「セルロースナノファイバー複合磁性粒子」でタンパク質の回収率をアップ!研究用試薬や診断薬の開発プロセスの効率化に貢献
PR TIMES / 2024年10月2日 13時15分
広島大学大学院先進理工系科学研究科の荻崇教授らとの共同研究でセルロースナノファイバー複合磁性粒子の開発に成功!
第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)は、ライフサイエンス分野の新たな展開を探索しています。このたび、国立大学法人広島大学(所在地:東広島市、学長: 越智光夫)大学院先進理工系科学研究科の荻崇教授らとの共同研究でセルロースナノファイバー複合磁性粒子の開発に成功しました。研究用試薬や診断薬の開発への展開をめざし、サンプルワークを開始します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/73630/55/73630-55-666c0fee5ab49c2e185710ae1121d4a9-1113x539.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
セルロースナノファイバー複合磁性粒子による目的物回収のイメージ
近年、生体物質を分析して薬の開発や診断に利用する研究が盛んに行われています。その中で生体中のタンパク質を分析して、さまざまな疾患を発見する技術が実用化されていますが、サンプル採取時に動物や人への負担が大きいという課題がありました。この課題を解決し、高い分析精度を得るためには、タンパク質をより多く効率的に回収することが求められます。
当社は、広島大学大学院先進理工系科学研究科の荻教授らと共同研究を行い、従来の合成高分子を用いずにセルロースナノファイバー※1と磁性体粒子※2の複合化を行い、「セルロースナノファイバー複合磁性粒子」の開発に成功しました。
この粒子は従来品よりも多くのタンパク質を回収できるため、動物や人への負担を軽減し、今後の診断薬分野への貢献が期待できます。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/73630/55/73630-55-12555373cced22b1888c442814a2651e-735x463.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
磁性粒子による磁気回収の様子
当社は2024年11月から、研究用試薬や診断薬メーカーに対して、「セルロースナノファイバー複合磁性粒子」のサンプル提供を開始します。
厚生労働省発表による体外診断薬の一般検査用剤に関する市場(生産金額)は、日本国内では350億円※3と推定されます。
引き続き社会課題の解決につながる製品開発を進め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
[解説]
本セルロースナノファイバー複合磁性粒子の特長
- 当社独自のセルロースナノファイバーを用いており、ナノファイバー上のカルボキシ基の効果によりタンパク質の吸着に優れる
- 超遠心法やフィルターを用いずに磁性を用いて回収できる
- ナノファイバー上のカルボキシ基を変性することにより特定物質の回収への対応可能
本セルロースナノファイバー複合磁性粒子の合成方法
従来の合成高分子(例えばアクリル共重合体)を用いずに合成が可能となった。
[用語解説]
※1 セルロースナノファイバー:植物由来のセルロース繊維の繊維幅をナノレベルとなるように構造を制御したもの。当社は、カーボンニュートラルを実現する素材としてセルロースに着目しており、その一つのラインアップとしてセルロースナノファイバー(製品名:レオクリスタ)を展開しています。
※2 磁性体粒子:磁性をもつ粒子のこと。例えば、鉄酸化物ナノ粒子、金属ナノ粒子、磁性ポリマー粒子などがある。
※3 厚生労働省「令和4年(概要)薬事工業生産動態統計」による
【本リリースについてのお問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 戦略統括部 広報IR部
TEL.075-276-3027 E-mail: d-kouhou@dks-web.co.jp
〒601-8002 京都市南区東九条上殿田町48番地2
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