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植物由来乳酸菌 A221 株に関する新知見

PR TIMES / 2014年4月7日 12時26分

日本農芸化学会 2014 年度東京大会 3/27~30 にて発表

長瀬産業株式会社(本社 東京都中央区、代表取締役社長 長瀬 洋)は、この度、独自に扱っている植物由来乳酸菌 A221 株の機能に関して新たな知見を得ましたので、以下のタイトルで日本農芸化学会 2014 年度大会において発表致しました。

発表タイトル(2 題)
「植物中に含まれる配糖体に対する Lactobacillus paracasei A221 株の影響」
「Lactobacillus paracasei A221 株が「ケール」の表皮バリア増強作用に与える影響」
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【研究の背景】

乳酸菌 A221 株 (Lactobacillus paracasei A221 株) は、伝統的な食品より分離され、これまでプロバイオティクス乳酸菌としての効果が報告されています(1)。また、オタネニンジンに含まれる配糖体(人参サポニン)を代謝し生理活性の高い成分に変換することで、オタネニンジンの薬効を改善する機能が報告されています(2)。
他方、我々が日頃頻繁に口にする野菜や果物においても多様な配糖体成分が豊富に含まれており、本乳酸菌の積極的な利用により、配糖体の代謝・変換を通して様々な食品素材の保健機能あるいは美容機能の強化の可能性が考えられます。
そこで今回、1.植物に含まれるいくつかの配糖体に対する乳酸菌 A221 株の代謝能力、2.配糖体を豊富に含む素材として青汁に用いられる「ケール」に着目し、その生理活性に与える本菌株の影響について検討を行いました。

【学会発表内容】

実験1. 植物に含まれる配糖体に対する乳酸菌 A221 株の代謝能力

‘配糖体’とは、植物中に含まれる成分の中で特にグルコース(ブドウ糖)をはじめとする種々の‘糖’が結合した成分の総称です。一般的に配糖体から糖が除かれたアグリコン体と呼ばれる成分に変わることで、より高い生理活性を発揮すると考えられています。また、ある種の腸内細菌にはこうした配糖体を代謝し、アグリコン体に変換する働きがあることも知られています(1)。乳酸菌 A221 株は、オタネニンジン配糖体(人参サポニン)に対し優れた代謝能力を発揮することから今回、Lactobacillus paracasei の基準株(NBRC15889 株)を比較対象に用い、野菜や果物に含まれるいくつかの配糖体について代謝効率を比較検討しました。その結果、乳酸菌 A221 株には基準株と比較し、一部の配糖体に対して高い代謝活性が認められました。

本結果から、乳酸菌 A221 株はオタネニンジン配糖体のみならず、多様な配糖体の代謝・変換を通して野菜や果物の有効性を高める可能性が考えられました。特に、乳酸菌 A221 株はケンフェロール-7-O-グルコシドや、ケンフェロール-3-O-ソホロシドと呼ばれる配糖体に対して高い代謝活性を示すことから、これらを含むアブラナ科の野菜「ケール」の有効性を向上する可能性が示唆されました。

実験2. 「ケール」の生理活性に与える乳酸菌A221株の影響 (表皮バリア機能の評価)

そこで、「ケール」の生理活性に与える乳酸菌 A221 株の影響を調べる為、本菌株あるいはその基準株である NBRC15889 株で「ケール」の抽出物を3日間処理し、その後菌体を遠心分離で除いて調整した試料を用意しました。本試料について、乳酸菌未処理の「ケール」の試料と合わせて表皮バリア機能の評価を行いました。
培養細胞を用いた検討の結果、乳酸菌未処理の「ケール」試料はヒト表皮角化細胞(NHEK細胞)のバリア機能 (TEER:経上皮電気抵抗値)の増強効果を示しました。また、乳酸菌A221 株で予め処理したものではバリア機能が更に著しく高まることが明らかになりました。一方で基準株である NBRC15889 株で予め処理したものでは、バリア機能の向上はみられたものの乳酸菌 A221 株と比較するとその程度は低いものでした。

実験3. 「ケール」の成分変化に及ぼす乳酸菌 A221 株の影響

「ケール」には上述のようにケンフェロール-7-O-グルコシドや、ケンフェロール-3-O-ソホロシドまたはこれらに類似した配糖体が豊富に含まれることが報告されています(3)。今回認められた乳酸菌 A221 株によるバリア機能の強化に、こうした配糖体の代謝産物が関与している可能性が考えられた為、用意した各試料の成分変化について高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて確認を行いました。

その結果、乳酸菌 A221 株で処理した「ケール」の試料では、糖が外れたアグリコン体である「ケンフェロール」と同様のピークが認められ、本成分が表皮バリア機能の強化に関与する可能性が考えられました。

【まとめ】
今回の検討により、植物由来の乳酸菌である A221 株には、1.基準株と比較して高い配糖体代謝活性、2.アブラナ科野菜である「ケール」の表皮バリア機能増強効果を更に強化する働きが確認され、積極的に摂取することにより様々な野菜や果物に含まれるポリフェノールの働きや、素材の保健機能、美容機能を強化する可能性が見出されました。今後、A221 株のこうした可能性について更に検討を続けていく予定です。

【参考文献】
1:Hasegawa H and Benno Y; Journal of Traditional Medicines 23: 42-46 (2006)
2:Kitaoka K et al; SLEEP 32(3): 413-421 (2009)
3:Cartea etal;Molecules16:251-280(2011)


< この件に関するお問い合わせ先 >
長瀬産業株式会社 ビューティケァ製品事業部 広報担当 若山
TEL:03-3665-3622 FAX:03-3665-3629 E‐mail:pr@nagase.co.jp
HPアドレス http://nbc.jp

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