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雪印ビーンスターク第3回全国母乳調査 「母乳中オステオポンチン」国際共同研究で濃度変化解明

PR TIMES / 2018年5月21日 12時1分

免疫に働きかけウイルスや感染症から赤ちゃんをまもる機能成分「母乳中オステオポンチン」《第51回欧州小児消化器肝臓栄養学会年次総会》で発表



雪印ビーンスターク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:平田 公孝)は雪印メグミルク株式会社と共同で2015年より第3回全国母乳調査を実施しています。
昨年5月には母乳中のビタミンDの濃度に関する研究結果を公開しました。今回は、日本、中国、韓国、デンマークの4か国間の国際共同研究に参画し、最近の日本人の母乳中OPN濃度を調査しました。オステオポンチン(OPN)は、免疫に働きかける機能をもつ母乳中の成分です。その結果、母乳中のOPN濃度およびたんぱく質中のOPNの割合は国によって異なり、産後日数の経過に伴い濃度が低下することが明らかになりました。800検体を超えた多国間での母乳とOPNに関する共同研究は世界初の取り組みとなります。
また、本研究について5月9日よりスイス・ジュネーブで開催される欧州小児消化器肝臓栄養学会(European Society for Paediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition : ESPGHAN)において、学術発表しましたので報告いたします。また、本研究結果は4月17日付けでJournal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition誌にオンライン掲載*されております。
* URL:https://doi.org/10.1097/MPG.0000000000002004

◆本研究成果のポイント
・母乳中のOPN濃度を世界で初めて大規模に調査した
・母乳中のOPN濃度は国により異なる
・産後日数が経過するにつれ、母乳中のOPN濃度は低下する

◆発表概要
演題名:母乳中オステオポンチン濃度は国や泌乳期により変化する-多国間共同研究
(英語原題:Osteopontin levels in human milk vary across countries and within lactation period: Data from a multicenter study)
発表日時:2018年5月10日(現地時間17:20)
学会名:第51回欧州小児消化器肝臓栄養学会(ESPGHAN 2018)
会場:パレクスポ国際会議センター(スイス・ジュネーブ)
発表者:雪印ビーンスターク株式会社 上野 宏、野尻 恵資、小林 俊二郎
※共同発表者一覧は最終ページに記載致します

【研究概要】
○背景および目的
オステオポンチン(OPN)は、免疫に働きかけウイルスや細菌の感染から赤ちゃんをまもる機能がある物質で、細胞が分泌するサイトカインとよばれるたんぱく質のひとつです。母乳にはお母さんの生きた細胞が含まれ、生後間もない赤ちゃんの未熟な免疫機能を補う役割を担うとともに、赤ちゃん自身の免疫系の発達に重要な役割を持つと考えられています。近年の研究では、母乳中の細胞における遺伝子発現を調べた結果、OPNは最も多いサイトカインとして報告されています。
OPNは多くの生理活性をもつたんぱく質ですが、私たちの体内では母乳中に最も多く含まれます。また、OPNの濃度は牛乳よりもヒト母乳の方が高く、ヒト乳児を対象とした介入研究等により牛乳由来のOPNを強化したミルクが乳児にとって有益であることが報告されています。しかしながら、母乳中のOPN濃度は少数の母親から採取した母乳における研究結果に限られており、実際に赤ちゃんが飲んでいる母乳にはどれくらいのOPNが含まれているのか詳細には不明でした。本研究では、日本、中国、韓国およびデンマークの計629名の母親より提供された母乳を対象に、OPN濃度を大規模に調査する多国間共同研究を実施しました。

○方法
各国で母乳中のOPNならびにたんぱく質濃度を測定しました。OPN濃度はELISA法(酵素結合免疫測定法)により、たんぱく質濃度は近赤外分光法によりそれぞれ測定しました。

○結果

4か国計629名より提供された829検体の母乳を対象としました。629名のうち16名は2回、92人は3回、泌乳期の異なるサンプル提供を受けました。
初回提供時の母親および児の年齢はそれぞれ31.4歳(標準偏差4.0歳)および13.4週(四分位範囲4.6-17.9週)でした。
OPN濃度の中央値は国により異なり、濃度順に99.7 mg/L(デンマーク)、182.5 mg/L(日本)、216.2 mg/L(韓国)、266.2 mg/L(中国)でした(p<0.001)。これらは、たんぱく質あたりのOPN濃度として1.3%、2.4%、1.8%および2.7%にそれぞれ相当しました(p<0.05)。
また、複数回の母乳提供を受けた日本人33名および中国人75名のOPN濃度より、母乳中のOPN濃度は分娩後日数に伴い低下することが示されました(p=0.001(日本), p<0.001(中国))。
[画像1: https://prtimes.jp/i/11145/36/resize/d11145-36-429862-1.jpg ]

               母乳中オステオポンチン濃度の調査地域による違い

○結論
この大規模調査により、ヒト母乳中のOPN濃度およびたんぱく質中のOPNの割合には国による違いが認められ、泌乳期により濃度低下することが明らかになりました。

