【公益財団法人アイヌ民族文化財団】フィンランド国立サーミ博物館と40年ぶりに連携協定を再締結
PR TIMES / 2024年12月23日 9時0分
長きにわたり培ってきた交流をさらに深め次世代へつなぐ
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調印式の様子(左から野本正博副本部長、タイナ・マレット・ピエスキ館長、阿部範幸事務局長代理)
公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市中央区:常本照樹理事長)は、フィンランド国立サーミ博物館SIIDA(フィンランド・イナリ、タイナ・マレット・ピエスキ館長)と、先住民族の文化の振興及び普及を目的として、人材交流、共同研究、展示等の分野で協同するため連携協定を締結しました。これは、当財団の前身組織である一般財団法人アイヌ民族博物館(以下、旧アイヌ民族博物館)とSIIDAが、1984(昭和59)年6月にフィンランド・イナリで締結した姉妹提携宣言を基にしており、双方が国立組織となったことから、改めて調印しなおしたものです。
連携協定の概要
協定を交わした団体
公益財団法人アイヌ民族文化財団
フィンランド国立サーミ博物館SIIDA
協定内容
協定には以下の項目が含まれます。
- 職員の相互交流に関すること
- 先住民族の文化等に関する共同調査研究及びその成果展示等に関すること
- 刊行物及び展示図録等の出版物の交換に関すること
- 相互の施設のプロモーションに関すること
- その他、両者が必要と認めること
締結日
2024年11月7日(木)
調印式の場所
フィンランド国立サーミ博物館SIIDA(フィンランド・イナリ)
40年間の交流を次世代へつなぐ
1984(昭和59)年当時、白老の旧アイヌ民族博物館とサーミ博物館との姉妹提携の調印式の様子は、フィンランド北極圏にあるサーミ語ラジオ局から実況中継されました。両館はいずれも1960年代に地域の小さな野外施設として開業し、その後40年の時を経て、国を代表する先住民施設へと発展しました。今後は、両者の連携を深めることにより、世界各国の先住民文化機関と共に国際的なパートナーシップを形成しながら、先住民族の文化の振興及び普及を推進してまいります。
経緯
当財団の前身組織である旧アイヌ民族博物館とSIIDAの交流は、1984(昭和59)年の旧アイヌ民族博物館開館の際、フィンランドからサーミの代表団3名が招待されたことから始まっています。同年6月、フィンランド・イナリを山丸武雄館長(当時)が訪れ、姉妹提携宣言へ署名しました。この様子はサーミのラジオ局で実況中継されました。その後も、1988年に旧アイヌ民族博物館のメンバーが北欧で講演をし、1989年白老で開催された北方民族国際フェスティバルへサーミのミュージシャンが招待されるなど交流は続き、1998年にSIIDAの博物館が開館した際にも式典に参加し、アイヌ民族の舞踊が披露されています。2000年には白老で特別展「スコルト・サーミの世界」展が実施され、2004年にはSIIDAでアイヌ文化の展示が行われました。2018年に旧アイヌ民族博物館は公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構と合併し公益財団法人アイヌ民族文化財団と名称を改め、2020年にはウポポイが同地に開業しました。これまでの交流の経緯を引継ぎ2021年から協定締結に向けた連絡を開始しました。2022年に国立コレクションが加わって再オープンしたSIIDAとウポポイは、双方の新たな出発を契機に新たな協力体制を築いていきます。
「フィンランド国立サーミ博物館SIIDA」について
SIIDAは、1960年代に野外博物館として設立され、1988年に博物館が開館しました。SIIDAという名称は、博物館の通称であるとともに、北部ラップランド自然センター(Northern Lapland Nature Center)と博物館、ショップ、レストラン、観光情報センター等の総称です。ヘルシンキにあるフィンランド国立博物館からサーミ関連資料が返還されるという決定を受け、2020年から2022年まで改修と拡張工事のために閉館し、2021年に、2,000点を超えるサーミの資料がSIIDAに返還されました。この新しいコレクションと共に、同館は2022年6月に再オープンしました。
SIIDAは2024年、名誉ある欧州博物館賞(European Museum of the Year Award)を受賞し、さらにフィンランド国内の博物館に送られる博物館賞も受賞しました。
(ウェブサイト:https://siida.fi/en/)
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