、この状況が健康状況を引き起こしているという。

さらに、「MSFが治療を提供し続けられている間に、人道援助のキャパシティーを増強すべきです。それが子どもたちを、命を脅かす病気から守ることになります」と訴える。清潔な水と下水処理が不足し、下痢が命取りになっている。食糧も不足し、バティルの栄養失調は危機的水準にある。ジャンセンは「すべての組織が最高レベルの緊急対応態勢でフル稼働することが求められています」と強調する。

MSFは、4キャンプで主要な医療提供団体であり、最大限の援助を行っている。イダでは診療所のベッド数を2倍にし、増え続ける重症患者への治療にあたっている。4キャンプには計180人以上の外国人スタッフがおり、現地のニーズに対応するためにさらなる増強を図っている。

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