【イベントレポート】官・民のGX推進リーダが登壇し、GX人材育成をテーマに議論【持続可能な経営戦略 - 2050年を見据えたGX人材育成の実践 -】
PR TIMES / 2024年10月24日 14時15分
GX人材育成プログラム「スキルアップGreen」やGX検定を展開する株式会社スキルアップNeXt(東京都千代田区、代表取締役 田原 眞一)は、2024年8月22日(木)に「持続可能な経営戦略 - 2050年を見据えたGX人材育成の実践 -」と題したハイブリッドイベントを開催しました。
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2050年までのカーボンニュートラルを目指す日本において、企業は、様々な政策に対応しながら、成長機会に繋げるためのGX(グリーントランスフォーメーション)が求められています。しかし、多くの企業が直面している課題の一つに、GXを実現するための専門知識やスキルを持つ人材の不足があります。本イベントは、GX推進に関わる官・民のリーダーたちが集まり、GX人材育成をテーマに多角的な視点から人材の現状や課題を掘り下げました。その内容をハイライトでお届けします。
全文をご確認されたい方はこちら:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/permeation-topics/002/
本イベントは「GXスキル標準浸透プロジェクト」の一貫として行われました。
今年5月に経済産業省がリードするGXリーグ内のGX人材市場創造WGで策定された「GXスキル標準」の浸透と活用促進を目的にスキルアップNeXtが運営しています。
スキル標準浸透プロジェクト:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/
ーはじめにモデレーターの小泉氏が、GX人材市場の状況に触れ、GXスキル標策定の背景について共有し参加者に呼びかけました。
人材像や必要なスキルを定義することで人材育成を後押しし、労働市場の流動性が高まり、キャリアアップやチェンジが活性化することを期待
株式会社スキルアップNeXt エグゼクティブ・アドバイザー
2024年度 GXリーグ人材市場創造WG座長 小泉 誠
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/122215/31/122215-31-6bb0189cb359734aa35de7249b784c62-383x409.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
リクルートを経て経済産業省へ入省し、産業横断でのデータとAIの利活用を推進。退官後はデジタルリテラシー協議会の運営、経済産業省 デジタルスキル標準のリテラシー検討WG委員、GXリーグ内での人材市場創造WG座長など、人材育成と労働市場改革にて産学官を横断した活動を実施中
GX人材の需要は高まっているものの、十分に認知されておらず、キャリアの選択肢としても考えられていません。また、企業は推進において人材不足に直面していますが、どのような人材が必要かは明確ではありません。
その問題意識に対し、人材像や必要なスキルを定義することで、人材育成を後押しし、それによる労働市場の流動性が高まりキャリアアップやチェンジが活性化することを期待して「GXスキル標準」の策定に取り組んでいます。昨年はver1.0として、リテラシー標準や人材類型を作成しました。
GX推進には多数の部署の連携が不可欠で、組織全体の変革が求められています。参加者にはGX人材の重要性や具体的な行動を持ち帰ってもらいたいと考えています。
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出典:GXスキル標準(GXSS)ー検討概要と活用方法ー https://gx-league.go.jp/news/20240514/
ー続いて1部では各登壇者から、GX人材育成についての意見や現状を共有いただきました。
GX人材のスキル定義は、多様な業種・業界が参加するGXリーグで取り組む策定して終わりでなく、社会実装を経済産業省としても後押し
経済産業省 GXグループ 環境経済室 室長補佐 折口 直也氏
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2015年4月入省。内閣官房新しい資本主義実現本部事務局への出向等を経て2023年7月より現職。GXリーグや地球温暖化対策推進法における温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度等を担当
GXリーグは、企業が自発的に参画し、GX推進をリードするための枠組みです。自主的なものですが、参加企業は日本全体の排出量の5割をカバーする規模であり、日本のGXの進展に大きな影響を与えます。
