新・生活様式で気をつけていきたい“血糖負債”対策
PR TIMES / 2021年9月1日 17時15分
生活様式の変化はHbA1cの悪化にも影響か
自粛が長期化し、リモートワークの普及やステイホームなど生活様式が変化するなか、生活習慣病のリスクについての関心が高まっており、その一つとして、糖尿病リスクの増加が懸念されています。
株式会社リンクアンドコミュニケーションは、これらのリスクの高まりを受け、昨年行ったコロナ禍における生活実態調査(2020年8月実施)に続き、生活様式の変化で気をつけるべき血糖対策について調査を行い(2021年5月実施)ました。また、6月に行われた一般社団法人日本生活習慣病予防協会主催の“血糖負債オンラインセミナー”では、調査結果とともに、血糖負債(高血糖が続き、健康リスクが高まっている状態)の対策方法について発表しましたので、それらをご紹介いたします。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/18672/table/62_1_1a20f3eb21f8a5fca405199c8719e61a.jpg ]
■コロナ禍における「歩数の変化」弊社の調査結果
[画像1: https://prtimes.jp/i/18672/62/resize/d18672-62-37068cf81bd894d4ed46-9.jpg ]
図1は、当社が運営するAI健康アプリ「カロママ」「カロママ プラス」のユーザーを対象に、2020年の1月から7月までの歩数を、日本人の平均歩数(※1)の半分未満となる「3,000歩未満」「3,000~6,000歩」「6,000~9,000歩」、健康日本21の目安(※2)である「9,000歩以上」の4段階に区分し、期間による変化を分析しました。
3,000歩未満の方は、コロナの影響がさほど大きくなかった1~2月(コロナ影響前)では15%程度だったのに対し、緊急事態宣言期間では30%近くまで増加しました。緊急事態制限が解除された6~7月では、3,000歩未満の割合は22~24%程度とわずかに回復したものの、コロナ影響前に比べると6000歩未満の方が6割以上いるという結果でした。
この結果から、緊急事態宣言で、活動量が低下しているということが分かります。
※1 平成29年度「国民健康・栄養調査」の結果では、日本人の平均歩数は6,322歩です。(20~64歳の平均歩数は7,121歩)
※2 「健康日本21」の20~64歳の歩数の目標は、男性9,000歩、女性8,500歩です。
■235名の管理栄養士に聞いた「コロナ禍における糖尿病患者様の変化」
弊社の運営する管理栄養士向けサービス「かわるPro」で、日ごろから糖尿病の患者様に栄養指導を行っている管理栄養士235名に、コロナ禍におけるHbA1cの変化について調査しました。
新型コロナウイルス感染拡大前後におけるHbA1cの変化
[画像2: https://prtimes.jp/i/18672/62/resize/d18672-62-77e65175538eaf8bfeea-10.jpg ]
コロナ感染拡大前後における患者様の「HbA1c」の変化について、「コロナ前(初回の緊急事態宣言前)とコロナ禍(昨年春以降から現在)において、対象者の人全体でHbA1cが変化している印象はありますか?」の問いに対し、6割を超える管理栄養士が「悪化している」「かなり悪化している」と回答していました。
現在の患者様の血糖値や「HbA1c」の今後の変化についての項目では、「良化していく」と答えた管理栄養士は4%とごくわずかであり、今後も悪化した状態が続くことが示唆されます。今回、管理栄養士が懸念しているHbA1c悪化の要因として、運動量の低下、ストレス、食生活の変化という回答が多くあげられていました。新しい生活様式自体が与えるHbA1cへの影響があるかもしれません。
これからも続く“新生活様式”で身に着けてほしい生活習慣
[画像3: https://prtimes.jp/i/18672/62/resize/d18672-62-6eed4777ab1eb4d0906a-11.jpg ]
HbA1cの悪化が懸念されるなか、全体の約8割の管理栄養士が、今後身に着けてほしい生活習慣として「たばこやお酒、お菓子などの嗜好品との適切な付き合い方」と回答しました。
「おやつやお酒との適正な付き合い方」は、実際の栄養指導でよく活用する高血糖対策、HbA1c対策として、多くの管理栄養士が重要視している項目であり、対策の手段として、例えば糖質の少ないおやつ※(無糖ヨーグルトやナッツなど)、糖質オフ商品、ノンアルコール飲料、無糖の炭酸飲料なども使ってほしいという声が、複数あげられていました。
