1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

高精度で迅速な陸上風力発電部材輸送シミュレーションシステムを確立 ―輸送経路の最適化を自動で行う技術を実現―

PR TIMES / 2024年7月29日 16時15分

  



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/32/83531-32-fa984cb0a055d040990eb2616f143085-3900x2197.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 燈株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役CEO:野呂 侑希)は、戸田建設株式会社(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)とともに、AIによる点群モデリング技術と支障物を考慮した経路生成アルゴリズムを活用し、陸上風力発電におけるブレードやタワーなどの部材輸送経路を3次元モデル上で検討するシミュレーションシステム(以下、本システム)を開発しました。本システムにより、それまで2次元の図面で検討されていた輸送経路の計画が3次元ビューアで検討することができるようになり、検討結果を動画で確認することで、より確実で安全な輸送計画の作成が可能となりました。さらに、経路生成や軌跡図作成を自動化することで、従来の人工と比較して1/10程度まで削減されます。



1.背景
 陸上風力発電における部材輸送では、長期的な輸送計画を行うため時間経過による環境の変化や輸送する際の制約、地形・環境への配慮など、柔軟な対応と念入りな検討が求められます。しかし、2次元図面上での輸送路検討を行っていたことから、軌跡図作成労力や属人的なリスク判断の課題が存在しました。数十kmに及ぶことのある輸送路上には、山間部における急カーブや、市街地の交差点をはじめ、部材輸送が困難な箇所が多数存在します。従来は、現地での簡易測量と道路台帳をもとに、輸送車両の角度、部材の高さ、支障物について人手で検討していました。その検討に基づいて軌跡図を作成しており、その作成には膨大な人工がかかっていました。加えて、接触箇所の判定は技量や経験に依存するため、輸送可能かどうかの判断にばらつきが生じます。また、軌跡図ではブレードを起立して輸送する状況をイメージしづらいため、発注者や地域住民に計画を説明しにくいという課題がありました。これらの課題を解決することを目的に、本システムは開発されました。


2.概要
 2-1 道路点群データの抽出
 現道の点群計測によって再現した3次元データ上で輸送車両モデルを走行させるには、現道の点群データから道路面の点群データを抽出し、モデルを作成する必要があります。本システムではAIが道路面の点群データを自動で認識し抽出するため、数分で道路面のモデルを作成することが可能となります。

               道路面のモデル化の概要
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/32/83531-32-6252ff7dc062565f4a9e40d6a9dd8cf0-1050x232.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
 1.現道の点群データ   2.AIで抽出しノイズ除去をした道路面の点群データ   3.メッシュモデル化された道路面


 2-2 最適経路の判定
 本システムでは、3次元の輸送車両モデルが自動生成された道路面を走行する際に、輸送車両モデルと家屋や樹木、電柱などの支障物モデルとの接触箇所が最小となる経路を自動的に生成します。さらに、ブレードやタワーなどの部材が支障する可能性がある道路外の面積を自動的に算出します。また、接触した点群データの色を変化させるなどして3次元ビューアで視覚的に接触箇所の確認を行うことができます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/32/83531-32-ea10c92a3b7100b24065990a637843c5-990x331.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
               山間部での輸送状況のシミュレーション結果の例



3.効果
 AIを活用した点群モデリング技術によって、現道の3次元モデルを最短即日で作成する事が可能になり、自動経路生成や数十cm精度での接触箇所の可視化により、輸送可能かどうかの判断のばらつきを解消します。加えて、部材の干渉範囲、輸送経路の軌跡図作成などの各種機能が搭載され、従来の検討方法と比較して人工が1/10程度へと大幅に短縮されます。また、3次元ビューアで様々な視点から確認、動画を出力する機能により、輸送路近辺の住民をはじめとした関係者に向けて、安全性の説明や輸送時の具体的なイメージを、視覚的に分かりやすく提供することが可能となりました。


4.今後の展開
 今後は、陸上風力発電部材の輸送計画への導入を支援し、計画の発注者や地域住民の皆様にご安心していただけるような分かりやすい計画説明へと繋げてまいります。さらに、シミュレーション基盤の強化と数々のAIアルゴリズムの接続により、計画から輸送段階での活用も含めて、更なる利便性向上と業務効率化を目指します。



■燈株式会社 DXソリューション事業部 アルゴリズムエンジニア 北田 敦也氏のコメント
燈はこれまで建設業界において、建物の3Dモデリング技術やシミュレーション技術を活用したソリューションを多数手掛け、技術を蓄積してまいりました。今回、燈独自のシミュレーション基盤上に点群処理や経路生成といったAIアルゴリズムを搭載し、陸上風力発電の部材輸送に特化したシミュレーションシステムを実現いたしました。大規模な建設データを取り扱える本システム基盤を活用し、将来的にさらなるアップデートを目指して参ります。今後も、3Dデータ処理技術やシミュレーション技術も含め、当社がこれまで培ったテクノロジーを活用し、建設業界の業務効率化により一層貢献してまいります。


■戸田建設株式会社 土木事業本部 土木技術統轄部 土木ICT・AI推進部 部長 小林 修氏のコメント
当社は、陸上風力をはじめとする再生可能エネルギー事業への投資を戦略事業の重点領域として位置付けています。この度、燈社の協力を得て開発した本システムは、長期に及ぶ大型風車部材の輸送路検討の労力を削減し、計画段階での迅速化と正確性の向上、ひいては再生可能エネルギーの普及促進に貢献すると考えています。
今後さらに、本システムの陸上風力発電プロジェクトへの導入展開を進め、地域住民の皆様へ安心安全を提供するとともに、先進的なデジタル技術の活用を通じたDX推進に継続的に取り組んでまいります。




・燈株式会社へのお問合せはこちら
お問合せフォーム:https://akariinc.co.jp/contact

・燈株式会社について
企業名 : 燈株式会社/AKARI Inc.
設立日 : 2021年2月
所在地 : 〒112-0002 東京都文京区小石川一丁目28番1号 小石川桜ビル4階
代表取締役CEO : 野呂 侑希
ホームページ : https://akariinc.co.jp

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください