こんなに「使える」本は滅多にない WIRED日本版前編集長 若林恵氏
PR TIMES / 2019年4月5日 13時40分
学術出版社の世界思想社(京都市左京区)は、『文化人類学の思考法』を刊行します(4月13日発売予定)。『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、毎日出版文化賞)以来の松村圭一郎さんの新刊。WIRED日本版前編集長の若林恵さんは「こんなに『使える』本は滅多にない」と絶賛。カバーデザインは尾原史和さんです。
考えるために役立つ道具箱
考えるために役立つ道具箱をつくりたい。しかも、文化人類学というユニークな学問が育ててきた思考の道具がたくさん詰まった道具箱を。この本は、そんな思いで編集されました。
「近く」の出来事を「遠さ」のなかで理解する文化人類学の思考法を、具体的なトピックに沿って解説していきます。どの章も、一見すると遠いものや異質なものどうしを引きあわせ、既存のことばや概念を問いなおすというスタイル。
第I部では、私たちの世界の基盤をなしている区分けを文化人類学的に見なおします。第II部では、私たちの現実世界を「すでにある」ものとして分析するのではなく、それがどのように生成しているのか、見なおします。第III部では、人が集団のなかで生きていることの意味を考えていきます。
尾原史和さんによるカバーデザイン
[画像1: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-764698-0.jpg ]
本の内容にあわせて、視点を変えるといろいろなものに見えてくる図形を掲載。
さわって開くとわかる、「あたりまえ」を覆すカバー。
BOOTLEG(昨年スープ・デザインより商号変更)の尾原史和氏による渾身の力作です。
編者プロフィール
[画像2: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-530840-8.jpg ]
松村圭一郎(まつむら けいいちろう)
1975年生まれ。文化人類学者。
京都大学総合人間学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。
岡山大学大学院社会文化科学研究科/岡山大学文学部准教授。
フィールドは、エチオピア、中東。研究テーマは、所有と分配、経済人類学。
著書に『所有と分配の人類学』(世界思想社)、『文化人類学 ブックガイドシリーズ基本の30冊』(人文書院)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、第72回毎日出版文化賞〈特別賞〉受賞)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-880487-11.jpg ]
中川理(なかがわ おさむ)
1971年生まれ。文化人類学者。
大阪大学人間科学部卒。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。
立教大学異文化コミュニケーション学部准教授。
フィールドは、フランス。研究テーマは、市場・国家・周縁性の民族誌。
著書に『移動する人々:多様性から考える』(晃洋書房、共編著)
[画像4: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-169795-9.jpg ]
石井美保(いしい みほ)
1973年生まれ。文化人類学者。
北海道大学文学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学人文科学研究所准教授。
フィールドは、タンザニア、ガーナ、インド。研究テーマは、宗教実践、環境運動。
著書に『精霊たちのフロンティア』(世界思想社)、『環世界の人類学』(京都大学学術出版会)。
推薦文
「あたりまえ」の外へ
世の中はいろんな「あたりまえ」でできている。色んなことを「あたりまえ」に思っているから日常生活を円滑に執り行うことができる。けれども世の中が変わっていくと、その「あたりまえ」が通用しなくなっていったりする。そこで、何かがおかしい、とは感じるけれども、その「おかしい」の正体を突き詰めることはなかなかできない。
これまでの「あたりまえ」が通用しないのなら、その「あたりまえ」を一回外から眺めて検証しないといけない。けれども「あたりまえ」を「あたりまえ」と思っているうちは、その「あたりまえ」を疑うことはできない。
あたりまえを疑う。言うは易しだが、これが思うようにできない。手ぶらでやろうとすると気づかぬうちにかつての「あたりまえ」のなかに囚われてしまう。生活のあたりまえ、男女のあたりまえ、会社や仕事のあたりまえ、経済や文化のあたりまえ、国家のあたりまえが劇的に変わっていこうとしているなか、これまでの「あたりまえ」から出ていくためには、優れた道具が必要となる。
[画像5: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-269740-2.jpg ]
文化人類学は「これまでのあたりまえ」の外へと出ていくための「思考のギア(装備)」だ。本書はその最先端の道具が一式詰まった心強い「道具箱」だ。こんなに「使える」本は滅多にない。ビジネスマンからクリエイター、学生まで、下手な実用書を買うくらいなら、これを常備しておくことをおすすめする。
若林恵(編集者・黒鳥社)
若林恵さんとイベント開催
4月20日(土)18:00~ 青山ブックセンター本店(表参道)
「いま、あたりまえの外へ」松村圭一郎×若林恵
境界を飛び越え続けてきた二人が、働き方や仕事や経済が変わり目であるいま、あたりまえの外へ出ることの大事さと方法を語ります。
http://www.aoyamabc.jp/event/outside/
矢萩多聞さんとイベント開催
5月17日(金)19:00~ 誠光社(京都)
「人類学の知恵袋――学ぶ・育てる・働くの『あたりまえ』を問う」
松村圭一郎×矢萩多聞×石井美保
学校、家族、仕事にまつわる日常の悩みをとりあげ、お三方の異国での体験談やエピソードを紹介しながら、日本の「あたりまえ」について、みんなで考えていきます。
https://www.seikosha-books.com/event/4458
目次
はじめに すべての考える人のために
序 論 世界を考える道具をつくろう (松村圭一郎・中川理・石井美保)
第I部 世界のとらえ方
1 自然と知識――環境をどうとらえるか? (中空萌)
2 技術と環境――人はどうやって世界をつくり、みずからをつくりだすのか (山崎吾郎)
3 呪術と科学――私たちは世界といかにかかわっているのか (久保明教)
4 現実と異世界――「かもしれない」領域のフィールドワーク (石井美保)
第II部 価値と秩序が生まれるとき
5 モノと芸術――人はなぜ美しさを感じるのか? (渡辺文)
6 贈り物と負債――経済・政治・宗教の交わるところ (松村圭一郎)
7 貨幣と信用――交換のしくみをつくりだす (深田淳太郎)
8 国家とグローバリゼーション――国家のない社会を想像する (中川理)
9 戦争と平和――人はなぜ戦うのか (佐川徹)
第III部 あらたな共同性へ
10 子どもと大人――私たちの来し方、行く先を見つめなおす (高田明)
11 親族と名前――関係している状態をつくるもの (高橋絵里香)
12 ケアと共同性――個人主義を超えて (松嶋健)
13 市民社会と政治――牛もカラスもいる世界で (猪瀬浩平)
[画像6: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-566989-6.jpg ]
[画像7: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-640714-5.jpg ]
[画像8: https://prtimes.jp/i/6170/35/resize/d6170-35-669935-3.jpg ]
【商品概要】
書 名:『文化人類学の思考法』
編 者:松村圭一郎、中川理、石井美保
仕 様:四六判/224頁
価 格:本体1,800円(税別)
ISBN:978-4-7907-1733-1
発 売:2019年4月13日
(奥付発行日:2019年4月30日)
発 行:世界思想社
Webページ:http://sekaishisosha.jp/book/b449100.html
【会社概要】
法人名:株式会社 世界思想社教学社
創 業:1948年
代表者:代表取締役社長 上原寿明
所在地:〒606-0031 京都市左京区岩倉南桑原町56
事業内容:学術専門書・教養書の出版および大学受験参考書・問題集を中心とする教育図書の出版
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