ispace、ミッション2のRESILIENCEランダーに搭載された深宇宙放射線プローブが放射線観測を開始
PR TIMES / 2025年1月22日 12時15分
ペイロード顧客である台湾国立中央大学による台湾初の地球周回以遠の科学探査ミッションが開始
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)はMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(以下ミッション2)において、2025年1月18日未明(日本時間)に、東京日本橋にあるMission Control Center(以下管制室)からRESILIENCEランダーに搭載された台湾中央大学のペイロードである深宇宙放射線プローブ(Deep Space Radiation Probe、以下DSRP)の動作確認を行い、問題なくテレメトリを受信でき、放射線環境の観測が開始されたことを確認しましたので、お知らせいたします。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/54/140640-54-fae812416c3cec0097a9e342ae0d4076-1377x733.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
台湾中央大学のペイロードである深宇宙放射線プローブがispaceのRESILIENCEランダーに搭載されている画像
台湾中央大学が開発した、同国初の地球周回軌道以遠でミッションを行う本ペイロードは、航行中はVan Allen帯*の内外および深宇宙の、月面着陸後は月面の放射線環境を継続的に測定しデータを収集します。放射線量のデータは宇宙機や将来、月面設備の設計および月面での有人活動を行うために非常に重要な情報であり、将来の月面ミッションに貢献することを期待されています。
*Van Allen(ヴァン・アレン)帯とは地球の磁場にとらえられた陽子・電子からなる放射線帯のこと
■ 台湾国立中央大学 宇宙科学・工学部特別教授および学部長 Loren C. Chang博士のコメント
「これは、地球周回軌道を越えて深宇宙を航行する、台湾初のペイロードとなり、私たちにとって非常に大きな前進と言えます。当校の学生チームは、小型衛星ミッションでの経験を活かし、2年間にわたりDSRPの設計や実装、検証を行いました。またispaceの経験豊富なチームから多くを学びました。国立中央大学は、1960年代から台湾における宇宙科学・工学の草分け的な存在であり、私たちは次世代の宇宙専門家としての知見を提供し、新たなフロンティアに挑む最前線であり続けることを嬉しく思っています。」
■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「私たちのミッションを通じて、台湾初の深宇宙探査に貢献できることを喜ばしく思います。DSRPによる放射線の測定は、科学的な成果が得られることにより、今後のシスルナ経済圏構築の推進にも繋がることを期待しています。」
ミッション2のRESILIENCEランダーは、2025年1月15日(水)15時11分(日本時間)に打ち上げられたSpaceX社のFalcon9により、所定の軌道に投入され、同日、午後4時44分(午前7時44分24秒 協定世界時)にロケットから分離されました。現在もRESILIENCEランダーは地球周回軌道上を航行中ですが、今後Success5となる月フライバイを完了し、低エネルギー遷移軌道に入って行く予定です。
■ ミッション2 マイルストーン
ispaceは打ち上げから月面着陸まで、10段階のマイルストーンを設定しました。各マイルストーンには基準を設け、達成を目指します。基準に基づき評価された結果は、後続する開発中のミッションに適宜フィードバックされます。なお、各マイルストーン達成の進捗状況等は適時に公開を予定しております。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/54/140640-54-5a3792396f13af76dea4dd98215d020f-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140640/54/140640-54-8947d7eb4cb0f9f641a472824676ef7f-1072x927.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■ ミッション2で輸送するペイロードについて
ispaceはミッション2のRESILIENCEランダーに6つのペイロードを搭載し、輸送します。
・ HAKUTO-Rのコーポレートパートナーである高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置
・ 株式会社ユーグレナの月面環境での食料生産実験を目指した自己完結型モジュール
・ 台湾の国立中央大学宇宙科学工学科が開発する深宇宙放射線プローブ
・ 株式会社バンダイナムコ研究所の「GOI宇宙世紀憲章プレート」
・ ispaceの欧州法人ispace EUROPEが開発したマイクロローバー”TENACIOUS”
・ スウェーデンのアーティストによるムーンハウスと呼ばれる赤い小さな家
また、RESILIENCEランダーには、人類の言語と文化遺産を保護したユネスコのメモリーディスクも搭載しています。
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。2025 年 1 月15日に日本法人が主導するミッション2の打ち上げを完了。続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。
■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2も2025年1月15日[i]に打ち上げ完了。ミッション3は2026年[ii]、ミッション6は2027年に[iii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされました。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
■ HAKUTO-R ( https://ispace-inc.com/jpn/m1 )について
HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。2025年1月15日ivにミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを完了。
オフィシャルパートナーである株式会社三井住友銀行により命名されたMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”には、新たな始まりやチャンスの意が込められている。
HAKUTO-Rはオフィシャルパートナーとして株式会社三井住友銀行、コーポレートパートナーとして、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc AB、株式会社ジンズ、栗田工業株式会社が参加している。
[i] 2025年1月時点の想定
[ii] 2025年1月時点の想定
[iii] 2025年1月時点の想定
[iv] 2025年1月時点の想定
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