触媒や添加物を使用せず光を用いてPFAS(有機フッ素化合物)を分解・無害化できる技術を開発
PR TIMES / 2025年1月16日 15時45分
ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 朝日 崇文、以下 ウシオ)は、世界的に新たな環境規制物質として注目されている、PFAS(有機フッ素化合物)のうち、代表的な物質であるPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)を、触媒や添加物を使用せず光を用いて1リアクターで分解・無害化できる技術を開発しましたので、お知らせいたします。
PFASは、人体への健康被害の実例が報告されて以来、欧米をはじめとして排出規制が定着しつつありますが、その難分解性から除去・無害化手法の確立が喫緊の課題となっています。PFASの分解方法は現在、活性炭で吸着後に焼却する高温焼却処理が検討されていますが、吸着した活性炭の輸送、焼却のための燃料やそのエネルギーの消費、さらには活性炭焼却由来のCO2や温暖化係数※の高いフッ素系温暖化ガスの大気放出が懸念されています。
これらの課題に対し、ウシオは、創業以来培ってきた真空紫外線技術を応用して、PFASを分解・無害化できる技術を開発しました。具体的には、波長172nmの紫外線を発するエキシマランプを用いた光の力に、OHラジカル、水和電子を加えた3つの力でPFOA、PFOSを分解した結果、mg/Lと言う多量のPFOA、PFOSであっても一定時間で99%を分解できることを確認しています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/56655/40/56655-40-3f5a7e6b85a6520d42e3483764b7350d-1169x362.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
波長172nmの紫外線を発するエキシマ光を用いたPFASの分解イメージ
【特長】
・常温常圧にて処理可能
・焼燃料・触媒・化学薬品添加物が不要で、光と電気エネルギーだけで分解可能
・分解反応の過程で想定外のフッ素化合物ができにくい
・短鎖PFAS分子の分解も可能
・分解後に残った最終的な物質(HF、H+、F - )は、水酸化カルシウムで最終処理することでフッ化カルシウムとして固定安定化が可能(別用途への再利用可能)
・PFAS濃縮技術との組み合わせにより高い分解効率を実現可能
なお、今後は実用化に向けさらに研究・開発を進め、2025年度に実証実験を開始し、2027年の事業化を目指します。
ウシオは今後、地球温暖化対策においても、社会実装を通して「地上炭素ネットゼロと、人々の幸せを両立できる世界」に「光」で貢献していきます。
なお、本技術は2025年1月29日~31日に東京ビッグサイトにて開催される「InterAqua 2025」でパネル展示をします。
※ CO2を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字のこと。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/56655/40/56655-40-ea2a16e6b0f44791df9bffdf1e153307-199x79.gif?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ウシオ電機株式会社(本社:東京都、東証6925)
1964年設立。紫外から可視、赤外域にわたるランプやレーザー、LEDなどの各種光源および、それらを組み込んだ光学・映像装置を製造販売しています。半導体、フラットパネルディスプレイ、電子部品製造などのインダストリアルプロセス分野や、デジタルプロジェクターや照明などのビジュアルイメージング分野で高シェア製品を数多く有しており、近年は医療や環境などのライフサイエンス分野にも事業展開しています。https://www.ushio.co.jp
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