リーグ内では、企業間の競争基盤を整えるためにルール形成が進められており、その一環としてGXスキル標準が生まれました。多様な業界が参画するリーグの強みを活かし、人材育成のためのスキル定義を進めることが望ましいというスキルアップNeXtからの提案に賛同した形です。策定後も官民が協創して社会実装を進め、経済産業省としても後押ししていきたいと考えています。
現場での実践と企業としての戦略的な意志決定を一貫して行える体制を構築
住友商事株式会社 サステナビリティ推進部 菊地 崇史氏
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2023年8月入社。サステナビリティ推進部において、グループ全体のGX推進を含むサステナビリティ方針の策定を担当。直近では気候変動対応に加えて、自然資本、循環経済、人権尊重等のサステナビリティ分野も担当
住友商事は、2050年のカーボンニュートラル達成と2035年までにCO2排出量を2019年度比で50%以上削減する目標を掲げています。こうした目標達成に向けたGX推進のため、サステナビリティ推進委員会や関連部署が会社全体のGX方針に関する経営判断をサポート刷ると共に、各営業グループのCFOの下に専門GX推進担当者が配置されています。さらに営業ユニットにも再生可能エネルギーや省エネ技術に精通した人材がおり、経営の戦略的な意思決定と現場でのGX推進が実現しています。
人材育成は、サステナビリティ推進部や各グループのGX関連事業の担当者が社内向けセミナーや勉強会を開いたり、GX検定の受験をしたりして、スキルアップを図っています。現在は5月に発表されたスキル標準を元に、何ができるかを検討中です。
社内副業制度でサステナビリティと事業利益の相互の目線を合わせる
KDDI株式会社 コーポレート統括本部 サステナビリティ経営推進本部
サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル・環境G グループリーダー 兵田 聡氏
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2007年 入社。経営企画部門にてカーボンニュートラル、エネルギー領域の戦略策定等を行い、2022年10月より現部署にてKDDIグループ全体のカーボンニュートラル戦略を担当
KDDIは2030年度までに自社のCO2排出量をゼロにし、2040年度にはScope3まで含めたサプライチェーン全体の排出量削減、ネットゼロを目指しています。その実現に向けて有効と感じているのが社内副業制度です。社員が他部署で最大20%の業務を担うことが副業制度を導入しており、サステナ部署にも何人も来ています。それにより、サステナビリティの視点と事業利益の相互の目線合わせに役立っています。
人材育成では、トップ、部長、現場など異なるレイヤーごとに勉強会を行い、さらに知識を持つ社員や外部専門家を招いてセミナーを開催し、社内リテラシー向上に努めています。
人材が劣後されがちな状況を早期に解消するために、共通プロトコルが必要
株式会社スキルアップNeXt 代表取締役
2024年度GXリーグ人材市場創造WG代表リーダー企業 田原 眞一
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経済産業省GXリーグにおいてGX人材市場創造WGの代表リーダー企業を務め「GXスキル標準」の策定を推進
GX人材育成の黎明期において、各企業の課題は個別性に至っておらず、まずはリテラシーに行き着きます。また、人材の重要性は認識されつつも、他の要素に後回しにされがちです。このギャップを縮めることがGX推進の上で重要であり、そのために共通のプロトコルを持つべきというのが「GXスキル標準」提案の背景です。
GX人材の育成は唯一の解決策ではありませんが、排出構成など機密情報の扱いや人材不足を考慮すると、育成が基本です。内製と外部依存のメリット・デメリットを理解し、GXスキル標準を基に段階的な計画を立てることが重要です。
ー2部のパネルディスカッションでは、下記ポイントで意見が交わされました。
●なぜGX人材育成が必要なのか
●人材育成を何から始めるべきか
長期的な視点や投資家からの要求もふまえ、GXに取り組む重要性を事業の意義に「翻訳」して伝えられる人材が必要
GX人材育成の取り組みを開始している2社に対し、「社内で育成の重要性をどう伝えているか」という質問がモデレータから投げかけられました。
ーKDDI株式会社 兵田氏
GX、特にカーボンニュートラルは、事業から遠いものと見られがちで、利益や企業価値へのつながりが不明確に捉えられがちです。しかし、短期的な利益だけでなく、長期的視点や投資家の要求に基づいて、事業への意義を「翻訳」して伝えることが必要です。GX推進には、こうした翻訳家的な役割を担える人材を増やすことも重要と考えています。
ー住友商事株式会社 菊地氏
まず、自社の環境を客観的に理解することが重要です。社会的なGHG排出削減の要請やカーボンプライシングが経済性に影響を与え、非財務情報開示が企業価値に直結する時代が来ています。これを理解しないと、ビジネスや企業の持続可能性にリスクが生じます。その上で、攻めるべきポイントを見つけ、必要なスキルや知識を現場で自律的に育成するエコシステムを作ることが重要です。
