1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

日本で唯一のメディカルイラストレーション教育の現場 医療とアートの交差点で活用されるibisPaint

PR TIMES / 2025年1月29日 16時15分

~活用事例紹介「ibisPaintで広がる世界」 Vol.3~



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-8dbdfd483c924110a4689c55d5808ea3-1633x1236.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
左から、横田ヒロミツ教授・加藤慧子さん・周藤瀬奈さん・大野駿さん・中嶋祐介さん
モバイルペイントアプリ「ibisPaint(アイビスペイント)」を開発・運営する株式会社アイビス(東証グロース、証券コード:9343、代表取締役社長:神谷 栄治)では、「アイビスペイントで広がる世界」と題した不定期連載を掲載中。世界200を超える国と地域にユーザをもつibisPaintが、どのようなシーンで活用され、クリエイティブが生まれているのかご紹介いたします。





今回は、川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉デザイン学科の学科長横田ヒロミツ教授と、メディカルイラストレーションコースの学生の皆さまにお話を伺いました。日本ではあまりなじみのない「メディカルイラストレーション(以下「MI」という)の現状や課題について、また4年間の集大成として開催された卒業制作展「メディカルイラストレーション展」の制作過程におけるアイビスペイントの活用など、普段あまり知ることのない医療とアートが交差する領域についてお届けします。
メディカルイラストレーションを広めたい思いで、アカデミアの中心・東京大学ではじめての開催
―まず、率直に、メディカルイラストレーション(MI)とは何か、どんな目的のイラストなのか、簡単に教えていただけますでしょうか。
周藤さん: MIは、医学や医療の情報を視覚的にわかりやすく正確に伝えるためのツールです。研究や教育などの目的で、研究論文・教科書・資料などに幅広く使用されています。また、正確でわかりやすい情報を伝えるために、解剖学や生理学などの専門的な知識が必要不可欠で、画力だけでは描けないイラストです。医療に関わるすべての人への興味関心の喚起をともなう情報伝達の役割も担っています。

―理科の教科書のあのイラスト、という認識でしたが、それ以上に医療・医学の分野に大きな役割があるのですね。では、今回の「メディカルイラストレーション展」のコンセプトや意気込みを教えてください。
周藤さん:私たちの学科では、4年次の課程で一人ひとりが社会の課題と医療福祉デザインとのつながりをテーマに研究や制作を行います。MIコースでは、所属ゼミ生4人で卒業制作を検証する場として今回の展覧会を開催しました。展示のコンセプトは、多くの人にMIの取り組みを知ってもらうことにあります。
加藤さん:私たちは同じゼミで学んでいますが、同じものを学んだ上で、どのように表現するかという点で、MIがアートとしてどのように発展しえるか、その広がりも伝えられたらと思います。

―複雑で難しく、とても学問的な側面が強いように感じるのですが、どのように表現の広がりを見せたいと考えていますか?
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-9f638c96b7555e168d721de1c8e05b3a-1477x1108.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
大野駿『遊んで学ぼう!感染症と免疫のヒミツ イミュニティ・カードゲーム』感染症と免疫の仕組みを楽しく学べるカードゲーム型のアプローチ
加藤さん:体の内部を描くため、基礎医学の正確な知識は必要不可欠です。一方で、描き方や色使い、タッチは作者によってさまざまです。一般の方にも「正確さ」をベースにしつつ、楽しく見ていただけるような展示にしたいと考えました。
大野さん:例えば私は感染と免疫をテーマにしたカードゲームを制作しました。教育的な分野だからこそ親しみやすい遊びのツールで一般の方、医療に詳しくない人向けにMIを知ってもらうことを目的に作成しました。




―横田教授が学科長を務める川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉デザイン学科は日本で唯一のMI教育機関であるということですが、今回の展示会にはどのような意義があるとお考えでしょうか。
横田教授:一番はMI教育についての周知です。医学・医療の世界では必要不可欠な存在でありながら、まだまだ知られていません。地元・岡山からの発信には限界があるため、今回は東京大学というアカデミアの中心で開催することで、より多くの方に知っていただける機会を作りたいと考えました。また、東大周辺には医療系の企業や出版社が多く集まっているなど、学生たちの就職先につながる可能性を広げることも目的の一つです。

―今回の作品展を始め、積極的な周知に取り組んでいると感じましたが、貴学のMI教育における特徴を教えてください。
横田教授:特徴としては、本学には医科大学が併設されており、基礎医学を教える教員や、現代医学教育博物館が提供する1800点もの病理標本など、他に類を見ない学修資源が整っています。これらがあることで、学生たちは実物をスケッチしたり、イラスト制作に必要な医学知識を深めたりすることができます。
MIに携わる人材が圧倒的に不足している日本には必要な教育分野として、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のMI教育開始から100年遅れて本学で始まりました。
メディカルイラストレーション教育の中で活用されるアイビスペイント
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-05492c2f149d410d3ec7732bc53572d3-1179x1552.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
周藤瀬奈『乳がん(原画)』(上)、鉛筆デッサンのCGによる着彩(真ん中)、乳がんキャプション(下)
―学生のみなさまは制作にアイビスペイントを使用されているとのことですが、便利だと感じたポイントがありましたら、お教えください。
加藤さん:一番はブラシの種類の豊富さです。MIの制作では、脂肪の質感や内臓の濡れ感など特殊な表現が必要になります。その際にブラシをカスタマイズできる機能にとても助けられました。また、デジタルイラスト初心者の私でも操作が簡単で、始めやすさがありました。
大野さん:僕は、操作が直感的である点が素晴らしいと感じました。アナログの描画に近い感覚で、質感や明暗を自然に表現できます。シンプルな操作性でありながら、使い込むほど細部までこだわれる奥深さもあると思いました。
周藤さん:私は他のイラストソフトで心が折れてしまった経験もあります(笑)。アイビスペイントは基本的な操作が簡単で、思い付きをそのまま形にしやすいと感じます。



