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準天頂衛星システム「みちびき」のサブメータ級測位補強サービス(SLAS)を利用した実証実験を電動キックボードSu__i(スーイ)で実施

PR TIMES / 2024年8月4日 11時45分

狭い住宅街や高層ビル群などで測位精度の高さを確認



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-6dc8c6513cc43c1273c47c941235b730-960x540.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
・出典:みちびきウェブサイト(https://qzss.go.jp/)

名古屋地区で電動キックボードSu__i(スーイ)のシェアリングサービスを展開するCrystal株式会社(本社:愛知県名古屋市西区、代表取締役社長:蒼佐 ファビオ)はこのほど、誤差1m以下の測位が可能となる準天頂衛星システム「みちびき」のサブメータ級測位補強サービス(SLAS)を利用した実証実験をSu__iで実施しました。

2024年7月に実施した今回の実証実験では、準天頂衛星システム「みちびき」のSLASを利用することで、スマートフォン単体での測位と比較して、測位精度が向上することが示されました。特に、狭い住宅街や高層ビルのある地域を走行する際、SLASを利用した測位は、実際の走行経路により近い結果を示しました。距離誤差の分布を比較すると、スマートフォン単体での測位に比べ、SLASを利用した測位のほうが精度が高く、距離誤差が12m以下に収まる割合が高いこともわかりました。

本実験の結果、SLASを利用することで、スマートフォン単体での測位よりも正確な位置情報が得られることが確認されました。これにより、都市部などの環境でも高精度な位置情報が求められるアプリケーションにおいて、SLASの利用が有効であることが示唆されます。

今回の実証実験を受け、弊社では近い将来、Su__iの測位精度のさらなる向上を図り、安全性の確保にもつなげていけるような事業展開を模索していきます。


実験の概要
今回の実証実験では、準天頂衛星システム「みちびき」のサブメータ級測位補強サービス(SLAS)を利用して、スマートフォンと位置情報測位の精度を比較する測定を行いました。実験場所は、名古屋市内の狭い住宅街(西区那古野周辺)、高層ビル等の障害物が多い地域(丸の内、伏見、⽮場町)としました。
https://qzss.go.jp/technical/system/l1s.html


実験に使用した機器
SLASを利用できる受信機での測位を行うため、 L1S信号に対応する機器である QZ1を使用しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-f56710a21349ccbb9b24a7ff1f1566d2-346x568.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
QZ1





スマートフォンに搭載している受信機での測位については、Xiaomi Redmi Note 10 Proを使用しました。
https://www.mi.com/jp/product/redmi-note-10-pro/


実験場所
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-a5f1ab75ddd2dec1b6df3eb8424c0b3c-769x790.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
名古屋市内の狭い住宅街(西区那古野周辺)

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-30f3f32e35b0b6b681c2dd82bc682ffc-847x838.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
高層ビル等の障害物が多い地域(丸の内、伏見、矢場町)


実験結果
・名古屋市内の狭い住宅街(西区那古野周辺)
SLASを利用した測位とスマートフォンの測位を地図上に表示すると、以下のようになります。SLASを利用した測位(青の線)はおおむね、実際に走行した経路(紫の線)をたどっていますが、スマートフォンの測位(緑の線)では、所々、実際の走行経路から大きく離れた場所を示しています。


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-a2be717f6ec428f405a8089d39b4c3c6-784x968.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
紫の線:実際に走行した経路 青の線:QZ1 緑の線:スマートフォン

https://crystal-pm.github.io/mapping-ex-part1/

それぞれの測位と、実際に走行した経路の誤差をグラフで表すと、以下のようになります。グラフからは、スマートフォンの測位のほうが、やや誤差が大きいことが読み取れます。距離誤差平均も、SLASを利用した測位が6.17m、スマートフォンでの測位が7.58mと、その差は1.41mとなっています。みちびきから受け取った補強情報により、測位精度が改善されていることがわかります。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-1ccd98ae272b3d07939313b18d766142-3900x2925.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-d4629d549d3cde5389447c72856ca246-1920x988.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
明道町料金所付近

[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-d39d8250abd3215793b65cd15e93dbca-1920x984.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
交差点「菊井町」

また距離誤差の分布を比較すると、誤差が12m以下に収まる割合は、SLASを利用した測位が約95%、スマートフォンの測位が約85%と、SLAS利用の際の測位精度の高さが読み取れます。また、測位した位置が大きく外れることはほとんどないため、位置情報の信頼性が高まります。

[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-d0b89e595203c850be9fbba5817943ca-3900x2925.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
距離誤差の度数分布(QZ1)

[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-1251d05663dbf5fe4cdf26208a6bfa02-3900x2925.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
距離誤差の分布(スマートフォン)


・高層ビル等の障害物が多い地域(丸の内、伏見、⽮場町)
SLASを利用した測位とスマートフォンの測位を地図上に表示すると、以下のようになります。狭い住宅街での実験と同様に、SLASを利用した測位(青の線)に比べて、スマートフォンの測位(緑の線)は所々、実際の走行経路(紫の線)より大きくずれていることがあります。
[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-c925fb3a4205c160328a7da6c2f7e7b9-1044x935.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
紫の線:実際に走行した経路 青の線:QZ1 緑の線:スマートフォン

https://crystal-pm.github.io/mapping-ex-part2/

それぞれの測位と、実際に走行した経路の誤差をグラフで表すと、以下のようになります。狭い住宅街と同様に、スマートフォンの測位は、SLASを利用した測位よりやや誤差が大きくなっています。高い建物が密集している箇所では、スマートフォンの測位は、大きく誤差が出てしまっています。

広小路通では、SLASを利用した測位はおおよそ誤差は5m以下となっていますが、スマートフォンの測位は20m以上の誤差があることが多く、中には70m近く誤差が出ている時があります。SLASを利用した測位の優位性は、補強情報を活用していることはもちろん、ほぼ天頂に準天頂衛星「みちびき」が在ることが大きな要因であると考えられます。また距離誤差平均も、SLASを利用した測位が5.83m、スマートフォンを利用した測位が14.63mと、SLAS利用の測位のほうが大幅に小さくなっています。
[画像12: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-d68a407f7bdda9dab5195393d8836c0a-3900x2925.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像13: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-20dd9e22008e9221337a367dd0bcf078-1920x987.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
(株)宮田精肉店 本店前

[画像14: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-71c556da1105a34c971f2d083710c02d-1920x991.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
広小路通×本町通

距離誤差の度数分布を比較すると、狭い住宅街での実験に比べ、SLASを利用した測位のほうがより精度が良いことが読み取れます。距離誤差が12m以下に収まる割合は、SLASを利用した測位では約90%、スマートフォンの測位は約60%となっています。狭い住宅街では、SLASを利用した測位、スマートフォンの測位ともに同精度でしたが、高層ビル等の障害物が多い地域では、SLASを利用した測位の優位性が高いことがわかります。
[画像15: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-034bc1bf524de2b1e80f5aec136ed4e8-3900x2925.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
距離誤差の度数分布(QZ1)

[画像16: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116322/29/116322-29-5b3f1de212e4bd738862a7af29d803bf-3900x2925.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
距離誤差の度数分布(スマートフォン)


まとめ
今回当社で実施した実証実験では、SLASの利用で測位精度が向上することが明らかになりました。狭い住宅街や高層ビル等の障害物が多い地域で、SLASを利用した測位は、実際に走行した経路により近い結果を示しました。また、距離誤差の分布の比較で、SLASを利用した測位のほうがスマートフォンを利用した測位よりも精度が高く、誤差が12m以下に収まる割合が9割にのぼることがわかりました。

本実験により、SLASを利用した測位は、スマートフォン単体での測位に比べて、より正確な位置情報が得られることが確認されました。以上のことから、都市部などの障害物が多い環境でも高精度な位置情報が求められるアプリケーションで、SLASの利用が有効であることが明らかになりました。



◎Crystal株式会社 代表取締役社長 蒼佐ファビオのコメント
このたび弊社は、準天頂衛星システム「みちびき」のサブメータ級測位補強サービス(SLAS)を利用し、電動キックボードSu__iの測位精度向上を目指した実証実験を実施いたしました。実験の結果として、SLASの利用で、スマートフォン単体の測位精度を大幅に上回ることが確認されました。特に、狭い住宅街や高層ビルが立ち並ぶ地域での走行時において、SLASを利用した測位は実際の走行経路に、より近い結果を示しました。さらに、SLASを利用した測位では大きな誤差が発生することが少なく、位置情報の信頼性が高まりました。

この実証実験により、私たちは、SLASの技術がもたらす精度向上の可能性を強く実感しました。都市部などの複雑な環境においても、高精度な位置情報が求められるアプリケーションでSLASの利用が非常に有効であることが示されました。

これにより、利用者の皆様に対して、安全かつ快適な移動体験を提供するための技術基盤を強化することができます。今後も、弊社は最先端の技術を積極的に開発し、Su__iの測位精度と安全性を一層向上させることを目指します。技術革新を通じて、ユーザーの利便性と安全性を高めるための取り組みを続けて参ります。引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。



Crystal株式会社について
2019年6月に名古屋で創業した自動車関連のソフトウェア、MaaS開発企業です。車載システム開発では、組込ソフトウェア開発や1D、3D解析といった領域で自動車業界の様々な課題に取り組んでおります。その中でも、主にモデルベース開発を推進。2022年1月より日本自動車研究所のMBD推進センターに参画し、技術の普及展開活動も行っております。

2021年6月から名古屋市のスタートアップインキュベーション施設、なごのキャンパスに採択されております。また、2023年4月から愛知県のスタートアップインキュベーション施設、PRE-STATION Aiのスタンダードメンバーとしても採択されております。
【会社概要】
社名:Crystal株式会社
本社所在地:愛知県名古屋市西区那古野2-14-1なごのキャンパス
プライベートオフィス2-6
代表取締役:蒼佐 ファビオ
事業内容:エンジニアリング事業/ソフトウェア開発
設立: 2019年(令和元年)6月21日
<Crystal株式会社 公式サイト> https://crystal-tec.co.jp


Su_i
Crystal株式会社は「移動にもっと心のゆとりをつくる」をミッションに掲げ、シェアリングモビリティ事業の「Su__i」を展開しています。移動をストレスから解放し、もっと愉しいものへ。例えば、街の景色に気付ける、新しい自分。安全に素早く目的地に到着し時間のゆとりをつくることはもちろん、移動が手段ではなく目的になるような愉しさも提供し、心のゆとりをつくれるような、新しい移動の価値を社会に提供します。
<Su_i 公式サイト> https://su-i-ride.com/

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