薬剤耐性結核の新たな検査方法が、診断向上と早期治療を促進

PR TIMES / 2012年11月14日 9時16分

国境なき医師団(MSF)が、簡便な新しい結核診断検査を、これまでで最大規模となる複数国で実践導入した結果、世界規模で深刻化する薬剤耐性結核(DR-TB)への対策が急務であることが明らかになった。



新たな結核診断検査

マレーシア・クアラルンプールで本日から開催されている「第43回世界肺の健康会議(Union World Conference on Lung Health)」において、MSFは14ヵ国25件の活動プログラムから約18ヵ月にわたって収集したデータを発表する。そのデータによると、新しい診断検査方法である「Xpert MTB/RIF」を用いた施設での結核検出数は、現在一般的に行なわれている喀痰塗抹顕微鏡検査に比べ、全体で50%も多いことがわかった。一方、プログラムごとの検出数増加率には非常に幅があることも判明している(検査による確定例の増加率は10~115%)。

Xpert MTB/RIF検査は、2時間ほどで結果を出すことが可能で、患者の結核菌が結核治療の第1選択薬のひとつである「リファンピシン」に耐性を持っているかどうかも検知できる。MSFがジンバブエで行ったプログラムでは、この検査の導入により、暫定的な結果ではあるが、DR-TBの検出数が4倍近くになったことがわかった。また、スワジランドでは、患者の検体の採取からDR-TBの治療開始までの時間が、65.9日から13.9日へと79%も短縮された例もある。

二人に一人しか治らない

南アフリカで活動するMSFのHIV/エイズ・結核専門家ヘレン・バイグレイブ医師は、「この新しい結核検査は、DR-TB感染の実際の規模を明らかにする一助となり、人びとの治療開始を早めることができるでしょう。しかし、患者も医師も、長期にわたり痛みを伴う治療は続けなければなりません。しかも、DR-TBは、およそ二人に一人の確率でしか治癒しないのです」と話す。

Xpert MTB/RIF検査の実践導入で得られたデータでは、半数のプログラムで「判定不能」の検査結果となる確率が6%を超えるという問題が明らかになっており、より簡便な「ポイント・オブ・ケア検査(POCT)*」も依然として必要ではある。しかし、新たな検査方法は、結核およびDR-TBの早期診断をもたらす確かな進歩を明示するものであり、その導入は推進すべきだと考えられる。
*ポイント・オブ・ケア検査:患者のいる場で行う臨床検査。

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