※「糖質の少ないおやつ」は、最後にレシピをご紹介いたします。
■生活習慣病のエキスパートや糖尿病専門医も注目する「血糖負債」という新しい考え方
このように、血糖対策に注目が集まるなか、2021年6月11日(金)「血糖負債オンラインセミナー」(主催:一般社団法人 日本生活習慣病予防協会)が開催されました。当日は宮崎滋先生(同協会理事)、綿田裕孝先生(順天堂大学大学院 医学研究科代謝内分泌内科学 教授)、佐々木由樹先生(株式会社リンクアンドコミュニケーション 最高公衆衛生責任者)により、糖尿病の指標の一つであるHbA1cの重要性の他、「血糖負債(高血糖が続き、健康リスクが高まっている状態)」という新しい考え方やその対策方法が解説されましたので、その内容をご紹介します。
綿田教授の講演資料より 「血糖負債」とは
[画像4: https://prtimes.jp/i/18672/62/resize/d18672-62-e35fbd8afbfddca68c63-13.jpg ]
血糖を管理する上で医学的に重要視されるのは「HbA1c」
血糖負債とは、高血糖が長期的に続いた状態を表します。血糖値を測定する健康診断の指標は「空腹時血糖値」「食後血糖値「HbA1c」の3つがあります。空腹時血糖値と食後血糖値は、血糖レベルの瞬間値であり、これに対し、HbA1cは過去1~2カ月の平均値となり、血糖を管理する上で医学的に重要視されるのは、過去1~2か月の長期の血糖指標となる「HbA1c」であるといわれています。長期的な血糖レベルを把握するうえではHbA1cの指標が重要となります。
HbA1cは、どのようなスピードで負債がたまっていくかを測る指標でもあり、人間ドッグではHbA1c値が6.5%以上で「要医療(糖尿病)」と判定されます。しかし、糖尿病ではなくとも、正常ではないHbA1c値(5.6~6.4%)が長期に続くと少しずつ血糖負債が蓄積され、様々な健康被害が懸念されます。そのため、HbA1cを正常域に近づけておくことが重要です。
また、順天堂大学大学院で行われた研究において、「やせている若年女性」や「正常体重の中年男性」でも血糖負債をかかえるケースが報告され、必ずしも体型依存的ではないことが明らかになっています。このほかにも、血糖負債に起因する酸化ストレス・AGEs・慢性炎症・インスリン抵抗性・細胞老化などが、生活習慣病やがん、エイジングなど、さまざまな健康被害をもたらすリスク要因になりえるとのことです。
佐々木由樹先生 講演資料より 「今日からできる血糖負債の解消」
[画像5: https://prtimes.jp/i/18672/62/resize/d18672-62-9bd5dccfccda29ec4353-14.png ]
高血糖対策には「肥満の解消」「食事の改善」「運動」がポイント
・肥満の解消
血糖対策においてとても重要です。痩せる量の目安としては、体重5~7%であり、体重80kgの場合、2~3か月かけながらゆっくりと75kgまで落とすことをおすすめします。
・食事の改善
1.減量は、食事量を減らすのではなく、カロリーを調整する。
満腹を感じるのは重量、太るか痩せるかはカロリー次第。
2.一日に一食は主食に未精製穀類をとりいれる。
未精製穀類の摂取量が90g/日増えると、糖尿病リスクを26%減らすことができるという報告があります。
3.野菜・果物をあと一品追加する。
野菜を300g/日摂取することで、糖尿病リスクを9%減らすことができるという報告があります。1日4~5皿(300~400g)の野菜料理を取り入れると実現しやすいでしょう。
果物を200g/日摂取することで、糖尿病リスクを10%減らすことができるという報告があります。野菜も果物も既に上記の量を召し上がっている場合は、無理に増やす必要はありません(野菜や果物の摂取量をやみくもに増やすことで将来の糖尿病発症リスクが比例して減少するわけではありません)。
4.2時間座っていたら、10分は軽く体を動かす
座ってモニターやテレビを見ている時間が長いほど糖尿病発症リスクが増えるという報告がされています。
5.少し息がはずむ運動を1日20分(週2.5時間)
毎日行うことが難しい場合は、まずは週3回を目標に始めてみるとよいでしょう。
そのほか、既に実践されている方も多いかもしれませんが、ゆっくり食べる、よく噛む野 菜を先に食べるなど血糖値の急上昇を抑える食事の方法も実践していきましょう。
医療現場では、コロナ禍での患者のHbA1c悪化が懸念されています。悪化している状況を放置せず、日ごろから血糖負債をためないような生活をおくれるよう、まずはここで紹介したこと1~2つ、出来ることからはじめてみましょう。
