PHRサービス活用で病院薬剤師の作業時間が約4倍短縮できる可能性を示唆
PR TIMES / 2024年6月3日 12時15分
harmo×京都大学医学部附属病院 実証事業の結果を発表
健康な社会の実現を目指すシミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO 中村 和男、以下:シミック)のグループ会社で、電子版お薬手帳を基盤とした地域でのPHRインフラ構築を目指すharmo株式会社(本社:東京都港区、代表取締役Co-CEO 石島 知、山東 崇紀、内上 昌裕、以下:harmo)は京都大学医学部附属病院(京都府京都市左京区、院長 高折 晃史、以下:京大病院)と2024年3月から薬剤安全の観点を取り入れた入院時における医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の実証事業を行い、調査結果をホワイトペーパーとして2024年6月3日に公開しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/51375/51/resize/d51375-51-b2085236a330c9595333-0.png ]
1.実証事業/ホワイトペーパーの概要
1-1. 背景と目的
近年、高齢者の手術が増加するなかで、個々の患者の状態に応じた薬剤管理がますます重要視されています。2022年の診療報酬改定により、「周術期薬剤管理加算」が導入されるなど、その重要性が認識されています。しかし、病院薬剤師の不足などの課題があり、これらに対処するために医療機関ではPHRを活用した課題解決が求められています。
1-2. 実証事業概要
この背景のもと、harmoと京大病院は、患者さんがより安心・安全な医療を受けられる環境の整備を目指し、2024年3月から実証事業を開始しました。この実証事業では、手術・入院する患者さんの情報を、PHR(個人健康記録)として電子カルテと連携させる取り組みを行いました。具体的には、周術期薬剤管理業務における『入院患者の服用薬剤確認』の効率化と正確性向上を目指し、電子版お薬手帳を基盤としたPHRサービスharmoアプリ(患者向け)・harmoシステム(医療機関向け)を活用し、薬歴情報を電子情報のまま電子カルテに受け渡しする仕組みづくりのシミュレーションを実施しました。
2. 実証の内容
本実証の測定は、電子カルテに患者のお薬手帳情報を転記する作業時間並びに作業後に実施者からのアンケート及びインタビューを実施しました。
<実証対象者の想定>
周術期の外来における患者像を医療機関にヒアリングし、実証の対象となる患者条件を検討したダミー患者※を作成し、下記の3つのケースで実証を行いました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/51375/51/resize/d51375-51-88ead590b61384cae157-1.png ]
・紙のお薬手帳を患者が持ってきた場合かつ、医療機関には「harmoシステム」が導入されていない場合
・患者は電子版お薬手帳アプリ「harmo」を利用しているが、医療機関には「harmoシステム」が導入されていない場合
・患者は電子版お薬手帳アプリ「harmo」を利用し、かつ医療機関に「harmoシステム」が導入されている場合
※ダミー患者…条件詳細はホワイトペーパーに記載しています。
3.実証結果 ~作業効率が約4倍向上に~
[画像3: https://prtimes.jp/i/51375/51/resize/d51375-51-6ce8c2fd75bdc516e590-2.png ]
本実証の条件下では、現状の電子版お薬手帳(スマホ)を医師や薬剤師が確認し転記する作業は、すべてのパターンで一番時間を要することが明らかとなりました。他方で、harmoシステムを介して電子カルテに直接情報を転記する作業時間において、術前外来を想定した11 剤の処方歴の条件下では、紙もしくは電子版お薬手帳を閲覧して電子カルテに転記する作業時間と比べて4 倍程度の時間短縮になったことから、効率性が極めて高いことが分かりました。その上、情報転記において正確でありヒューマンエラーの発生の可能性が低いことも医療従事者へのインタビュー結果から示唆されました。
4.今後の展望
今回の実証事業を通して、harmo システムのような電子版お薬手帳を基盤としたPHR サービスと電子カルテの情報連携の運用を構築することが、医療者の働き方改革に貢献し、安全性との両立を図ることの一助になると考えられます。今後も周術期薬剤管理における医療DXの実装に向けて更なる研究を進めていくとともに、本実証で得られた見地は広く医療機関や医療関係者の皆さまに共有していく予定です。
5. ホワイトペーパーダウンロード
本プレスリリースでは、結果の一部を抜粋しております。全文は下記URLからダウンロードしてご確認ください。
https://www.cmicgroup.com/library/whitepaper/harmo_pomm
・harmo株式会社
harmo株式会社は、個々人の医療・健康情報を個人やご家族が活用可能なサービスを開発・提供しています。電子版お薬手帳を基盤としたPHRサービス「harmo」はスマホアプリケーションおよび専用ICカードを合わせ約44万人の利用者を擁し(2024年1月現在)、全国2万軒以上の薬局で利用実績があります。また、川崎市・神戸市・豊中市・さいたま市・滋賀県などでは、地域の薬剤師会と協業し、地域住民の健康増進に資する活動を展開しています。
https://www.harmo.biz
・harmo株式会社の所属するシミックグループについて
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器などの海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC("Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,500人を超える従業員とグループ会社28社を擁しています。
https://www.cmicgroup.com/
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