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ラムサール条約湿地・仏沼隣接地における太陽光発電所の計画地変更を承認するよう経産大臣に要望

PR TIMES / 2023年3月28日 18時45分



■仏沼隣接地における太陽光発電所建設計画地の変更を希望

(公財)日本野鳥の会(事務局:東京。以下、当会)、日本野鳥の会青森県支部(八戸市)、NPO法人おおせっからんど(三沢市)は、ラムサール条約湿地であり、希少鳥類の重要な生息地である仏沼(青森県三沢市)の隣接地で「エネみらい青森三沢ソーラーシェアリング合同会社(株式会社日本エナジーバンク(本社:札幌)が中心的役割、以下事業者)」が計画する「青森三沢市庭構地区 営農型太陽光発電所事業(以下、本事業)」の1工区に対し、希少種への影響を避けるために事業予定地の変更が必要であると考えています。本事業は太陽光パネルの下で営農活動を行なう営農型太陽光発電所であることが特徴です。

1工区とその近隣では希少種であるオオセッカ(絶滅危惧IB類、国内希少野生動植物種)が繁殖しており、またチュウヒ(絶滅危惧IB類、国内希少野生動植物種)の営巣地に非常に近いことから、1工区における太陽光パネルの設置と運用はこれら希少種に影響を与えることが想定されるため、当会らは希少種保護とそれによる生物多様性保全のため計画地の移設に向けて事業者、環境省(東北地方環境事務所、本省野生生物課)と協議を継続しています。

■再生可能エネルギー導入と生物多様性保全の両立

地球規模で進行している気候変動への対応として、我が国においても2050年カーボンニュートラルを目指し再生可能エネルギー導入(以下、再エネ)の加速化をはじめとする各種の取り組みが行われています。また、生物多様性は食料や水、空気の供給などの生態系サービスのみならず、経済的繁栄を含めて人類の存続に必要不可欠なもので、生物多様性に影響を与える要因のひとつに気候変動があげられています。したがって、再エネ導入による脱炭素と生物多様性の維持、回復は同時に解決されるべき課題であり、どちらかを犠牲にして実施しても最良の結果は得られません。

■事業者も建設計画地の変更を了承

おおせっからんどの長年の調査結果に基づく科学的なデータに基づいた協議の結果、事業者は1工区の重要性と営農による継続的な人の立ち入りが鳥類の繁殖に与える影響を認識し、本事業の影響を軽減するため1工区の計画地変更を受け入れ、計画地変更を認めるよう経済産業省と協議を行っています。そのため、当初9月の着工を予定していた1工区は今現在も未着工となっています。あわせて、環境省からも経済産業省に対して移設が認められないか相談が行われてきました。

事業の進捗に影響が出るにもかかわらず、希少種への影響を避けるために事業計画の変更を承認する事業者はまれであり、第6次エネルギー基本計画(令和3年10月)にも掲げられている再生可能エネルギーの地域と共生する形での適地確保にも合致するものと考えられます。

■計画地変更手続きについて

認定を受けた事業計画の「地番の追加・削除」を行なうには、経済産業省への変更認定申請が必要です(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/fit_2017/henkou_seirihyou.pdf)。現在、事業者と経産省間の計画地変更に向けての事前協議が整わず、本事業計画が中断している要因となっています。当会らは、計画認定後であっても自然環境への影響が懸念されることが明らかになった場合には計画地の変更を認めることで、再生可能エネルギーと生物多様性の維持を現状よりも両立させやすくなると考えています。

[画像1: https://prtimes.jp/i/39807/57/resize/d39807-57-e9aa58798674c8c3e6a4-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/39807/57/resize/d39807-57-58a13fcbd86675f06114-1.jpg ]

■参考資料(アルファベット順)
・環境省.2022.国内希少野生動植物種一覧(https://www.env.go.jp/nature/kisho/domestic/list.html、2022年12月21日確認).
・経済産業省.2021.第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました(https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005.html、2022年12月21日確認).

■添付資料
1.「青森三沢市庭構地区 営農型太陽光発電所事業」事業地の変更に関する要望書(経済産業大臣宛)
https://prtimes.jp/a/?f=d39807-20230328-734269a6db5f071e83581980493e72e3.pdf

■日本野鳥の会 組織概要
組織名:公益財団法人 日本野鳥の会(会員・サポーター 約5万人)
代表者:理事長 遠藤孝一
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
URL:https://www.wbsj.org/

■おおせっからんど 組織概要
組織名:特定非営利活動法人おおせっからんど
代表者:理事長 津曲隆信
URL:https://oosekka.com/

■仏沼 (ほとけぬま) について

◯ 仏沼とは?

[画像3: https://prtimes.jp/i/39807/57/resize/d39807-57-84e6cef3c9c80918aad1-2.jpg ]

青森県下北半島の付け根付近の太平洋岸に位置する干拓地で、周辺の水田地帯やヨシ原、小川原湖などの複数の湖沼群とともに鳥類の重要な生息地となっている。仏沼干拓地はオオセッカの世界最大の繁殖地と言われており、他にチュウヒ、コジュリン、シマクイナ、マガンやヒシクイなど稀少な種が生息する。ラムサール条約湿地であり、環境省によって生物多様性保全上重要な里地里山(Mo2-5 仏沼周辺の湖沼群)、生物多様性の観点から重要度の高い湿地(重要湿地No080仏沼)に指定されている。

◯ 仏沼の歴史と現状、1工区の位置

[画像4: https://prtimes.jp/i/39807/57/resize/d39807-57-d7095eda5493df35a5ab-3.jpg ]

仏沼はもともとは小川原湖につながっているラグーンであったが、1963年から干拓が開始された。1970年代から開始された減反政策の影響を受け、700ヘクタールの干拓地の多くは農地として利用されないまま年月が経過し、ヨシ等の生育する湿地となった。農地としての利用はなかったものの排水や火入れによるヨシ原の管理は継続されたため、冷涼な気候と相まって背丈の低い草原が維持されている。その結果、オオセッカやシマクイナ、ウズラなどの稀少な種の生息地となっているほか、ベニモンマダラやマークオサムシなどの絶滅が危惧される昆虫(どちらも絶滅危惧II類)やジョウロウスゲ(絶滅危惧II類)などの植物も生育している。仏沼の環境の維持には、火入れによる草地管理が欠かせないものとなっている。

本事業の1工区はラムサール条約湿地仏沼(国指仏沼鳥獣保護区特別保護地区)の南端に接し、同鳥獣保護区の普通地域内に位置する(左図参照)。

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