フュージョン燃料サイクルのエキスパートである元KIT所属のChristian Dayが京都フュージョニアリングに参画
PR TIMES / 2024年5月24日 12時40分
- 優れた技術と知見を活かし、燃料サイクルシステムの技術開発を加速 -
京都フュージョニアリング株式会社は、フュージョン燃料サイクル領域のエキスパートであり、ドイツ・カールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology:以下、KIT)の真空部門で燃料サイクル技術のヘッドを務め、欧州原型炉チームの燃料サイクル技術を主導したChristian Day(クリスチャン・デイ)が当社に参画したことをお知らせします。当社は、Christian Dayが有する優れた技術と知見を活かし、フュージョンエネルギープラントに欠かせない「フュージョン燃料サイクルシステム(Fusion Fuel Cycle System)」の技術開発を加速させます。
また、あわせて欧州の拠点として子会社の「Kyoto Fusioneering Europe GmbH(以下、KFEU」を設立したこともお知らせします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/72520/38/resize/d72520-38-1d337083d6e5d7a23e0d-0.png ]
フュージョンエネルギープラントにおいて、炉心部への安定かつ安全な燃料供給を行うことを可能にするフュージョン燃料サイクルシステムは、フュージョンエネルギーの実現、そしてそれに取り組む全ての研究機関・企業にとって必要不可欠な機能です。特に世界のフュージョンエネルギー炉の大多数はDT反応(二重水素とトリチウムによる核融合反応)による核融合を前提に設計されており、それらにおけるフュージョン燃料サイクルシステムは、水素同位体ガスを炉心部から排気・分離・循環させる技術によって構成されます。
このフュージョン燃料サイクルシステムに関して、当社は世界有数の技術ノウハウを有し、事業の柱の一つとしています。加えて、トリチウムをはじめフュージョン燃料サイクルに関する専門知識を有するKITやカナダ原子力研究所(CNL)とも連携し、この分野におけるトップランナーとして技術開発を推進しています。さらに、CNLと共同でFusion Fuel Cycle Inc.を設立し、燃料サイクルシステムの世界初の実証施設「UNITY-2」の建設や、その後の研究成果および設備・機能を世界中のフュージョンプレーヤーたちに提供するべく取り組みを開始します。
今回のChristian Dayの参画により、当社はさらにこの分野の技術成熟度を向上させ、フュージョンエネルギーの実現を最先端で推進してまいります。
また、当社は技術開発の推進とグローバル市場での事業拡大を目指し、3社目の子会社となる「KFEU」をドイツに設立しました。ドイツはフュージョンエネルギー実験装置の「ヴェンデルシュタイン7-X(W7-X)」を有しているほか、民間企業の数も多く、欧州におけるフュージョンエネルギー開発の中心地ともいえる存在感を示しています。また、炉工学領域や産業的サプライチェーンに強みを持ち、フュージョン燃料サイクルシステムの確立に必要な機器の開発や調達ができることから、ドイツでの設立を決定しました。なお、当社はドイツのKITと協力協定を締結しており、技術開発について学術界と民間の枠を超えたパートナーシップを結んでいます。
KFEUは技術開発の拠点として、Kyoto Fusioneering UK Ltd.とも連携しながら、技術開発とグローバル市場における事業展開を推進していきます。
Christian Dayの参画およびKFEUの設立について、当社代表取締役社長の小西哲之は「様々な業界で経験を積んだプロフェッショナルが集まる当社に、また新しい世界最高峰のエキスパートが増えたことを心から嬉しく思っています。Christianはフュージョン燃料サイクルシステムの根幹となるトリチウムの取り扱いはもとより、真空部門のヘッドとして培ったトリチウムの投入やポンプ効率に関する技術と知見を有しているため、KFEUから当社の技術開発をさらに前進させることを期待しています」と述べています。
【Christian Dayについて】
[画像2: https://prtimes.jp/i/72520/38/resize/d72520-38-58810fc80e30ae9fe32f-0.png ]
Christian Day(クリスチャン・デイ)
Senior Vice President, Head of Fuel Cycle(就任予定)
コメント:
京都フュージョニアリングでフュージョンエネルギーの実現に貢献できることをとても誇りに思います。この大きな一歩は、30年にわたってアカデミアで研究開発に取り組んできた私にとっての集大成ではありますが、それが最高潮を迎えるのはまだここからです。KFEUをフュージョン燃料サイクルの技術拠点とし、フュージョンエネルギープラントの実現に必要なサプライチェーンを確立するべく、取り組んでいきます。
*詳細な経歴はBiography(https://kyotofusioneering.com/news/2024/05/22/2316)をご覧ください。
【Kyoto Fusioneering EUについて】
会社名:Kyoto Fusioneering Europe GmbH
代表者:Christian Day
設立日:2024年2月
稼働開始日:2024年7月を予定
所在地:ドイツ カールスルーエ
※日本国外での子会社設立は、英国、米国に次いで3社目となります。
※米国子会社、英国子会社、欧州子会社はいずれも当社の100%子会社です。
【京都フュージョニアリング株式会社について】
当社は、京都大学をはじめ、日本で長年培われてきた核融合研究の成果に基づき2019年に設立された、フュージョンエネルギープラント機器の開発に特色を持つエンジニアリング企業です。
プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器、水素同位体移送ポンプを始めとした先端核融合工学分野において世界有数の技術力を有しており、英国原子力公社を始め全世界の核融合研究開発機関・企業を顧客に持ちます。
日本のものづくり力を結集し、革新的なエンジニアリングソリューションを世界に提供することで、人類に究極のクリーンエネルギーを提供し、フュージョンエネルギーという新たな世界市場を創出することを目指しています。
<会社概要>
会社名 京都フュージョニアリング株式会社
設立 2019年10月
事業内容 フュージョンエネルギープラント関連装置・システムの研究開発
およびプラントエンジニアリング
代表者 代表取締役社長 小西 哲之(こにし さとし)
社員数 124名 (2024年4月1日時点、派遣・業務委託・海外子会社含む)
所在地 東京都千代田区大手町(本社)
・京都府宇治市五ケ庄(研究拠点・京都大学宇治キャンパス内)
・英国バークシャー州レディング(英国子会社オフィス)
・米国ワシントン州シアトル(米国子会社オフィス)
・ドイツ カールスルーエ(欧州子会社オフィス)
HP https://kyotofusioneering.com/
採用ページ https://kyotofusioneering.com/joinus
ブログ https://kyotofusioneering.com/news_category/blog
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