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話題の“教育改革”、日本人が苦手な“英語”に注目 「えいご耳」が育つのは、未就学児まで!? 日本人こそ「えいご耳」! そのポイントは「リズム」

PR TIMES / 2014年1月9日 13時48分

トレンド総研(東京都渋谷区)では、今回、英語教育に注目しました。小学校に入学前の、“未就学児の英語教育”をテーマに調査を行いました。
はじめに、未就学児の母親を対象に、英語教育に対する意識・実態についてアンケート調査を実施。その上で、本調査の結果から注目したキーワード、“えいご耳”の重要性について、言語脳科学者である東京大学の酒井 邦嘉教授にお話をうかがいました。



今回、トレンド総研(東京都渋谷区)では、英語教育に注目しました。日本人の英語力の低さに対する懸念は、よく耳にするところです。「小学校の英語必修化」も記憶に新しいこのタイミングですが、グローバル化が進む中で、次代を担う子供たちの英語教育は十分なものになっていると言えるのでしょうか。バイリンガル育成には年齢的な限界があると言われるように、やはり、外国語の習得には、早期接点の創出が効果的と言われます。「小学生になってからではもう遅い」ということも、あり得るのかもしれません。そこで、小学校に入学前の、“未就学児の英語教育”をテーマに調査を行いました。
はじめに、未就学児の母親を対象に、英語教育に対する意識・実態についてアンケート調査を実施。その上で、本調査の結果から注目したキーワード、“えいご耳”の重要性について、言語脳科学者である東京大学の酒井 邦嘉教授にお話をうかがいました。


■ レポート内容
1. 母親たちの意識とは!? 子供の英語教育に対する不安と実態
  「小学校の英語必修化」の賛否から母親の不安まで、未就学児の母親500名に調査を実施。
2. 言語脳科学者・東大 酒井教授に聞く、未就学児の英語教育と“えいご耳”
  言語脳科学者に聞いた、未就学児の英語教育のポイント、 “えいご耳”の重要性が明らかに!

≪テーマの背景と本レポートの目的≫
少子化に代表されるように、子供を取り巻く環境の変化の中で注目度を高めている、教育改革。文部科学省を中心に、様々な教育制度の見直しが推し進められています。「センター試験の廃止検討」や「ICT教育の普及を見据えたタブレット端末のテスト導入」など、話題に事欠きません。
その中で、教育改革の大きな一歩となったのが、「小学校の英語必修化」。企業における英語の社内公用語化がメディアに大きく取りあげられるなど、グローバル化が進む現代では、この改革に期待されるところは大きいです。しかし、一方で、これが十分なものなのかは分かりません。より早い段階で、英語を習う方が良いのではないか、そんな疑問もふと頭をよぎります。
こうした疑問に答えるため、本レポートは、未就学児への英語教育の重要性と、そのポイントを提起することを目的とします。


Summary
<未就学児の母親への調査結果>
 (1) 話題の「小学校の英語必修化」、未就学児の母親の87%が「賛成派」
 (2) 母親自身の苦手意識も後押し!? 3歳時には、半数以上の母親が「子供の英語教育」を実施
 (3) 未就学児の英語教育のポイントは「耳」、母親たちの感じている「えいご耳」の重要性とは!?

<言語脳科学者、東京大学・酒井教授へのインタビューの要点>
  (4) 英語が苦手な日本人だからこそ!未就学児に英語を教えるメリットが明らかに!
  (5) 未就学児にこそ、“えいご耳”! 日本人にこそ求められる、その理由とは!?
  (6) 「マザーリース」に隠された、“えいご耳”のポイントは…、“スピード”ד抑揚”=“リズム”


■ 1. 母親たちの意識とは!? 子供の英語教育に対する不安と実態 
未就学児の母親を対象にした今回のアンケート調査では、子供の英語教育に対する母親の意識を探りました。本調査のきっかけとなった「小学校の英語必修化」への賛否や、未就学児の英語教育の実態とその悩みについて、質問を行いました。

