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木材産業の新たな挑戦:炭素貯蔵量の自主的表記でカーボンニュートラル社会へ貢献

PR TIMES / 2024年2月22日 10時45分

木材製品に備わっている環境価値を可視化

岐阜県で製材会社を営む株式会社山共(本社:岐阜県東白川村)と東濃ひのき製品流通協同組合(所在地:岐阜県白川町)は取引先に発行する伝票等に購入した木材が貯蔵する二酸化炭素量を記載することで、業界のカーボンニュートラル、地球温暖化問題に対する意識向上を目指す取り組みを始めます。





カーボンニュートラルの背景


2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
このような方針を受けて最近では温室効果ガスを発生させる化石燃料をクリーンエネルギーへと転換し、経済社会システム全体を変革しようとするGX(グリーントランスフォーメーション)への関心が高まっています。
また、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する「J-クレジット」、岐阜県内の適切に管理された森林による二酸化炭素吸収量をクレジットとして県が認証する、岐阜県独自の森林由来のカーボン・クレジット制度「G-クレジット」の運用も始まっています。

山共と東濃ひのき製品流通協同組合


株式会社山共は1955年に創業。東濃地域を中心とした岐阜県産のスギ、ヒノキの丸太を製材し、建築用材等を販売する製材会社です。年間およそ5,000m3の丸太を使用し、一般建築の構造材や内装材、下地材をはじめ、近年では公共物件や店舗などの非住宅建築への材料供給も行っています。近年では森林レンタルサービス「forenta」を展開するなど木材業界でも先進的な取り組みをする企業として注目されています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/69150/29/resize/d69150-29-daae0e7df4806f5e8b00-0.jpg ]


東濃ひのき製品流通協同組合は1988年に岐阜県白川町、東白川村、七宗町などの木材関連業社によって設立。建築用材の製造販売、小径木の加工販売など、東濃桧をはじめとする地元国産材のカスケード利用を行うために業界のハブ的存在を担ってきました。今年は18年にわたって運営してきた木質バイオマス発電所を閉鎖し、新たに燃料チップ工場に事業転換を行いました。組合員数は48社(2023年12月現在)


自主的な炭素貯蔵量の表記


J-クレジットやG-クレジットはクレジットを介して企業間で実際の資金が動くことで、その資金で森林整備が進むなど森林関係業界は大きな期待を持って注視しています。
しかし、実際にクレジットを発行するためには書類申請やモニタリング調査など手間と費用がかかることもあり、まだまだ大きな流れになっていません。
また、木材製品が炭素を固定・貯蔵していることは広く知られているところですが、現行の公的なクレジット制度の対象外であるため、木材製品の購入が環境へ貢献していることが伝わりにくい状況にもあります。

こうした中、山共と東濃ひのき製品流通協同組合は販売した木材製品の納品書等に当該製品の炭素貯蔵量を自主的に記載することにしました。
炭素貯蔵量(t-CO2)の計算は林野庁が令和3年に発行した「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」に沿った計算式で算出します。
その数値を納品書等に記載することで、お取引先様にはご購入いただいた製品にどれだけの量の二酸化炭素が貯蔵されているかご確認いただけます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/69150/29/resize/d69150-29-bb7f8cae6dea3a07f7c4-1.jpg ]


これからの展望


今回の仕組みは炭素貯蔵量の自主的な表記であるため、この数値を実際に使って何らかの支援を受けられるということは現状ありません。しかし、カーボンニュートラルな社会の実現を目指して私たちサプライヤー側が出来ることを惜しみなくやっていくことが必要だと考えています。これからの展望として、
・木材製品の使用が地球環境保全に貢献していることの発信
・環境意識の高い企業とつながり、商取引や共同プロジェクトへ発展
・ボランタリークレジット創設の検討
など、カーボンニュートラルに向けた取り組みの足掛かりになることを期待しています。

担当者より


[画像3: https://prtimes.jp/i/69150/29/resize/d69150-29-264b2d12f916370ee26a-2.jpg ]

株式会社山共 代表取締役/東濃ひのき製品流通協同組合 理事長 田口房国

 カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現について、全産業を通じて社会全体が取り組んでいます。その中で木材が果たせる役割はとても大きなものがあると思いますが、実際は木材業界の多くの会社がこれといった行動に移せていません。そこには人材不足、情報不足、資金不足というような木材関連事業者が根本的に抱える課題があります。私共も同じような状況ですが、「まずはやれる事からやってみよう」と炭素貯蔵量を表記していくことにしました。これらの情報が誰かに届き、新しい取り組みへのきっかけになることを願ってやみません。


[画像4: https://prtimes.jp/i/69150/29/resize/d69150-29-712938d179797aa936a2-3.jpg ]

株式会社山共 担当 安江志保
炭素貯蔵量を納品書ごとに計算して記載するのは少し手間もかかりますが、私にとっても改めて木材が炭素固定に大きな役割を待つことを知る機会になりました。
弊社の取り組みは小さな一歩ですが、カーボンニュートラルの実現に向けて前進して欲しいという気持ちで取り組みます。







[画像5: https://prtimes.jp/i/69150/29/resize/d69150-29-8c8f3b9402dfe1a5bf70-4.jpg ]

東濃ひのき製品流通協同組合 参事 大島和之

私はこれまで木材は地球を救う資源だとアピールして営業販売をしてきましたが、本来、木は人にやさしいものです。そして人が繁栄していくために木材が果たす役割には非常に大きなものがあると思います。将来にわたって自然と人が共生するために、炭素を固定する意味をもう一度考えなければいけません。
炭素貯蔵量を納品書に記載する事によって、業界関係者の意識が変わり新しいビジネスに繋がるきっかけになる事を願っています。

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