ispace、「HAKUTO-R」ミッション2の打ち上げは約1か月後、最速2025年1月中旬(6日間の打ち上げウィンドウ)を予定
PR TIMES / 2024年12月18日 13時45分
米国民間企業Firefly Aerospace社と同じロケットでの打ち上げ&月面着陸までのマイルストーンや月面探査詳細など、ミッション全貌を公開
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は本日、Mission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON(以下ミッション2)の打ち上げが約1か月後の、最速2025年1月中旬となる予定であることを公式youtubeで発表いたしましたので、お知らせします。
本日公開された動画では、先月打ち上げ場のある米国フロリダに輸送が完了し、打ち上げに向けた最終準備中のRESILIENCEランダーについて、最新の打ち上げ予定時期が約1か月後の最速2025年1月中旬(6日間の打ち上げウィンドウ)となることに加え、同じSpace X社のFalcon 9ロケットで、同様に月面探査を目指す米国の民間企業であるFirefly Aerospace社(以下Firefly社)と共に打ち上げられる旨が発表されました。1つのロケットに月面探査を目指す民間企業2社が共に打ち上げられるのは史上初であり、月面探査における歴史的瞬間となります。
今後、最終的な打ち上げの日時は、Space X社とFirefly社の間の協議を踏まえ、最速1月中旬までの間に確定次第、詳細をお知らせする予定です。なお、ispaceのミッション2は、ミッション1同様に低エネルギー遷移軌道を使い4~5か月後に月面着陸を予定しており、今回のFirefly社のミッションは、同社の発表によれば、計画通りに進めばおよそ45日後に月面に到達するとのことです。
■ 着陸までのミッション2 マイルストーン及び月面探査について
また、今回ispaceは2022年に打ち上げたミッション1同様に、ミッション2でRESILIENCEランダーが月面着陸に再挑戦するまでの10段階のマイルストーンを公開いたしました。ミッション1で打ち上げたランダーは各マイルストーンを順調にこなし、初挑戦で8つのマイルストーンを達成し、ハードウエアの構造設計や軌道制御マヌーバ等を通じた良好なパフォーマンスを実証することができました。ミッション2では、惜しくも成功とはならなかった9および10個目のマイルストーン達成を目標に、ミッション1で得たデータやノウハウを全てフィードバックしたRESILIENCEランダーが月面着陸を目指します。着目すべきは5番目のマイルストーンに設定されている「月フライバイの完了」で、今回のミッションで初めての挑戦となります。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/42/140640-42-966c0c5463bea1422abe4bc78b223178-1377x775.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/42/140640-42-de68424388771735bea272f9899c4853-2074x2700.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
さらに、ミッション2でispaceは、中長期的に目指すシスルナ経済圏の構築を推進する上で重要施策となる、資源探査の初期的な取り組みを、当社欧州法人にて自社開発したTENACIOUS(テネシアス)ローバー(月面探査車)を用いて実施いたします。月面着陸後にRESILIENCEランダーの安定状態を確立し、地上局との回線を確保すると、ランダーは搭載しているペイロードの運用を開始します。TENACIOUSローバーはここで月面展開され、新たな経済圏構築の第一歩につながる月面の自律走行、搭載カメラでの撮影、ムーンハウスのペイロード展開、および月のレゴリス採取などの月面探査を行います。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/42/140640-42-3680e26fa46da0388865ae8975b4292d-1377x775.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■ ミッション2の月保険について
ispaceは2022年に実施したミッション1において、世界初の月保険の契約を三井住友海上火災保険株式会社(以下MSI)と契約ました。当該保険は、将来に向けて持続安定的な月ミッションを民間企業が実現することを支える目的でMSIと当社により共同で開発され、ispaceは第一号案件となりました。実証段階フェーズと位置付けるミッション2においても、ミッション運用中のリスクを軽減させるため、当社はMSIと新たに月保険を締結することを発表しました。
保険内容は以下の通りとなります。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/42/140640-42-90ffc71aae5fddd7f5929bfe7db0d4d0-1148x216.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■ MSI 企業マーケット戦略部 宇宙開発チーム長 濱村康介氏のコメント
「2023年から2024年に亘り複数の宇宙ミッションにおける大型事故が発生し、それに伴う多額の保険金の支払いが発生した影響から、国際宇宙保険マーケットでは、引受に対する厳格化が進んでいます。ミッション1の月保険を組成した2022年と比較してマーケット環境がハード化している係る状況においても、ミッション1の実績を考慮した保険責任期間を設定することで、ispaceのミッション2を補償する月保険を組成することができました。
本月保険の組成ができたことは、一定水準の技術実証を示すことができたミッション1の実績も然ることながら、ミッション1以前からispaceの月面着陸・探査ミッションに関する情報を国際宇宙保険マーケットに丁寧に伝えて相互理解を深めてきたこと、そして月面着陸・探査ミッションを技術的な観点から十分に精査して当社の有する宇宙保険のノウハウを融合させた結果であり、ispaceへのマーケットからの一定の信頼性を示す好事例であると考えております。
当社は引き続きispaceを含む月面開発を企図している事業者への月保険の提供を行うことで、宇宙産業のさらなる発展に貢献していきたいと考えております。」
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。最速 2025 年 1 月中旬に日本法人が主導するミッション2、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。
■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「およそ1か月後に打ち上げを予定していることを本日お知らせすることができ、いよいよ近づいてきた月への再挑戦に胸が高鳴っています。ここまで、従業員や株主、パートナー企業の皆さまと共に鼓舞激励しながら開発を進めてまいりました。世界中の機関や企業、プロジェクトが月を目指している中で、ispaceは世界を牽引しシスルナ経済圏構築のための価値創造を絶え間なく続けていくため、ミッション2で更なる実績を積み上げたいと思います。ぜひ、ご期待ください。See you on the Moon!」
■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2の打ち上げは最速2025年1月中旬[i]に、ミッション3は2026年[ii]、ミッション6は2027年に[iii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
■ HAKUTO-R ( https://ispace-inc.com/jpn/m1 )について
HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。最速2025年1月中旬[iv]にミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定。
オフィシャルパートナーである株式会社三井住友銀行により命名されたMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”には、新たな始まりやチャンスの意が込められている。
HAKUTO-Rはオフィシャルパートナーとして株式会社三井住友銀行、コーポレートパートナーとして、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc AB、株式会社ジンズ、栗田工業株式会社が参加している。
[i] 2024年12月時点の想定
[ii] 2024年12月時点の想定
[iii] 2024年12月時点の想定
[iv] 2024年12月時点の想定
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