【死刑執行に対する抗議声明】

PR TIMES / 2013年4月26日 12時17分

政権発足後わずか4カ月で5人の死刑執行

アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、東京拘置所の宮城吉英さんと濱崎勝次さんの2人に死刑が執行されたことに対して抗議する。安倍政権誕生の2カ月後に3人の死刑執行を行い、そのまた2カ月後に再び執行、政権発足後わずか4カ月で5人の死刑執行を行ったことは、国際社会の要請に完全に背を向け、大量処刑への道を開こうとする政府と法務省の意思表示といえるものであり、強く非難する。



谷垣法相は、2月21日、前回の執行後の大臣就任会見で死刑制度について、国際的動向より、「極めて大きな内政上の問題であることの方がより重要ではないかと思っている。一国の治安の維持、あるいは一国の国民感情、国民の安心・安全をどう確保していくか、そういった観点をまずしっかり考えるべき(中略)」と述べ、死刑執行は、国民の支持を背景に、国内問題であると述べた。

しかし国連は、長年にわたり、加盟国に対して死刑廃止に向けた取り組みを要請している。そして多くの国は、死刑廃止への取り組みを着実に進めてきた。日本は自由権規約を留保なく批准しているが、国連の自由権規約委員会は、2008年、「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべき」とした。さらに2012年10月に行われた国連人権理事会における普遍的定期審査(UPR)においては、20カ国以上が日本に対し死刑廃止または停止を求める勧告を出したが、政府はその勧告の受け入れを拒否した。日本政府は、死刑廃止に向けた努力をすることなく、国際社会からの要請を無視し続けているのである。

また谷垣法相は同会見で、「一国の治安の維持、あるいは一国の国民感情、国民の安心・安全をどう確保していくか、そういった観点をまずしっかり考えるべきではないかと思っている」と、死刑制度は国民から支持され、制度の維持は犯罪の抑止に役立っている旨の発言をした。本来、人権問題は多数決なり、国民感情で決めるべきものではない。また抑止力の観点では、死刑が犯罪を抑止するという、説得力のある科学的証拠は一貫して得られておらず、犯罪抑止力に結びついていないことは、今日の世界的な共通認識となっている。

世界では7割に当たる140カ国が法律上または事実上死刑を廃止している。近年の死刑執行国は20カ国前後で推移しているが、2012年、日本は1年8カ月ぶりに、その内の1カ国として名を連ねた。昨年12月には、国連総会で全世界の死刑執行停止を求める総会決議が採択され、過去最多の111カ国が賛成した。G8で死刑執行を行っているのは日本と米国だけであり、その米国でも、去る3月15日にメリーランド州にて死刑廃止法案が州議会を通過し、法律で死刑を廃止する18番目の州となることが確実となった。2012年度に同国で死刑を執行したのは、9州のみとなっている。米国も死刑廃止に向かっており、日本は世界の死刑廃止の潮流に背を向け、ますます孤立しつつある。

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