[調査概要]
 調査名:未就学児の母親に聞く、子供の英語教育に関する意識・実態調査
 調査対象:未就学児(小学校入学前の0歳~6歳の子供)の長子がいる、20代~40代の女性 500名
 調査期間:2013年12月5日(木)~2013年12月9日(月)
 調査方法:インターネット調査
 調査実施機関:楽天リサーチ株式会社


◆ 話題の「小学校の英語必修化」、未就学児の母親の87%が「賛成派」
はじめに、「小学校の英語必修化」に対する賛否を、母親たちに問いました。すると、「賛成派」は87%で、「反対派」の13%を大きく上回るという結果に。 母親たちの多くは、早くから子供が英語を学ぶ機会を求めているようです。
また、賛成、および、反対の理由を自由回答形式でたずねると、代表的なところでは、以下のような意見があげられました。

<賛成の理由>
 「これから英語はもっと重要になってくるし、子供の世界も広がると思うので。(滋賀県・27歳)」
 「教える内容にもよりますが、何より英語の耳を作るには、早い方が良いと思うので。(兵庫県・33歳)」
 「苦手意識を持つ前に英語に触れる方が良い。小さい方が頭も柔軟だし。(千葉県・34歳)」
<反対の理由>
 「学習方法が問題。時間をかければ良いというものではないと思う。(東京都・34歳)」
 「英語をやるなら早くからやった方が良いとは思うが、子供たちの負担が心配。(福岡県・31歳)」

この結果からは、英語の重要性を賛成の理由とする人が多いことが分かりました。また、早くから英語を学ぶメリットとして、リスニングにおける能力を鍛えやすいという意見が多数見受けられ、母親たちは、子供に英語を聞き取れる耳を手に入れて欲しいと望んでいるようです。一方、反対の理由は、子供が早くから英語を学ぶこと自体よりも、そのやり方や子供の負担に対するものでした。


◆ 母親自身の苦手意識も後押し!? 3歳時には、半数以上の母親が「子供の英語教育」を実施
このように、母親たちがより早く子供に英語を学んで欲しいと思っている背景には、母親たち自身の英語への苦手意識もあるようです。今回の調査で、「英語に苦手意識がある」という人は76%と、8割弱を占めます。そんな中で、「社内の公用語を英語にする企業が増えている」といった英語の重要性を伝えるニュースを目にすれば、子供の将来の英語力を心配するのも当然でしょう。実際に、9割以上の母親が、「次代を生きる子供にとって、英語は今まで以上に重要だと思う」(90%)と答えています。
それでは、どうすれば子供たちが効果的に英語を学ぶことができるようになるのでしょうか。その1つの解決方法が、子供により早くから英語に触れる機会を与えることです。これは何も、学校での英語教育だけに限る話ではありません。本調査の調査対象である未就学児の母親たちも、58%が「自身の子供に英語教育を行っている」と言います。さらに、「英語教育を始めた時の子供の年齢」をたずねたところ、子供が1歳の時点で35%、3歳の時点では半数以上となる52%もの母親たちが、子供に英語教育を行っているという実態が明らかに。未就学児への英語教育は、すでに母親たちの間に広く浸透しているようです。
そこで、「幼少期から英語に触れることは、重要だと思いますか?」と聞くと、89%もの母親が「重要だと思う」と答えました。


◆ 未就学児の英語教育のポイントは「耳」、母親たちの感じている「えいご耳」の重要性とは!?
多くの母親たちが重要性を感じ、実際に行っているという未就学児への英語教育ですが、どのようなことを行えば、効果的なのでしょうか。前述の「小学校の英語必修化」では、早い段階での英語教育における、「英語を聞き取れる耳」の重要性が示唆されました。ここでは、“「英語を聞き取れる耳」=「えいご耳」”として、未就学児の英語教育における「えいご耳」について、母親たちにいくつか質問をしました。まず、母親たちに「幼少期の英語教育に重要だと思うこと」を複数回答形式で聞きました。この質問では、上位3項目は、1位「英語の歌を聞かせる」(62%)、2位「外国人と話す機会を作る」(62%)、3位「英会話を聞かせる」(53%)。いずれも、“英語を聞く”ことに関わることでした。母親たちも、幼少時に「えいご耳」を鍛えることの重要性を感じているのでしょう。
実際に、「幼少期にこそ、『えいご耳』を鍛える必要がある」と感じている母親は76%を占めますし、さらには、97%もの母親は、「耳から学ぶことで、子供に効果的に英語を学ばせることができると思う」と答えました。