―みなさまの学びの中でアイビスペイントをお役立ていただいていることを嬉しく思います!実際の制作過程ではどのようにご活用いただいているのでしょうか。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-6b3007dedbd687f244eaaf9be950e216-1623x1058.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
加藤慧子『#青春なう~気になる!!思春期の変化~』中学生が安心して学べる体の変化についてのパネル
周藤さん:私は主にラフの作成やデッサンのレタッチに使うことが多いです。タブレットで手軽に操作できるので、背景を整えたり、覆い焼きで明暗を調整したりする際に活用しています。
加藤さん:私は今回の卒業制作(右記)でのイラストは全てアイビスペイントを使っています。デジタルイラストに慣れない中で4年間の集大成として使いました。



明日のクリエイターの将来展望、日本におけるメディカルイラストレーションの現状と課題
―大学生活を締めくくる卒業制作展を経て、それぞれが目指す未来についてお聞かせください。
周藤さん:卒業後は医療系の出版社でメディカルイラストレーターとして働きます。自分の技術を高めて一人前のメディカルイラストレーターを目指すとともに、この分野の受け皿を広げ後進への道を繋げることで、社会や医療・医学に貢献し、恩返しをしていきたいと思っています。
加藤さん:私はメディカルイラストレーターとしてではありませんが、医療業界に進みます。その先の目標として、次世代のMIの学び手のための「受け皿」を作ることができたらと考えています。現状では職業としての認知度が低いMIですが、個々のイラストレーターの働き方を支援する仕組みを構築したいです。
大野さん:私は医療・介護業界で間接的にこの分野を支える役割を担いたいと思っています。具体的には、介護シューズのデザインや広報業務を通じて、医療情報をわかりやすく伝えることに力を入れたいと考えています。MIの技術を活用しながら社会に貢献したいです。

―学生のみなさまが目指す未来においてもMIの認知度には発展途上の部分があると感じますが、日本におけるMIの現状や課題についてどのようにお考えでしょうか。
横田教授:日本ではまだまだ知られていないMIですが、近年は海外を中心にその重要度が高まっています。例えば、オーストラリアの医学系学会では、MIがない論文は採択されなくなっているそうです。これは、写真とイラストの役割の違いに起因するもので、写真は具体的な情報を具体のまま伝えるものですが、イラストは対象を抽象化して必要な情報を的確に整理し、強調することが可能であるため視覚的に情報を伝えるツールとしてニーズが増えているのです。
これは医療だけでなく科学にも言えることで、様々な研究が行われている中で、研究結果の記録の際にも、言葉と数値だけでは伝えられないものがあります。それを補うのが視覚伝達であり、研究の記録・伝達における両輪であると考えています。
日本国内での医学・科学の発展のためにも、MI人材の育成と広がりは急務と言えるでしょう。
メディカルイラストレーションとデジタルツールの相互作用で活性化を目指す
―MIの現場におけるデジタルツールの活用については、どのように捉えていますか?
横田教授:デジタルツールの導入には、メリットしかないと考えています。特に修正が容易である点が最大の利点です。MIは、医療現場の正確性が求められるため、ドクターの監修を受けることが不可欠です。このプロセスでは、必ず修正が発生します。手書きでは修正が困難ですが、デジタルなら書き直しが簡単に行えます。そのため、MIの制作にはデジタルツールが欠かせません。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-11f2cc44ca67726db30a9c5c81c2a0ac-1307x1257.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
生成AIに関する授業を行ってくれた東大大学院のベンチャー企業の方に、MIとAIについて考察をしてもらったポスター
―昨今取りざたされている生成AIは、MIの分野でどのように取り扱われているのでしょうか?
横田教授:生成AIには無限の可能性があるだろうと感じていますが、現時点でMIでの活用は実用的ではありません。その理由は、医療分野のビッグデータは個人情報の塊であり一般に公開されないこと、また仮に公開されてもデータの正確性を担保できないことにあります。さらに、生成AIで心臓などの臓器を描く場合、プロンプトで細部まで指示する必要がありますが、労力に見合った生成結果を得ることができず、現時点では効率的とは言い難いです。




