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KPMG、「AIを用いたこれからの財務報告(拡大版)」を発表

PR TIMES / 2025年1月20日 10時45分

経理財務部門でのAI導入は高いROIを達成し、およそ7割の企業がAlを活用



KPMGインターナショナル(チェアマン:ビル・トーマス)は、本年4月に主要10カ国の企業1,800社を対象に行った調査レポート「AIを用いたこれからの財務報告と監査」に続き、今回、23カ国の企業2,900社を対象に実施した調査レポート「AIを用いたこれからの財務報告(拡大版)」を発表しました。
本調査では、企業の経理財務部門においてAIの導入が進んでいることが明らかになりました。AI導入は極めて高いROI(投資収益率)を示し、意思決定の品質向上や洞察の提供、報告スピードの向上、生産性向上やコストの低下など幅広いメリットをもたらしています。主な調査結果は、以下のとおりです。

※本調査では、AI利用の成熟度の高い順に「リーダー」(24%)、「フォロワー」(58%)、「ビギナー」(18%)の3つに分類し企業の経理財務部門におけるAI活用の進捗を評価しています。なおKPMGでは、「Al成熟度ベンチマークツール」を開発し、企業のAl変革プロセスの進度を評価する支援を行っています。

- Alに関する投資は幅広く行われている。中でも、機械学習、ディープラーニング、生成Alに最も価値を見出しており、「リーダー」の57%、「フォロワー」の30%、「ビギナー」の25%の企業が、ROIは期待以上であると回答している
- 財務報告は最も一般的なAIの使用分野であるが、財務管理、リスク管理、税務業務を含む経理財務部門業務全般に拡大している
- およそ4分の3の「リーダー」が、Alの使用に関するポリシーとガイドラインを策定している


Alの活用範囲は拡大し、生成Alは今後の重要な優先事項となる
およそ7割(71%)の企業が、企業の経理財務部門において一定程度Alを使用していると回答しています。現在、そのうち41%が中程度から広範囲にAlを活用しており、これは今後3年間で83%に増加すると予測されています。
なお、前回調査(2024年4月)と同じ10カ国の企業で比較すると、経理財務部門において中程度から広範囲にAlを活用している企業は、40%から45%に増加しており、この6か月間でAl利用の普及が進んでいることが分かります。今後も生成AIを活用する意向のない企業は6%から1%にまで減少しました。生成Alは今後の重要な優先事項となっており、「リーダー」の95%および「リーダー」以外の39%は、今後3年間で財務報告において生成AIを導入すると予想しています。


企業の経理財務業務へのAI利用は中国、米国は先行
本サーベイでは、世界各国においてAIが企業の経理財務業務にどの程度利用されているかを調査しました。中国が66%、米国が62%と利用が進んでいる一方で、日本は47%、英国は41%、シンガポールが34%と、ばらつきが見られます。

「リーダー」の割合は、金融サービス業界(29%)が高水準である一方で、ヘルスケア業界(16%)では低水準であり、他はほぼ同水準となっています。なお、売上高100億米ドル(約1.5兆円)以上の企業においては、41%が「リーダー」となっています。


財務報告領域で広がるAl利用
企業は経理財務のあらゆる領域でAlを活用しようとしていますが、中でも財務報告はAIの利用範囲が最も広がっている領域です。およそ3分の2の企業が報告書作成や会計および財務計画にAlを試験的に導入、もしくは使用しています。日本においては、財務報告にAIを利用している企業の割合が、前回調査時の31%から39%に増加し、主要10カ国の中でも上位にランクインしています(図1)。さらに、今後3年間では87%まで上昇すると予想されており、これは、調査対象23カ国の平均(83%)を上回っていることが明らかになりました。

図1:主要10カ国におけるAIの「選択的または広範囲」利用の割合
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/141127/41/141127-41-8e6af0b463e41cf3901fb9750421e8f2-1857x992.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


他の領域でもAIの利用が拡大しており、現在では半数近くの企業が資金管理やリスク管理にAlを試験的に導入または使用し、債務管理、キャッシュフロー予測、不正や詐欺の検知、信用リスク評価、シナリオ分析などの精度向上を図っています。


進化を続ける「リーダー」
87%の「リーダー」は、中程度から広範囲に企業財務でAlを使用しています。主な利用分野は、調査とデータ分析(85%)、不正や詐欺の検出と予防(81%)、予測分析と計画(78%)、AIを使用した文書やその他のコンテンツの作成(75%)です。
「リーダー」は、次の要素の組み合わせによって成功を収めています。
- 投資

「リーダー」は、IT予算全体の13%をAIに費やしています。これは、「リーダー」以外の7%と比較してほぼ2倍の水準です。
- 人材リソース

「リーダー」においては、企業全体でAl関連人材リソースを確保しているケースもありますが、多くは各部署内にリソースを保有しています。また約半数は、アウトソーシング企業やコンサルタントなどの外部リソースも活用しています。
- ガバナンスと保証

「リーダー」は、Alガバナンスを強化するために更なる手を打っており、半数以上がAlの開発・運用プロセスと管理に対して第三者の保証を受けています。企業が監査人に対して、監査業務で高度なAlツールを使用することを要請することもあり、企業と監査人の間でのAlに関する情報共有が期待されています。

全企業が直面する共通の課題として、データセキュリティの脆弱性(57%)、十分でないAlのスキルや知識(53%)、一貫性のあるデータの収集(48%)、およびコスト(45%)が挙げられますが、「リーダー」はこれらの課題をより上手に乗り越えることができています。「リーダー」の主な課題は、既存のツールとAlソリューションの統合や、従業員による抵抗を克服するといった、より高度なものになります。
多くのCFOは、経理財務業務にAIを活用する際に同じような課題や懸念を抱いていますが、「リーダー」はこれらを克服するためにより多くの手を打っています。例えば、「リーダー」のおよそ4分の3(72%)は、AIの使用に関する企業の原則を定め、ガイドラインを策定しており、企業が安全にイノベーションを進め、成長するための環境を整えています。


AIがもたらすメリットと高いROIの達成
経理財務業務へのAlの活用が広がるにつれ、メリットも大きくなります。「ビギナー」は平均2‐3個のメリットを挙げているのに対し、「リーダー」は7個も挙げています。
Al活用のメリットが増えていくのに伴って、ROIも上昇します。「リーダー」の57%、「フォロワー」の30%、「ビギナー」の25%が、ROIが期待以上であると回答しています。

KPMGインターナショナルの Al関連サービスのグローバル責任者であるDavid Rowlandsは次のように述べています。
「これほどまでに投資効率の高い領域は他には考えられません。克服すべき課題は存在するため、企業は強固なガバナンスを確立しつつ、目指す成果に焦点を当てて着実に進めていく必要があります。Al活用における新たなフェーズへ進むことで、潜在的なメリットは格段に増えていきます。」


KPMGについて
KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供する、独立したプロフェッショナルファームによるグローバルな組織体です。世界142の国と地域のメンバーファームに275,000人以上の人員を擁し、サービスを提供しています。KPMGの各ファームは、法律上独立した別の組織体です。
KPMG International Limitedは英国の保証有限責任会社(private English company limited by guarantee)です。KPMG International Limitedおよびその関連事業体は、クライアントに対していかなるサービスも提供していません。
日本におけるメンバーファームは、次のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社 KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、株式会社 KPMG Ignition Tokyo、株式会社 KPMGアドバイザリーライトハウス

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