奄美大島に来ないで!コロナの裏で進むネコ3000頭駆除殺処分計画

PR TIMES / 2020年6月9日 10時0分

環境省8万人署名を無視 大学教授らが緊急中止を要請 どうぶつ基金

感染防止のため「島に来ないで!」と来島自粛、外出自粛を呼び掛けている奄美大島で、統計的根拠を欠いた奄美のネコ3000頭駆除が続けられています。これまで環境省は168頭の猫を駆除しましたが、そのうち33頭はノネコではありませんでした。またアマミノクロウサギ、アマミトゲネズミなどの希少種を含む野生動物の誤捕獲は1023体と猫の捕獲数の6倍、しかもアマミトゲネズミ2頭を含む10個体程度が事故死していることがわかりました。なお捕獲された猫は行政の指定した獣医による手術事故等で2頭が死亡しています。



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奄美で駆除のために捕獲された猫たちは5日間で譲渡希望者が見つからなければ殺されます。そして譲渡希望者はほとんど島外、県外者です。コロナ感染防止のために「島に来ないで」と入島制限され、殺処分寸前の猫をもらいに行くこともできず、譲渡希望者が見つからなければ猫は5日後に殺されます。
(※現段階では東京の「NPO法人ゴールゼロ」や、沖縄の「NPO法人ケルビム」奄美の猫を殺処分から救う為に設立された保護猫カフェ「ケットシー」など島外のボランティアの必死の努力で猫は空輸され殺処分は免れていますが、譲渡希望者探しも限界で、猫が殺されてもおかしくない状態です。)

[画像2: https://prtimes.jp/i/33795/29/resize/d33795-29-925596-1.jpg ]

環境省が主導するノネコ管理計画には、「希少種に及ぼすノネコの捕殺影響は甚大なものとなる可能性が高い」、「早急にノネコを生態系から排除する対策を講じなければ、在来生態系に大きな影響を及ぼすものと考えられる」などの判断が散見されますが、これらは科学的調査に照らして妥当性を欠いていることが明らかになりました。


環境省はこれまで、アマミノクロウサギの奄美大島での推定生息数について、2003年度時点で2,000~4,800頭としてきました。今回の管理計画策定には、この生息数が用いられており、2015年時点で既に同省が把握していた推定生息数15,221~39,780頭は全く配慮されていません。

一方で2003年から2015年の12年間、環境省の奄美大島における「ノネコ捕獲モデル事業」で捕獲した、いわゆるノネコの数が2012年7頭、2013年6頭に過ぎないという事実は、猫がアマミノクロウサギの生息にとって全く脅威になっていないことを明証しています。 このような理由から、私たちは計画の即時中止を求めています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/33795/29/resize/d33795-29-244575-6.jpg ]


8万人の反対署名を集めた署名サイトChange org.[世界遺産を口実に、奄美や沖縄の猫を安易に殺処分しないでください!]
の呼びかけ人で、昨年末、論文「統計的推測の誤用としての奄美大島『ノネコ』生息数推定」を発表した福岡大学の山崎 好裕教授が、「島に来ないで!」と来島自粛、外出自粛を呼び掛けている奄美大島で続けられる奄美のネコ3000頭駆除に対して駆除の即時中止を求める声明を発表しました。
以下に全文を記します。

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コロナ危機の今、無益な「ノネコ」管理計画を中止しましょう
福岡大学教授 山崎好裕


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新型コロナウイルスの国際的蔓延がもたらした人類史的危機は大きな影響を私たちの生活や経済に与えており、現在も決して予断を許さない状況が続いています。

そんな状況のなかで、私が今年3月5日に参議院議員会館において開催を予定していた「小泉進次郎大臣も共に語り合いましょう!奄美大島の世界自然遺産登録と『ノネコ』管理計画を考える院内集会」も延期を余儀なくされて現在に至っています。

日本政府のコロナ危機対策策定に当たっては、専門家の科学的知見に基づいて政策を決定するということがしばしば口にされます。これはエビデンスベースト・ポリシーメーキングと言われ、私が専門とする経済政策の分野においても主流の考え方になっています。

私は、統計的根拠を欠いた状況で、希少種の脅威とされる「ノネコ」を駆除しようとする奄美大島「ノネコ」管理計画の見直しを一貫して訴えてきました。昨年私が発表した論文「統計的推測の誤用としての奄美大島『ノネコ』生息数推定」 https://00m.in/KL4xb
はEBPMの観点から、同計画の即時中止と希少種を保護する有効な対策への資金の振り向けを主張するものです。

奄美大島や徳之島において税金を投入して行っている「ノネコ」の捕獲は、コロナ危機下の現在「不要不急」の対応であるだけでなく、そもそも実施すべき根拠を持たないからです。

それにもかかわらず、公益財団法人「どうぶつ基金」が、緊急事態宣言の4月16日の全国拡大という状況下、下請け業者とその家族の皆さんを感染の危険にさらしてまで「ノネコ」捕獲の継続をするのは問題だと指摘したことに対して、環境省からは「現時点でネコの捕獲事業を中止する予定はありません」と答えています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/33795/29/resize/d33795-29-456565-9.jpg ]


民間の企業経営者や勤労者の皆さんは、生活のために継続しなければいけない仕事があったにもかかわらず、政府の自粛要請に応じて休業を行ったのではなかったでしょうか。それなのに、当の政府のある部署が遮二無二事業を継続するのはどうしてなのでしょうか。疑問というより疑惑すら感じざるをえません。

