機能安全基準へのシステムレベルでの準拠を簡素化する フリースケールの新しいSafeAssure車載ソリューション
PR TIMES / 2012年6月25日 14時40分
テキサス州サンアントニオ(フリースケール・テクノロジ・フォーラム)-2012年6月19日-フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、32ビット・マイクロコントローラQorivva(コリーヴァ)「MPC574xP」とシステム・ベース・チップ(SBC)の「MC33906/7/8」ファミリによる新しいSafeAssure(セーフ・アシュア)ソリューションを発表しました。フリースケールはSafeAssure機能安全プログラムにより、車載電子機器設計者が国際標準化機構(ISO)のISO 26262規格に適合する機能安全基準に準拠したシステムを開発する際の複雑な作業を軽減し、開発期間を短縮するためのサポートをします。今回発表したこのソリューションは、車載機能安全度水準(ASIL:Automotive Safety Integrity Level)で最も厳しいASIL Dを含むすべてのASILレベルを満たす車載システムの開発を可能にします。また、電動パワー・ステアリング、車両姿勢制御、車両ダイナミック・シャーシ制御、セーフティ・ドメイン制御、車間距離制御、およびブラインド・スポット検出などのアプリケーションに極めて有効です。
Qorivva MPC574xPマイクロコントローラおよびMC33906/7/8 SBCファミリは、システム・メーカーが機能安全基準に適合するシステムをより簡単に開発するための設計が徹底的に施されており、以下の特長を備えています。
・セーフティ・アーキテクチャのハードウェアを統合
・セーフティ・ソフトウェアの搭載
・開発期間を短縮するための包括的なサポート基盤
フリースケールのSafeAssureプログラムは、幅広い選択肢のマイクロコントローラ、センサ、アナログICに加えて、トレーニング、安全性ドキュメント、技術サポートを内容とする機能安全アプリケーション設計のサポートで構成されます。
フリースケールの副社長兼アナログ・ミックスド・シグナル・プロダクト・ディビジョン担当ジェネラル・マネージャであるガビン・ウッズは、次のように述べています。「フリースケールのシステムレベルのアプローチにより、開発者は先進の安全性能を盛り込んだシステムを安全基準に適合させるための手間を軽減することができます。フリースケールの新しい世代のSBCおよび最新のQorivvaマイクロコントローラにはSafeAssureプログラムという確固とした体制が整備されており、お客様はシステムレベルの機能安全の目標を達成することができます。」
自動車の安全性は消費者意識および法規制への対応のために常に改善が求められ、車載機器メーカーは電子制御ユニット(ECU)のさらなる複雑化という課題を突きつけられています。フリースケールのMPC574xPマイクロコントローラとSBCデバイスを併用すれば、各デバイスのフェールセーフ・チェック機能によりシステム設計は簡素化され、監視診断やソフトウェア・アーキテクチャ・レベルで最適な双方向処理を行うことができます。
MPC574xPマイクロコントローラ:性能および安全性
Qorivva MPC574xPマイクロコントローラは、ISO 26262のASIL Dレベルまでの機能安全要件を満たす性能と機能を備えています。55 nmプロセスで製造され、最大180 MHzで動作するQorivvaマイクロコントローラは、統合セーフティ・アーキテクチャおよび遅延型ロックステップ・デュアルコアの機能に加えて、オンチップ冗長性が組み込まれています。また、電動パワー・ステアリング・システムなどの接合部温度が最大で165℃に達する過酷な稼働環境でも動作します。
多くの機能を1つのセーフティ・プラットフォームに統合したMPC574xPは、従来のフリースケール製品に比べて約2倍のメモリ容量、処理能力、およびモータ制御性能を備えています。さらに、従来のマイクロコントローラとピン互換であるためにハードウェアとソフトウェアを部分的に変更するだけでアップグレードすることが可能で、市場への製品投入を迅速化して全体の開発サイクルを短縮することができます。このデバイスは、10年以上にわたって車載市場にロックステップ方式のデュアルコア・マイクロコントローラを提供してきたフリースケールの技術資産を基盤としています。
MC33906/7/8 SBC:消費電力および安全性