■ 2 .言語脳科学者・東大 酒井教授に聞く、未就学児の英語教育と“えいご耳”
今回のアンケート調査では、子供の将来における英語の重要性を強く感じ、幼少時から子供の英語教育に力を入れる未就学児の母親たちの実態が明らかになりました。また、未就学児の英語教育において、母親たちが意識していたのが、「えいご耳」の存在です。幼少期に耳から学ぶことが、英語習得の近道だと、多くの母親たちが考えていることが分かりました。
それでは、こうした「えいご耳」を意識した学習は、未就学児たちにとって本当に効果的なのでしょうか。それを明らかにするために、東京大学の酒井 邦嘉教授に取材を依頼。言語脳科学者である酒井氏に、未就学児における英語教育、および、「えいご耳」の重要性について、お話をうかがいました。


◆ 英語が苦手な日本人だからこそ!未就学児に英語を教えるメリットが明らかに!
Q. 幼少時から英語を学ぶメリットについて、お教え下さい。
不幸なことに、日本語に近い言語というのは、ほとんどありません。文法的に似ているのは韓国語ですが、発音や文字は異なります。文字を共有している中国語も、発音が大きく異なります。これが、日本人が外国語を習得する際のバリアとなります。
その一つの表れがカタカナ言葉でしょう。現代の日本語に氾濫するカタカナ言葉は、英語の発音を極めて不正確に変換したものになっています。清音と濁音の違いさえ、曖昧です。一例をあげると、日本語では“コスモス”と呼ぶ花の1つ目の“ス”は、英語では“z”の発音で、濁音となります。アメリカ人に“コスモス”と言っても、全く通じません。ですが、こうした事実は、東京大学の大学生も知らないというのが実情です。
こうした傾向は、大人に起こりがちです。大人たちは、日本語の影響で、無意識の内に英語の自然な韻律や発音のルールをねじ曲げてしまっているのです。一方で、子供の特徴として、物事を理屈ではなく、感覚的に捉えます。英語を聞いた時も、日本語のルールにあてはめることなく、そのままの音として受け止めます。それが英語本来の発音であれば、自然な英会話が子どもの記憶に刻まれるでしょう。英語と異なる性質の母語を持つ日本人だからこそ、幼少期に英語教育を受ける価値があります。ノーム・チョムスキーの「言語生得説」によれば、人間の脳には、先天的に言語を話す機能が備わっています。しかし、どんな言語を習得できるかは、後天的な環境により決まります。幼少時の環境に存在する言語に脳が順応し、その言葉が母語になります。その環境に複数の言語があり、いずれも母語として習得できれば、バイリンガルになります。しかし、このように言語の環境に脳が順応するポテンシャルは、小学校に上がるくらいの年齢までがピーク。未就学児こそ、英語に触れるメリットは大きいでしょう。


◆ 未就学児にこそ、“えいご耳”! 日本人にこそ求められる、その理由とは!?
Q. 未就学児の英語教育における「えいご耳」の重要性について、お教え下さい。
今回の調査で、未就学児の母親たちが、子供の「えいご耳(=英語を聞き取れる耳)」を意識して英語教育に取り組んでいるという実態が明らかになったそうですが、確かに、このやり方は効果的な取り組みだと言えるでしょう。小さい子供にとっては、日本語も、外国語も関係ありません。彼らは目にした、耳にした情報をありのままに受け止めます。そして、子供の脳は記憶力に優れています。「門前の小僧、習わぬ経を読む」というように、その情報をありのままに、正確に記憶することが可能です。「えいご耳」を鍛えるために、繰り返し英語を聞かせることで、子供たちは自然と英語の韻律を学ぶことができます。
また、こうした「えいご耳」の鍛え方が可能なのも、幼少期の時だけです。
小学校に入学する頃から、人は物事を理屈で捉えるようになります。自身のルールや尺度にあてはめて判断を行います。前述のカタカナ言葉の弊害のように、無意識であったとしても、日本語の観点で英語を捉えるようになってしまいます。しかし、日本語と英語は、大きく異なる言語です。例えば、日本語では子音で終わる音節は撥音と促音だけ。そのため、子音で終わることの多い外国語の音は、日本語に慣れた大人にとっては、なかなか聞き取りにくいものです。こうした言語の違いを乗り越えるためには、大人になってからでは遅いのです。