この「ノネコ」捕獲それ自体が、希少種を含む野生動物を危険にさらすものであることは、「どうぶつ基金」の質問への環境省からの返答から明白です。環境省は2018年7月17日から2020年3月末日までに、ネコを168頭捕獲したと答えています。

しかし、そのなかにはTNR済みの野良猫が31頭、マイクロチップの入った飼猫が2頭含まれていました。私は言及した論文で、実際には「ノネコ」の生息数がほぼゼロに近いことを証明しました。その意味で「ノネコ」管理計画は論理的にそもそも成り立ちません。なお、収容中に死亡したネコは三毛猫のミキちゃんを含む2頭です。


他方で、「ノネコ」捕獲事業のなかで誤捕獲されたのは、ハシブトガラス582羽、アマミトゲネズミ244頭、クマネズミ162頭、アマミノクロウサギ6頭、ケナガネズミ7頭、オットンガエル3頭、ルリカケス1羽、ニワトリ2羽、ノイヌ1頭、リュウキュウイノシシ1頭、サシバ1羽、シロハラ10羽、ネズミSP1頭、ハブ2頭の1023個体です。これはネコの捕獲数の6倍に当たります。

[画像6: https://prtimes.jp/i/33795/29/resize/d33795-29-141330-7.jpg ]

こんな有様では、いったい何を目的とした捕獲なのかわかりません。しかも、このうち、アマミトゲネズミ2頭を含む10個体程度が捕獲後に死亡しているのです。
徳之島で行われたネコの体毛の安定同位体分析からわかっている事実は、森林に出入りしているネコが野生動物の捕食に依存している割合が、大きく見積もっても3割であるということです。しかも、これが直接捕食によるものであるのか、それとも、既に死骸となったものを食べたのかはわかりません。食べられた野生生物のなかに希少種がいったいどれだけ含まれるかも未知数です。つまり、「ノネコ」生息数を意図的に、しかも、非現実的に高く見積もらない限り、ネコが希少種の脅威になっていることは客観的に証明が不可能であるということです。

[画像7: https://prtimes.jp/i/33795/29/resize/d33795-29-688639-4.jpg ]

これに比べて、誤捕獲される希少種の個体数は何と多いことでしょう。希少種を守ることを謳っていながら、むしろ、希少種を危険にさらすネコの捕獲事業を直ぐに中止することを、環境省には強くお勧めします。そして、事業中止によって浮いた税金は、希少種にとって脅威であることが明確なロードキル対策に振り向けましょう。現下、コロナ危機下で営業継続が極めて困難な状況に追い込まれている奄美大島の観光関連業者の救済に、地方・中央両政府は力を入れるべきです。無用無益な「ノネコ」管理計画を、この状況で続けるいかなる理由もありません。

自民党どうぶつ愛護議連の三原じゅん子参議院議員は、5月初、小泉進次郎環境大臣にコロナ危機の現状で「動物をとりまく状況にも目を向け、命ある動物たちが適切に取り扱われるよう特段の配慮をはかることが重要」という申入れをしました。これは誠に正しい。私も3月以降、新型コロナウイルス感染への恐怖から犬猫の遺棄が増えたり、動物が劣悪な環境に置かれたりすることを懸念し、断続的にSNSで呼びかけを行ってきました。私の投稿には全国・全世界から、少なくとも私はこれまでに見たことがないほどの賛同が寄せられています。


私が特に気を付けたのは、まだ確認が十分できていない段階で、新型コロナウイルスを媒介するとして犬猫に対する攻撃的なデマが流されることを予防することでした。デマによって、犬猫の遺棄、虐待、殺害が増えることを何としても防ぎたかったのです。

その過程で、私がこれまで見直しを主張してきた奄美大島「ノネコ」管理計画と、これが同じ構図であることを発見しました。根拠もなく生息数を水増しされた「ノネコ」が、希少種にとっての重大な脅威となっているという主張を支持する統計的根拠は一切ありません。それにもかかわらず、「ノネコ」を大量に捕獲し、殺処分も事前に排除せず徹底して駆除を図るというのは、新型コロナウイルスに関わるデマを信じて動物たちを害するのと何ら変わりがありません。日本国民はそうした誤った政策を決して許してはなりません。

山崎好裕
1962年、青森県に生まれる。 1988年、東京大学経済学部卒業。 1993年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京大学博士(経済学)。現在、福岡大学教授。
論文「統計的推測の誤用としての奄美大島『ノネコ』生息数推定」
https://00m.in/KL4xb

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コロナ禍においても殺処分ゼロを目指す活動には継続した対応が求められます。どうぶつ基金のスタッフや、協働ボランティアの皆さんは、TNRや多頭飼育崩壊への対応など、待ったなしの事態にコロナに対する感染防止と安全確保を最優先にしながらも日夜、必死の活動を続けています。

コロナの影響で仕事の激減や解雇、廃業など、やむを得ない理由によって寄付を停止する方が 激増し、どうぶつ基金の資金不足が深刻な状況になっています。

[画像8: https://prtimes.jp/i/33795/29/resize/d33795-29-475565-12.jpg ]


危機的な状況において最も被害を被るのは、いつも声なき弱者です。トンネルの先に光が見えない大変な状況下ではありますが、どうか、罪なき小さな命にも心を寄せていただき、ご支援を頂ければ幸いです。

一代限りの命をけなげに生きる猫たちへの支援は、こちらからお願いします。

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