~オーストラリア北東部、クイーンズランド州~ グレートバリアリーフでサンゴの一斉産卵 新しい生命の誕生で、次世代へとつなぐ
PR TIMES / 2024年11月27日 16時45分
珊瑚の幼生播種技術Coral IVFをケアンズとポートダグラスの観光業者および海洋産業関係者に向けて初めて指導
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Photo by Stuart Ireland Calypso Productions
G’Day! クイーンズランド州政府観光局(オーストラリア クイーンズランド州ブリスベン、CEO代行:オリ―・フィルポット)の日本事務所(東京都港区、日本局長:ポール・サマーズ)は、毎年恒例のサンゴの産卵が、ケアンズの東に位置するグレートバリアリーフで、11月22日(金)深夜に、今年初めて記録されたと発表しました。
毎年11月の満月の時期に行われるサンゴの産卵では、グレートバリアリーフの壮大なサンゴが何兆個もの卵子と精子を水中に放出し、海中で「吹雪」を起こして新たな生命を生み出します。夜間にわたり次から次へと産卵が起きると、数十億個ものピンク色の小さな玉が海中に飛び出し、さまざまな種類のサンゴの再生プロセスが始まります。自然学者であるサー・デイヴィッド・アッテンボローは、これを「あらゆる自然のショーの中で最も素晴らしいものの1つ」と表現しています。サンゴの研究者達は、この自然の象徴を気候変動による影響の増大から守るために、サンゴ礁の再生を高める方法を模索しており、サンゴの産卵は彼らにとって1年で最も重要な日でもあります。
今年は、産卵で生まれるサンゴの幼生を増やすために、オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)のチームが、サンゴの体外受精(Coral IVF)と呼ばれる珊瑚の幼生播種技術を、初めてケアンズとポートダグラスの観光業者と海洋産業関係者に向けて指導を行いました。このIVFでは、2か所に設置された特別に設計された浮遊型幼生プールに数百万個のサンゴの卵と精子を夜間に収集し、リーフの自然再生プロセスを助けることを目的としています。
デリケートな卵子と精子の塊(バンドル)は、サンゴの幼生へと成長するまでの1週間、苗床プールで過ごします。そして、その後サンゴ礁の上に置かれます。サンゴ礁には、最近の白化現象で影響を受けた場所も含まれており、サンゴはそこで健康な若いサンゴに成長し、グレートバリアリーフに新たな生命をもたらします。研究者によると自然環境では受精成功確率が約100万分の1のところ、このCoral IVF技術により自然環境下の100倍に当たる約1万分の1に高まるとされています。
グレートバリアリーフ財団の専務理事であるアンナ・マースデン氏は、次のように述べています。「昨年の夏、グレートバリアリーフは再び壊滅的な白化現象に見舞われ、サンゴ礁が気候変動の最前線にあることが改めて浮き彫りになりました。失われたものを再生し、残ったものを気候変動の影響から守るための解決方法を集めたツールキットを開発することが極めて重要です。『Boats4Coral』と呼ばれる科学者と観光事業者の協力が、当財団のリーフ・アイランド・イニシアティブを通じてウィットサンデーで試験的に実施され、サンゴ礁の再生における最大の課題である規模の問題を克服する道を開きました。この成功を受け、カンタス航空の支援のもと、グレートバリアリーフの他の地域でも同様のアプローチを進めています。熱心な観光業者や地元の人々がこの技術を現在の保全ツールキットに加えることで、科学に裏打ちされた拡張性のあるサンゴ再生運動を地域から拡大していきたいと考えています」
サンゴ礁保護の取り組みは、オーストラリア政府のリーフ・トラストとオーストラリア海洋科学研究所から資金提供を受けているほか、カンタス航空がグレートバリアリーフ財団と10年間にわたる1,000万ドルのパートナーシップを結び、支援しています。
このCoral IVFプロジェクトは、オーストラリア政府のリーフ・トラストとグレートバリアリーフ財団のパートナーシップによる資金提供およびカンタス航空の支援を受けている「サンゴ礁の再生・適応プログラム」を通じて開発された技術を使用しています。
グレートバリアリーフは、オーストラリア最大で最も価値のある自然の象徴であり、財団の調査によると、このリーフはオーストラリア経済に年間64億ドルを貢献しており、その90%は観光からのもので、64,000以上の雇用を支えています。日本からも多くの観光客が訪れることで、リーフ税も含めて地域の観光業が活性化し、このような取り組みに貢献できるというサイクルの確立のために、クイーンズランド州政府観光局も、日本からさらに多くの方に渡航いただけるよう努めています。
■サンゴの産卵とは
サンゴの産卵とは、グレートバリアリーフに新しい生命が誕生することです。年に一度起こる魅惑的な自然現象で、海中の吹雪に例えられています。グレートバリアリーフのサンゴは今の時期である晩春に卵子と精子を放出し、小さな玉となってゆっくりと海面に浮かび上がります。産卵は、プランクトンを食べるサンゴ礁魚が寝ている夜間にのみ行われ、卵が食べられてしまうリスクを減らすことができます。海面にピンク褐色の油膜を形成し、そこで精子が相性の良い卵子と出会って幼生を生み、10日ほどでサンゴのポリプに成熟します。これらの小さなバンドルの多くが若いサンゴとなり、グレートバリアリーフの未来に希望をもたらします。
サンゴの産卵について、沿岸の先住民の人々には語り継がれていましたが、1982年までその事実は全く知られておらず、現在でも、この現象についてまだ知られていないことが多くあります。沿岸のサンゴ礁は、サンゴ礁の広がるアウターリーフの産卵が盛んなサンゴ礁よりも1ヶ月早く産卵する傾向があります。ケアンズやポートダグラス沖のアウターリーフでは、一般的に水温が27~28℃になる11月の満月の2~6日後に産卵が行われます。
■サンゴの産卵をみるには
ツアー業者では、サンゴの産卵が予測される時期に、ダイビングやシュノーケリングのナイトツアーを催行しています。ダイバーズ・デンとプロダイブ・ケアンズ、ツサは2023年11月と12月にサンゴの産卵期に合わせてナイトツアーを催行していたほか、グレートバリアリーフに向けてライブアボードを運航しました。自然現象なので、サンゴの産卵が必ず見られるという保証はありませんが、日没後に現れる海の生き物たち見つけながらクルーズを楽しむことができます。
サンゴの産卵については、クイーンズランドのHPでもご紹介しています。
https://www.queensland.com/jp/ja/places-to-see/experiences/great-barrier-reef/coral-spawning
クイーンズランド州について
人口約530万人、オーストラリアの約1/4の面積を占めるクイーンズランド州は、北東部に位置し、ケアンズ、ブリスベン、ゴールドコースト、グレートバリアリーフ等、人気の観光地を有する州です。年間を通じて温暖な気候に恵まれ日本との時差も僅か1時間と、日本との行き来がしやすいことも特徴です。より詳しい情報はホームページよりご確認ください。
公式ホームページ https://www.queensland.com
公式X https://twitter.com/queenslandjp
公式Facebook https://www.facebook.com/visitqueensland
公式Instagram https://www.instagram.com/queensland
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