SBCデバイスは、マイクロコントローラやその他のシステム内コンポーネントに電力を供給し、低消費電力の省電力モードによりエネルギー消費を最適化します。さらに、マイクロコントローラの制御や診断を行うためのISO 11898-2-5とLIN 2.1/J2602-2の標準に準拠するCANとLINの物理レイヤ、さまざまな安全手段、およびシリアル・ペリフェラル・インタフェースを内蔵します。
ピン互換性を備えたMC33906/7/8ファミリは、エネルギー効率を最適化するDC/DCスイッチング・レギュレータを搭載するフリースケールの最新世代のSBCソリューションです。オプションのブースト・モードでは、エンジンのクランキング期間でもシステム動作が継続します。超低消費電力モードは、電流消費を大幅に削減してウェイクアップ時間を最適化するように設計されています。従来世代と同様、新しいSBCも電磁環境適合性に対する車載機器メーカーの最新要件を満たします。
MC33906/7/8デバイスは、ASIL Dの要件を満たすことを目的に開発されたフリースケール初のアナログ・ソリューションです。重要なアナログ・パラメータの監視、フェールセーフ対応のステート・マシン、および先進のウォッチドッグなど、さまざまな安全手段が組み込まれています。これらのデバイスとロックステップ方式のデュアルコア・マイクロコントローラを併せて使用すれば、システム設計が簡素化され、ソフトウェアの複雑性が緩和されます。
これらのSBCは、フリースケールの「Energy-Efficient Solutions(高エネルギー効率ソリューション)」プログラムの対象製品です。プログラムの目的は、フリースケールの技術と技能の適切な組み合わせにより該当のアプリケーション分野の最善のエネルギー節減を達成して、目標のエネルギー効率を保証することです。このソリューションのロゴは、エネルギーとパワー・バジェットが制約された組込み環境での高性能に最適化された製品を提供するフリースケールの優れた技術水準を証明するものです。
包括的な開発サポート
サポートの内容は、MPC574xP向けのAUTOSARセーフティMCAL、ならびにセーフティ・マニュアル、セーフティ・アプリケーション・ガイド、および故障モード解析、効果解析、診断解析などのデバイスの機能安全に関する解説資料の提供です。また、フリースケールはサードパーティ・パートナーとの協業によるRTOS、ツール・チェイン、トレーニング、および認証サポートを内容とする包括的な機能安全エコシステムを用意しており、お客様は最終製品の認証手続きを行う際の手引きとして利用できます。
供給
MPC574xPマイクロコントローラおよびMC33906/7/8 SBCデバイスは、2012年第3四半期にサンプル出荷を開始する予定です。価格と供給については、フリースケール・セミコンダクタまたはお近くの販売代理店にお尋ねください。
フリースケールのSafeAssureプログラム:機能安全をシンプルに
フリースケールのSafeAssure機能安全プログラムは、システム・メーカーがより簡単に機能安全基準である国際標準化機構(ISO)26262および国際電気標準会議(IEC)61508への準拠を達成できるようにすることを目的にしています。このプログラムは、機能安全の導入をサポートするように最適に設計されたフリースケールのハードウェアとソフトウェアのソリューション、および豊富なツール・セットを提供します。詳細については、www.freescale.com/SafeAssureのWebサイトをご覧ください。
フリースケール・テクノロジ・フォーラムについて
イノベーションとコラボレーションの活性化を目的に設立されたフリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF:Freescale Technology Forum)は、組込みシステム業界の毎年恒例の開発者イベントです。2005年に開催を開始して以来、世界中のFTFイベントへの参加者は4万8000人を超えています。年1回の中核イベントであるFTF Americasは、テキサス州サンアントニオで2012年6月18日~21日に開催しました。日本では、FTF Japanを東京にて2012年10月22日・23日に開催する予定です。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.co.jp/をご覧ください。
FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
(C)2012フリースケール・セミコンダクタ・インク
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