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膵がん切除例を対象としたTS-1臨床試験(JASPAC01)結果を米国臨床腫瘍学会 消化器がんシンポジウムで発表

PR TIMES / 2013年1月28日 16時17分

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、米国時間の1月25日、2013米国臨床腫瘍学会 消化器がんシンポジウム (ASCO GI)において、「膵がん切除後の補助化学療法における塩酸ゲムシタビン(以下GEM)療法とS-1(以下TS-1)療法の第III相比較試験(JASPAC 01*1)」の結果が本試験の研究代表者 静岡県立静岡がんセンター 肝胆膵外科 部長 上坂 克彦 先生より口頭発表されましたのでお知らせします。(抄録番号145)
*1:Japan Adjuvant Study Group of Pancreatic Cancer

本試験は、公益財団法人 静岡県産業振興財団 傘下のファルマバレーセンターが、大鵬薬品との委受託契約に基づき実施した試験で、膵がん切除例を対象に標準治療薬とされるGEM単剤とTS-1単剤を比較した第III相臨床試験です。この試験で、膵がん切除後の補助化学療法としての標準治療薬であるGEM単剤に対して、経口抗がん剤であるTS-1単剤の全生存期間(OS)における優越性が証明され、TS-1が生存期間を大幅に延長させることが明らかとなりました。

本試験は、TS-1が膵がん切除症例に対して有効性を示した世界で初めての第III相臨床試験であり、がん治療に従事されている医療関係者および治療を受けられる患者さんに大きく貢献するものと考えております。

大鵬薬品は、今後も膵がん領域における治療開発を進めて参ります。

試験結果の詳細については、静岡県立静岡がんセンターおよびファルマバレーセンターのリリースをご覧下さい。
静岡県立静岡がんセンター のリリース:http://www.scchr.jp/
ファルマバレーセンターのリリース:http://www.fuji-pvc.jp/


【ティーエスワン(TS-1)について】
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤であるティーエスワンは、吸収後、抗がん剤フルオロウラシル(5-FU)に変換される代謝拮抗物質のテガフール、体内で5-FU の分解を阻害するギメラシル(5-chloro-2,4-dihydroxypyridine,またはCDHP)、消化管で5-FU のリン酸化を阻害するオテラシル(Oxo)の3化合物の配合剤です。胃がんの治療薬として開発され、1999 年に国内で最初に承認されて以来、胃がんの標準治療薬となっています。日本においては、他に結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌、胆道癌の6つの追加効能を取得しています。海外では、アジア(韓国、中国、シンガポール、台湾、タイ、香港)、欧州(スウェーデン、デンマーク、ノルウェイ、フィンランド、イギリス、オーストリア、ドイツ、ブルガリア、オランダ)で販売されています。

【JASPAC 01試験について*2】
本試験は、33の医療機関が参加し、2007年4月から3年間で合計385例の集積が行われました。対象は膵がん切除後(UICC stage II以下、もしくは腹腔動脈合併切除を施行したstage IIIの症例)の患者さんで、GEM単独で治療する群と、経口抗がん剤であるTS-1単独で治療する群の2つの群に割り付けて比較したものです。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無再発生存期間および安全性等でした。GEM単独で治療する群は、1,000mg/m2のGEMを1日目、8日目および15日目に点滴静注し、22 日目は休薬する28 日を1コースとし、6ヶ月間投与するスケジュールでした。 TS-1 単独で治療する群は体表面積に合わせて規定された投与量(80mg、100mg、120mg/日)を1日2回、28日間連続経口投与し、その後14日間休薬する42日を1コースとし、4コース(6ヶ月間)まで実施するスケジュールでした。                  
*2:Jpn J Clin Oncol 2008;38(3)227-229

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