◆ 「マザーリース」に隠された、“えいご耳”のポイントは…、“スピード”ד抑揚”=“リズム”
Q. 「えいご耳」を鍛えるためのポイントについて、お教え下さい。
未就学児の「えいご耳」を鍛えるポイントは、“何を聞かせるか”と“いかに本人に働きかけるか”にあります。
まず、“何を聞かせるか”という点ですが、大切なのはその「音」です。小さい子供たちは、聞いたものをそのまま覚えるので、言葉の内容ではなく、どのように聞こえるかが重要になります。赤ちゃんが聞き取りやすく、真似したくなるような音が望ましいでしょう。
母親語などと言われることもありますが、母親が赤ん坊に語りかける際の、大きな抑揚でゆっくりとしたリズムの話し方を「マザーリース」と呼びます。話し方が早すぎては赤ん坊が聞き取れないですし、抑揚がなければ赤ん坊は興味を持ってくれません。実は、赤ん坊にとって、最も聞き取りやすい話し方が、この「マザーリース」なのです。
これは「えいご耳」を鍛える際にも重要です。「マザーリース」に似たスピード、抑揚で聞かせてあげることで、英語も最も自然に赤ん坊に受け入れられます。また、英語の歌なども良いでしょう。赤ん坊の聞き取りやすいテンポのものを選ぶ必要はありますが、リズムに乗せて聞かせることで、子供たちも積極的に英語に耳を傾けてくれるでしょう。
次に、“いかに本人に働きかけるか”ですが、どんなに英語を聞かせ続けていても、子供本人が聞こうとしなければ効果はありません。子供に上手に働きかけ、自然と興味を引いてあげることが重要です。そのためには、スポーツやゲームの活用というのも1つの方法でしょう。また、児童教室のように、周りに同世代の子供がいるという環境も良いかもしれません。同世代の子供というのは、気になるものです。その中であれば、より興味を持って英語に親しんでくれるでしょう。


酒井 邦嘉(さかい くによし)
-言語脳科学者、東京大学 教授-
1964年生まれ。東京大学 大学院理学系研究科 博士課程修了、理学博士。
マサチューセッツ工科大学 客員研究員、
東京大学 大学院総合文化研究科 助教授、准教授を経て、2012年より教授。
脳機能イメージングなどの先端的手法を駆使して、
人間にしかない言語や創造的な能力の解明に取り組んでいる。
<受賞歴>
 大脳皮質における文法処理の局在の業績により、第1回日本神経科学学会奨励賞(2001年)
 著書『言語の脳科学』(中公新書)により、第56回毎日出版文化賞(2002年)
 脳機能マッピングによる言語処理機構の解明により第19回塚原仲晃記念賞(2005年)
<代表著書>
 『脳を創る読書-なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』 (実業之日本社、2011年)
 『東大エグゼクティブ・マネジメント-課題設定の思考力』 (東京大学出版会、2012年)
 『脳でわかるサイエンス3「脳の冒険」』 (明治書院、2013年)
 『芸術を創る脳-美・言語・人間性をめぐる対話』 (東京大学出版会、2013年)  など


東京大学 大学院総合文化研究科相関基礎科学系 酒井研究室
 URL:http://mind.c.u-tokyo.ac.jp/index-j.html


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■このリリースに関するお問い合わせや取材、資料ご希望の方は下記までご連絡ください■
トレンド総研  http://www.trendsoken.com/
担当:川浦 真吾(かわうら しんご)
TEL:03-5774-8871 / FAX:03-5774-8872 / mail:info@trendsoken.com
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