高齢者へのマッサージ 部位により脳に与える影響に差があると発見
PR TIMES / 2019年3月4日 16時40分
客観的指標に基づく脳波活動評価、腕部は幸福感に関連、脚部は記憶活動を増加
2019年3月4日
高齢者へのマッサージ 部位により脳に与える影響に差があると発見
客観的指標に基づく脳波活動評価、腕部は幸福感に関連、脚部は記憶活動を増加
一般社団法人日本介護美容セラピスト協会(代表理事:谷都美子/大阪市福島区)は、3月2日~3日に開催された
日本健康支援学会 第20回学術大会にて、「上肢と下肢に対するマッサージが高齢者の脳波活動と心理的側面に及ぼす効果」と題し、脳波計測とアンケート調査の結果を発表しました。アンケートによる心理的側面の評価は、腕部、脚部で大きな差はなかったものの、脳波計測においては、腕部へのマッサージは、情動や幸福感に関する脳波活動が活発となり、脚部へのマッサージは、情動や記憶に関する脳波活動が活発になることがわかりました。身体にマッサージを行うことで高齢者の行動面や心理症状の改善に効果的であることは既に明らかでしたが、部位別に行うマッサージの効果についての研究は、アンケートなど主観的な指標によるものでは例がありますが、脳波計測による客観的な研究は過去に行われていません。
なお、この研究は、京都橘大学健康科学部と合同で行いました。
■評価方法
対象者:要支援または要介護認定を受けた高齢者12名(うち男性3名 女性9名 平均年齢81.9±3.9歳)腕部マッサージを受けるA群と脚部マッサージを受けるB群にランダムに振り分け、1週間後、マッサ―ジ部位を入れ替えて実施。マッサージは、日本介護美容セラピスト協会の5年間の実務経験があるビューティタッチセラピストによる。
※ビューティタッチセラピスト…日本介護美容セラピスト協会の認定を受けた、介護美容に関わる知識やマッサージの技術を習得したセラピスト。
測定内容:マッサージ前後にリッカート尺度によるアンケートにて心理面の評価。脳波計測は、安静時脳波とマッサージ前後にて測定し、比較。
■結果
1、心理的側面について「気持ちよさ」「リラクセーション」「すっきり感」の項目で、腕部及び脚部のマッサージ後、ともに高い値が示されたが、両群での有意な差は認められなかった。
2、腕部へのマッサージ後の脳波計測において、情動や幸福感に関連する島皮質のα帯域の活性化が認められた。
[画像1: https://prtimes.jp/i/25614/45/resize/d25614-45-869127-2.jpg ]
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3、脚部へのマッサージ後の脳波測定において、情動や記憶に関連する後帯状皮質のα帯域の活性化が認められた。
■今後の展望
平成28年の国民生活基礎調査によると、要支援・要介護の要因の第1位は認知症であり、介護保険入所者の95%が認知症を呈することが報告されおり、(平成28年介護サービス施設・事業所調査)増加する認知症に対する取り組みは社会課題です。今後、研究成果をより深め、腕部、脚部以外のその他の部位も、マッサージを施すことによって与えられる効果が明らかになることで、認知症の予防や進行の抑制に期待できると考えます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/25614/45/resize/d25614-45-339169-4.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/25614/45/resize/d25614-45-257202-5.jpg ]
■発表内容
タイトル:上肢と下肢に対するマッサージが高齢者の脳波活動と心理的側面に及ぼす効果
発表者:京都橘大学 健康科学部 中野英樹・村田伸・兒玉隆之
京都橘大学 大学院健康科学研究科 植田智裕
一般社団法人日本介護美容セラピスト協会 谷都美子・森郁子
【一般社団法人介護美容セラピスト協会 概要】
所在地:大阪市福島区海老江1丁目11番17号(株式会社ナリス化粧品 本社内)
設立:2014年4月
代表者:代表理事 谷都美子
事業内容:心と体の美容療法(R)を創出。ビューティタッチセラピー(R)(介護美容)の手法を用いて、マッサージやメークなどの手法を取り入れることで、主に高齢者の自立支援やQOLの向上を目指す。全国で、ビューティタッチセラピストの養成と認定講座を開催。約1540名(2019年2月末現在)の認定セラピストを輩出している。
2014年9月 九州ヘルスケアサービス産業創出研究会テーマ事業に認定
2015年3月 日本健康支援学会で発表
2015年3月 日本早期認知症学会で発表
2016年3月 厚生労働省 「保険外サービス活用ガイドブック」に掲載
2018年6月 日本健康心理学会、日本ヒューマン・ケア心理学会学術集合合同大会で発表
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