国際NGOが日本の小児外科チームをカンボジアの小児医療専門病院に招へい
PR TIMES / 2018年12月12日 11時40分
認定NPO法人ジャパンハート(東京都台東区、理事長・吉岡春菜)は、2018年12月から、カンボジアで小児医療専門の「ジャパンハートこども医療センター」に、日本の大学病院の小児外科チームおよび専門医師チームを各々年1~2回のペースで招へいすることに決定しました。当団体は、これまでカンボジアで治療が困難とされていた種類の小児がん治療に踏み切ります。このプロジェクトは、2018年12月24日の手術活動(九州大学病院小児外科チーム)からスタートします。
■小児外科チーム構成員 *五十音順
2018年12月以降、以下5人の先生方を中心とした小児外科専門チームが、ジャパンハートこども医療センター 臨床指導教授として小児がん治療や現地人医療者への指導に取り組みます。
青山 興司 先生(ご所属先:青山こどもクリニック院長)
奥山 宏臣 先生(ご所属先:大阪大学 小児成育外科 教授)
窪田 昭男 先生(ご所属先:月山チャイルドケアクリニック名誉院長)
黒田 達夫 先生(ご所属先:慶応義塾大学 小児外科教授)
田口 智章 先生(ご所属先:九州大学 小児外科教授)
■日本の小児外科専門チーム招へいの背景
ジャパンハートこども医療センターは、2018年6月に開院以降、2カ月経たずして年間受け入れ予定患者数を超え10月現在で10人の小児がん患者が入院しています。その背景には、当団体とカンボジア国内の病院との連携があり、他院では診ることのできない小児固形がんの患者受け入れを始めていたことがあります。しかしながら、今のペースで患者が増えると年間約50人の患者を受け入れることとなり、当医療施設では人手の不足や病床数の不足が課題となってきます。そこで、熟練した小児外科チームによる定期的な手術活動と現地人医師への指導をおこなっていただくため、日本の小児外科チームを要請、招へいが決定しました。
■カンボジアで小児がん患者が置かれる環境
カンボジアの小児がん発症者数は年間約600人といわれています(日本は年間約2,000人)。そのうち、適切な診療施設にアクセスできているのは全体の3分の1程度。病院へ行けても、小児がんへの理解不足や診断技術の不十分さから、診断違い・遅れ、治療困難などの状況があります。また、経済的困窮から病院に行けない、専門医療者が不足しているなどの問題も挙げられます。
■今後の展開
ジャパンハートこども医療センターは、将来的にカンボジアに限らずミャンマーやラオスなどの周辺国からも、治療ができずにいる小児がん患者の受け入れをする予定です。
2030年には、現地医師たちにより自立した運営がされるよう、人材育成の場としても機能するよう、先生方に臨床教授となっていただきました。
現在、病院では、小児医療チームから希望のあった手術器具を準備し治療環境を整えています。また今後は、治療中の患者に安全な食事を届ける、給食センターの設立準備も進めています。
【認定特定非営利活動法人ジャパンハート】https://www.japanheart.org
2004年、国際医療ボランティア団体として設立。日本発祥の国際医療NGO。「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に活動している。海外では、ミャンマー・カンボジア・ラオスにおいて無償で子どもの診療・手術を実施。その数、年間約2万件。国内では僻地・離島への医療者派遣、小児がんの子どもとその家族の外出を医療者がサポートするSmile Smile Projectを実施している。 ※ジャパンハートは「認定NPO法人」です。
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