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【フィード・ワン】日本初導入、米国製の牛呼気メタン測定機「Green Feed」の高い測定精度を実証。環境負荷低減と生産性向上を兼ね備えた実用性の高いメタン低減飼料開発に向け加速

PR TIMES / 2024年10月10日 17時45分

~乳牛のメタン削減飼料開発に向けた個体毎の高精度なメタン測定に関する調査結果を「日本畜産学会」で報告~



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121312/39/121312-39-60e16289b659f62a1bb355c60b4eab7e-3241x1705.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
フィード・ワン株式会社 いわきリサーチセンターに設置されているGreen Feed(左画像)とSmart Feed(右画像)

 フィード・ワン株式会社(本社:横浜市西区、代表取締役社長:庄司 英洋)は乳牛の呼気に含まれるメタンを低減する飼料開発に向けたメタン測定機に関する調査結果を、2024年9月17日に開催された「日本畜産学会第132回」で発表しました。
 本調査では、牛呼気のメタン低減飼料の開発における課題の一つである“正確なメタン排出量の計測”を、米国製の牛呼気メタン測定機Green Feed(以下、Green feed)を活用することで従来の方法より簡易に測定可能であることが実証されました。
 Green Feedの活用により、個体ごとの正確なメタン排出量と飼料摂取量の測定が可能となり、加えて乳量データを掛け合わせることで、メタンの低減と生産性を高め酪農家の利益向上に資する配合飼料開発が加速することが期待されます。
■牛のメタン削減飼料開発における現状と課題
 牛の呼気に含まれるメタンはCO2の約28倍の温室効果があると言われ、畜産業におけるメタン排出削減は地球温暖化を緩和するための重要な課題です。現在では牛のメタン低減に向けた取り組みとして、特定の飼料添加物の利用や飼料の栄養バランス改善など様々な研究が進められています。
 それらの研究が進む一方で、実際の生産現場においてメタン低減に寄与するとされる飼料原料や手法によってどの程度メタンが低減されているのかを調べる方法は、実際の牛の呼気を分析する他ありません。しかしメタンが含まれる牛のげっぷは不定期に発生することに加え、メタンは空気より軽いため、回収することが非常に難しいことが課題です。
  牛呼気のメタン測定の方法は複数ありますが、現在日本国内のメタン低減飼料の研究は国や県の研究機関が主体であり、コスト面からも企業の参画は困難な状況でした。その中でフィード・ワンが着目したGreen Feedは米国のC-Look社が開発する機器であり、世界で唯一市販されているメタン測定システムです。海外での使用事例は多く報告されていますが日本での実績がないため、フィード・ワンでは、2023年7月にいわきリサーチセンター(福島県いわき市)の研究施設に同機器を導入し、農研機構が推奨するスニファー法の測定値との相関性があるか、測定精度に関する試験を行いました。

《様々な牛呼気メタン計測方法》
●チャンバー法
牛を密閉されたチャンバーと呼ばれる部屋に入れ、呼気を全て回収する方法。
メタン排出量を正確に測定できるが、膨大な設備コスト、運用コストがかかる。また、牛を密閉空間に閉じ込めることによるストレスが測定結果に影響する可能性がある。
●スニファー法
搾乳ロボットや餌箱周辺で呼気の一部を採取する方法。2022年に農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は本方法でメタンを測定するマニュアルを作成し、企業の研究開発の加速化を期待。
チャンバー法と比較して簡易に測定可能であるが、搾乳ロボットのない農場では導入が困難であり、測定データの分析がシステム化されておらず分析に手間がかかる。
●Green Feed
給餌装置に設置されたセンサーを用いて、餌を食べる際に牛が排出するメタンを測定する方法。牛が自然な行動をしながら測定ができ、長期間のデータ収集が可能であることに加え、計測データは自動解析されるため分析の手間が不要。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121312/39/121312-39-bccebed791928bf8b5ef503ff139eb3a-3830x2141.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■ 学会発表と試験概要について
タイトル:乳牛における牛呼気メタン測定機GreenFeed法を用いたメタン排出量の測定
登壇者:畜産飼料部 望月伸二
学会名:日本畜産学会第132回(https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jsasconf132
開催期間(場所):2024年9月16日~9月20日(京都大学)

試験概要:
 牛呼気のメタンは飼料中に含まれる繊維質の含有量が多いほど発生するため、繊維含有量の多い乾草(粗飼料)の配合率を増減させることによって、メタン発生量の変化を調べました。本試験はスニファー法を用いて測定されている、2022年に発行された「ウシルーメン発酵由来メタン排出量測定マニュアル」の基となった試験を参考にしています(2022年、農研機構)。結果として、マニュアルの基となった試験と本試験結果は同傾向の結果が確認され、Green Feedの高い測定精度が示されました。
また、嗜好性の高いペレット飼料を用いることで、Green Feedへの特別な馴致なく測定ができることがわかりました。
■ 今後の展開
 今回の試験により、Green Feedの活用により牛呼気のメタンを少ない作業負担かつ高精度に測定することが可能と判断されました。Green Feedは移動式でどのような牛舎形態でも複数の個体から測定できるため、実際の生産現場に即した再現性の高いメタン低減技術・飼料の開発が加速することが期待されます。
 また、Green Feedを個体毎の牛の飼料摂取量を測定できる機器「Smart Feed」と連携させることで、個体毎の「メタンの発生量」と「飼料摂取量」を関連付けて分析することができます。それに加えて、「乳量データ」を掛け合わせることによりメタンを低減しながら生産性を高める飼料の効率的な開発が可能となりました。
 飼料価格をはじめ生産コストの増加が経営を圧迫している現在の酪農業界において、今回の飼料開発は生産者の収益圧迫の軽減に寄与することが期待されます。また、牛呼気のメタン低減はサプライチェーン全体を通じたScope3における温室効果ガス削減への貢献にも繋がります。
フィード・ワンはメタン低減飼料の開発を通じて、持続可能な畜産業の実現を目指してまいります。

■会社概要
会社名:フィード・ワン株式会社
代表者:庄司 英洋
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい5丁目1番2号
設立:2014年10月
資本金:100億円
事業内容:配合飼料の製造・販売、畜水産物の仕入・販売・生産・加工等
     上記に付帯関連するその他事業(農場の経営指導、家畜診療施設の運営等)

フィード・ワン コーポレートサイト:https://www.feed-one.co.jp/
サステナビリティサイト:https://www.feed-one.co.jp/csr/
X公式アカウント:https://twitter.com/feed_one2060

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