全提供者の母乳中OPN濃度と分娩後日数の関係(n=629)  同一の提供者における泌乳期変化
[画像2: https://prtimes.jp/i/11145/36/resize/d11145-36-878700-0.jpg ]


【雪印ビーンスターク 全国母乳調査につきまして】
母親の生活習慣と母乳成分が乳児に与える影響に関する研究のために実施しております。
1. 目  的:母乳成分とともに母子の背景情報を収集しその相互関係を把握する
2. 対  象:母乳哺育している母親約 1,200 名
3. 方  法:母親から母乳を提供いただくとともに、食事や生活習慣のアンケート、乳児の発育や疾病状況のアンケートを実施
4. 実施期間:2015年秋~2023年(追跡調査を行うため長期実施となります)
※第1回(1960年実施)と第2回(1989年実施)の母乳調査につきましては弊社ホームページをご覧ください。
http://www.beanstalksnow.co.jp/labo/milk/

【企業情報】
雪印メグミルクグループ 雪印ビーンスターク株式会社 (Bean Stalk Snow Co.,Ltd.)
設 立 :平成14年8月7日
代表者 :代表取締役社長 平田公孝
URL :http://www.beanstalksnow.co.jp

◆本学会発表に関する情報の詳細
演題名:母乳中オステオポンチン濃度は泌乳期や国により変化する多国間共同研究
(英語原題:Osteopontin levels in human milk vary across countries and within lactation period: Data from a multicenter study)
発表日時:2018年5月11日(現地時間17:20、口頭発表)
学会:第51回欧州小児消化器肝臓栄養学会年次総会
(51st Annual Meeting of European Society for Paediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition : ESPGHAN 2018)
会場:パレクスポ国際会議センター、スイス・ジュネーブ
(Route François-Peyrot 30, 1218 Le Grand-Saconnex, Switzerland)
発表者:
シーニュ・ブルーン1,2,3,4、ロッテ・ネールガード・ヤコブセン1、シャオレイ・ゼ5、ステフェン・ハズビー2,3,4、上野 宏6、野尻 恵資6、小林 俊二郎6、ジュイル・クウォン7、ジフォン・リウ8、シュヤン・ヤン9、ジヨン・ヤン7、ジッテ・ジャチャリアセン2,3,4、リァン・チェン5、ウェイ・ゾウ10、ブライアン・クリステンセン11、エスベン・S・ソーレンセン11(英語表記:Signe Bruun1,2,3,4, Lotte Neergaard Jacobsen1, Xiaolei Ze5, Steffen Husby2,3,4, Hiroshi M. Ueno6, Keisuke Nojiri6, Shunjiro Kobayashi6, Jungil Kwon7, Xihong Liu 8, Shuyuan Yan9, Jiyeon Yang7, Gitte Zachariassen2,3,4, Liang Chen5, Wei Zhou10, Brian Christensen11, Esben S. Sørensen11)
1) アーラフーズ イングレディエンツ社 小児科領域戦略ビジネスユニット、デンマーク(Strategic Business Unit Pediatric, Arla Foods Ingredients Group P/S, Viby J, Denmark)
2) オーデンセ大学 ハンスクリスチャンアンデルセン小児病院、デンマーク(Hans Christian Andersen Children’s Hospital, Odense University Hospital, Odense, Denmark)
3) 南デンマーク大学 健康科学部、デンマーク(Department of Clinical Research, Faculty of Health Sciences, University of Southern Denmark, Odense, Denmark)
4) オーデンセ大学付属病院 オーデンセ患者データ探索ネットワーク、デンマーク(OPEN, Odense Patient data Explorative Network, Odense University Hospital, Odense, Denmark)
5) バイオスタイム社 健康科学部、中国(Health Science Department, Biostime (Guangzhou) Health Products Ltd., Guangzhou, China)
6) 雪印ビーンスターク株式会社 商品開発部、日本(Research and Development Department, Bean Stalk Snow Co., Ltd., Kawagoe, Saitama, Japan)
7) メイリデーリー社 母乳研究開発部、韓国(Human Milk Research and Development Department, Maeil Innovation Center, Maeil Dairies Co., Ltd., Pyeongtaek, the Republic of Korea)
8) 広州母子メディカルセンター 臨床栄養部、中国(Department of Clinical Nutrition, Guangzhou Women and Children’s Medical Centre, Guangzhou, China)
9) 長沙母子健康センター 小児医療センター、中国(Child Health Care Center, Changsha Hospital for Maternal and Child Health Care, Changsha, China)
10) 広州母子メディカルセンター 新生児科、中国(Department of Neonatology, Guangzhou Women and Children’s Medical Centre, Guangzhou, China)
11) オーフス大学 分子遺伝生物学部、デンマーク(Department of Molecular Biology and Genetics, Aarhus University, Aarhus, Denmark)

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