―では、今後もメディカルイラストレーターという人材は重要であり続けるということでしょうか?
横田教授:そうですね。特に手術手順などの正確な説明が求められるMIでは、生成AIの導入にはまだ高いハードルを感じます。教育現場では、手描きだけでなくデジタルツールの使用を推奨することで学生が効率的かつ効果的に作品を制作できるようになると考えています。
メディカルイラストレーターとして、教育者としての横田教授からみた業界の発展とは
―横田教授はMI教育に携わる以前、イラストレーターとして活動されていたと伺っていますが、MIの現場との違いやMIに取り組まれた中で良かったと感じた瞬間や思い出がありましたら、お伺いしたいです。
横田教授:現職に就くまでは、イラストレーターとして26年間仕事をしていましたが、勝ち負けの世界という印象でした。どれだけ大きなポスターを描いても、貼られるのは期間限定で、消費されているという感覚がありました。自分の中での満足感はありましたが、同時にコンペなどで勝たないと仕事がもらえない厳しい世界でした。
そんな中、東日本大震災の頃、私の娘が障害を持って生まれたことをきっかけに、医療や福祉に目が向きました。当事者意識が芽生えたというか、医療分野に貢献したいという気持ちが自然と生まれてきたのです。ちょうどその頃、教育機関から手伝ってほしいと声がかかり、娘にも背中を押されてこの道に進みました。そこで初めて感じたのは「貢献感」でした。それまでの勝ち負けの世界では味わえなかった、世のため人のためにデザインやイラストを提供できる喜び。これこそが、私にとって非常に大きな転換点でした。

―勝ち負けの世界から「貢献感」を感じられる仕事へ、というところに横田教授のお人柄を感じます。いずれMIという日本で新しい分野が、若い人たちの将来の選択肢として広がる未来もある、とお話を伺っていて感じたのですが、進路を考える学生を含む、アイビスペイントのユーザへメッセージをお願いします。
横田教授:MIはニーズが非常に高い分野です。描けるようになれば仕事のチャンスはたくさんありますが、続けられるかどうかは本人の動機次第です。描く対象は主に臓器や人体で、誰もが「これを描きたい!」と思うものではありません。そのモチベーションの源泉となるのが、「社会に貢献したい」という気持ちや、社会的に弱い立場の人々への共感力だと思います。
また、臓器一つをとっても形や構造の美しさを理解できれば、造形的なやりがいを感じられる分野でもあります。クリエイティブな要素を活かしながら医療福祉に貢献できる仕事なので、共感力と探究心がある人にはぜひ挑戦してほしいですね。

―絵を描くことを仕事にする現実と未来への期待などを、MIという分野を通じて知ることができました。卒業していく学生の皆さまが作っていくMIの将来もとても楽しみです!本日はありがとうございました。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-68333f54f18872a6b4b19237ceec03f8-1911x2700.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

お話をお伺いしたのは川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉デザイン学科

学科長 横田ヒロミツ 氏
同 メディカルイラストレーションコース 4年
周藤瀬奈 氏
加藤慧子 氏
大野駿 氏

川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉デザイン学科メディカルイラストレーションコースの卒業制作展「メディカルイラストレーション展」は、2025年2月26日~3月2日にも岡山県倉敷市立美術館で開催を予定しております。詳しくは当該学科のページをチェックしてください。
https://w.kawasaki-m.ac.jp/design/



ibisPaintの教育支援「ibisPaint Edu」
「ibisPaint(アイビスペイント)」は、指一本で本格的なイラストが描けるモバイルペイントアプリで、豊富な機能が一部を除き無料でご利用いただけます。19言語に対応し、世界200以上の国と地域からのダウンロード数は累計4.4億を達成(2024年12月末日時点)。

このibisPaintを教育機関向けにカスタマイズしたのが、「ibisPaint Edu」です。アプリ内で広告は表示されず、ソーシャルネットワーク機能も削除しているため、学校などの教育機関でも安心してご利用いただけます。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-1b485973f92a4bb56ea71aec21bdeb90-1047x340.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ibisPaint Eduの詳細はこちら:https://ibispaint.com/productEdu.jsp

株式会社アイビスは、今後もユーザの皆様の要望に応えるために、さらなるアプリの機能拡充や使いやすさの向上に努めてまいります。引き続き、ユーザの皆様のご支持とご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
株式会社アイビスについて
株式会社アイビスは、モバイルに精通した高度な技術のエキスパート集団です。
モバイル無双で世界中に“ワォ!”を創り続けるというミッションのもと、自社の技術を地球の裏側まで届けるべく、ビジネスをグローバルに展開しております。今後もユーザの皆様の要望に応えるために、さらなるアプリの機能拡充や使いやすさの向上に努めてまいります。
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/15594/52/15594-52-2831303dfd7917022ad743a8d014ca4a-627x217.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]





会社名    :株式会社アイビス
本社所在地  :東京都中央区八丁堀一丁目5番1号
代表取締役社長:神谷 栄治
事業内容   :モバイルペイントアプリ「ibisPaint」の開発/運営、及び受託開発/IT技術者派遣
設立     : 2000年5月11日
上場市場   :東京証券取引所グロース市場(証券コード9343)
URL      :https://www.ibis.ne.jp/

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください