秋の新学期を迎えることができないガザの子どもたち
PR TIMES / 2014年8月26日 12時47分
子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは、世界中の子どもたちが秋の新学期を迎えようとする一方で、ガザの子どもたちの教育を受ける権利が阻害されていると報告しました。ガザでは8月24日から新学期が始まる予定でしたが、イスラエルとの戦闘がこのまま続く限り、学校の再開は無期限に延期せざるを得ない状況です。
戦闘開始から6週間の間に、200校以上の校舎が破損または破壊されました。使用可能な校舎には、戦闘を逃れるために自宅から避難した数千人の人々が寝起きするテントで埋め尽くされています。また、もし学校を再開しても、子どもたちの通学に危険が伴います。
こうした事情から、ガザに暮らす子どもたちのおよそ50万人が秋の新学期を迎えることができません。永続的な停戦の合意がなされずにこの状況が継続されれば、子どもたちの教育やメンタルヘルス(精神衛生)に長期にわたる深刻な影響をもたらすことになります。
「この戦闘が始まる以前からガザでは教室の数が足りず、子どもたちが交代制で授業を受けなければならないほど、学校施設の環境は悲惨なものでした。その上、今では子どもたちは教育そのものから切り離されてしまっています。ガザで我々が共に活動している子どもたちは勉強熱心で、医者や、学校の先生や、弁護士になりたいという将来の夢を持っています。そんな子どもたちから学び、成長する機会を奪うことは、思慮に欠けた愚かな行為です。セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが一刻も早く学業を再開できるよう、戦闘の当事者双方に対して、学校への攻撃を止めること、および持続的な即時停戦の合意に達することを求めています。」セーブ・ザ・チルドレン デビット・ハッセル
セーブ・ザ・チルドレンは、イスラエルとパレスチナの人々が健全な日常生活を送れるよう、戦闘の当事者双方に対して永続的な停戦を求めると同時に、一般市民に多大な苦しみを与えている暴力の停止を要請しています。
【備考】
・ガザでは、以前から教室が足りていない状態で、国連の見積もりによると、さらに250校が必要とされていました。
・イスラエルとエジプトによるガザの封鎖によって、新校舎を建てるための建築材の搬入が困難なものになっていると同時に、燃料の不足による停電の頻発で子どもたちは夜に宿題をすることもできない状況です。
・今回の戦闘によるストレスで、37万人の子どもたちが専門的な心理社会的サポートを必要としています。学校は、子どもたちが心的外傷から回復するための安定した安全な環境を提供し、重要な役割を果たす場所です。
・今回の戦闘で、ガザでは400人以上の子どもたちが命を奪われ、およそ16万人以上が戦闘から逃れるために自宅から避難しています。
・セーブ・ザ・チルドレンは、ガザで水、シェルター、衛生キット、乳幼児キットの配布や心理的サポートを提供するための活動を展開しています。
■ セーブ・ザ・チルドレンについて
1919年設立。子ども支援の世界的リーダーとして、国連経済社会理事会(UN ECOSOC)のNGO最高資格である総合諮問資格(General Consultative Status)を取得。世界30カ国の独立したセーブ・ザ・チルドレンがパートナーシップを結ぶ国際組織。すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指し、現在約120の国と地域で活動しています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは日本のパートナーとして1986年に設立されました。 http://www.savechildren.or.jp/
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