GXはビジネス活動の変革そのためには、GXに関する知識の引き出しを身に着ける必要がある
続いて、GXをリードする経産省の立場からGX人材育成の重要性をどのように考えているか意見をいただきました。
ー経済産業省 GXグループ 環境経済室 室長補佐 折口 直也氏
GXはパリ協定に基づく不可逆な世界的コミットメントであり、日本も国全体としてこれに取り組んでいます。カーボンニュートラルの実現には、ビジネスの変革が不可欠で、CSRではなく、GXを通じていかにマネタイズするかが重要です。
そのためには、排出量の算定方法や環境表示などの価値を理解し、正しく主張して販売力を高めるなどのGXリテラシーが必要となります。そういった知識の引き出しを身に着けていることが、マネタイズするための1つの答えになると思っています。
最後はモデレーター小泉氏の総括で締めくくりました。
2024年は「GX人材元年」組織全体のスキル浸透をすすめ、変化を受け入れる土壌形成を
GX推進においては、中央の専門人材に頼るのではなく、組織全体がリテラシーとスキルを持ち、各部署が連携して取り組むことが重要です。これにより、変化を受け入れる土壌が形成され、組織全体がイノベーションを起こす力を持つことができます。
海外でもカーボンニュートラル推進に関するスキルの議論が始まっており、イギリス、特に中でもスコットランドでは、エネルギースキルズパスポートとして例えば化石燃料に関する雇用者が洋上風力に移行するためのスキルの差分を議論したりしています。また、ヨーロッパ全体でも2023年はスキルイヤーと言って盛り上がっています。
日本でも2024年を「GX人材元年」と位置づけ、2050年に向けた人材育成の取り組みが活発化するよう、情報発信を続けていきます。
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本イベントのアーカイブ動画を期間限定で公開しています。
お申込みはこちらから:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/permeation-event/20240822/
スキルアップGreenについて
GX/SX人材を育成する教育研修を提供しています。入門から実践、守りから攻めまでのGXをカバーする体系的なカリキュラムで、企業のGX、サステナビリティ経営を支援します。
サービスサイト:https://green-transformation.jp/
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/122215/31/122215-31-2437d13e7e43d2d6efb8d2ca2bf2a341-1400x889.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
特徴
環境省認定制度「脱炭素アドバイザー」認定資格を運営
「GX検定 べーシック」は「脱炭素アドバイザー ベーシック」、「GX検定 アドバンスト」は「脱炭素アドバイザー アドバンスト」に認定されています。他にも企業や個人の学習ニーズに応じ、全4種類の検定を実施しています。
GX検定:https://green-transformation.jp/gx_certification/
[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/122215/31/122215-31-3faad20c06d44a470e5fe35696f26fb6-3000x935.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「GXスキル標準」の策定をリード
経済産業省が主導するGXリーグにおいて立ち上がった「GX人材市場創造WG」の代表リーダ―企業を務め、GX人材育成の指針となる「GXスキル標準」策定をリードしました。
GXスキル標準 浸透プロジェクト:https://green-transformation.jp/gx_skillstandard/
[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/122215/31/122215-31-699e2f51e3c4b4fb7cc46f7f18ddfcf4-3900x1415.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
スキルアップNeXtについて
[表: https://prtimes.jp/data/corp/122215/table/31_1_611d059fc4fa47065c57fde5751deb75.jpg ]
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