美味しく食べて実践!血糖負債対策レシピ
血糖負債の解消ポイントが分かったところで、実践かつ継続しなければ意味がありません。最後に、美味しく食べて実践できるレシピを2つご紹介します。
1.いわしとカラフル野菜のグリル
[画像6: https://prtimes.jp/i/18672/62/resize/d18672-62-995006089cf728620d5c-7.png ]
(カロリー:239kcal、調理時間20分)
ひとつは “野菜をたっぷり食べられるメインディッシュ” です。サラダ以外で野菜をとる方法として、メインとなるお肉やお魚と一緒にとる方法があります。どんな調理法でも相性が良い野菜の特徴を生かし、ぜひ色んなおかずに変身させてみてください。
【材料(2人分) 】
いわし(マイワシ) 大2尾
(A)
塩 小1/6
こしょう 少々
タイム(生) 2枝
にんにく 1かけ
トマト 1/4個
(B)
レモン汁 小2
オリーブ油 小1 1/2
塩 小1/5
こしょう 少々
バルサミコ 小1/2
パプリカ 1/2個
まいたけ 80g
ブロッコリー 60g
【作り方】
1)いわしは手開きにして中骨を除く。 背中央で2つに切り、Aの塩とこしょうを振る。
2)にんにくは薄切り、パプリカは乱切り、 まいたけとブロッコリーも小房に分ける。
3)トマトは種を除いて皮ごとすりおろし、Bの調味料を混ぜてソースを作る。
4)オーブントースターの天板にアルミ箔を敷き、いわしの皮目を上にして並べる。
タイムとにんにくをのせて7~8分焼く。あいているところに、2の野菜ときのこを置いてさらに4~5分焼く。
5)器にいわしと野菜、きのこを盛り合わせ、3のソースをかけ、レモンを添える。
2.ヨーグルトムース
[画像7: https://prtimes.jp/i/18672/62/resize/d18672-62-814ad81f8e03cc7a77c0-8.png ]
(カロリー:100kcal、調理時間:20分)
もうひとつは、今回の調査結果で明らかとなった身に着けてほしい習慣のひとつとしてあげられた「おやつの適正な付き合い方」の実践です。管理栄養士がオススメする“糖質の少ないおやつ”をご紹介します。
【材料(2人分) 】
粉ゼラチン 4g
水 大3
みかん(缶詰)4切れ
(A)
牛乳 1/2カップ
砂糖 小1
ヨーグルト(無糖)1/2カップ
(B)
卵白 1/4個分
砂糖 小1
バニラエッセンス 少々
【作り方】
1)粉ゼラチンは水に振り入れて混ぜ、 透明になるまでふやかす。
2)なべにAを入れて火にかけ、砂糖が 煮溶けたら火からおろして1を加えて 溶かす。ヨーグルトを加えて混ぜ、 あら熱をとる。
3)乾いたボウルにBの卵白を入れて泡立て、途中で砂糖を加えてかたく泡立てる。
2に加えてさっくりと混ぜ、バニラエッセンスを落としてさっと混ぜ、器に流して冷蔵庫で冷やし固める。
4)みかんをほぐし、ムースが固まったら上にのせる。
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<<調査の概要>>
【コロナ禍における生活実態調査(2020年8月実施)】
〇 調査の背景
新型コロナウイルス感染拡大による身体状態や健康行動の変化を把握するために調査を実施。
〇調査期間
2020年2月2日(日)~2020年7月11日(土)
※当該期間との差を比較するために、歩数、体重、体脂肪は2020年1月12日~2月1日のデータも利用。
〇対象者
当社が提供するAI健康アプリ「カロママ」「カロママ プラス」を利用する一部ユーザー
※歩数は、1月12日~7月11日までのデータがある方。(n=16,302人)
※体重と体脂肪率は、分析期間内に2回以上の入力データがある方。(n=13,232人)
【生活様式の変化で気をつけるべき血糖対策の調査(2021年5月実施)】
〇 調査の背景
リモートワークやステイホームなど新しい生活様式において、生活習慣のリスクについても関心が高いことから、管理栄養士を対象にアンケート調査を実施。
〇 アンケート期間
2021年5月18日(火)~5月25日(火)
〇対象者
糖尿病やメタボリックシンドロームの患者様に栄養指導を行っている管理栄養士(n=235)
■株式会社リンクアンドコミュニケーションの概要
リンクアンドコミュニケーションは、「社会の健康課題を解決し、世界の誰もが自然に健康になる世界を創る」をミッションとし、ICT×専門家ネットワークで「専門家がもっと身近にいて健康をサポートするシステムの構築」を目指しているヘルステック企業です。全国で約1万人の管理栄養士・栄養士のネットワークをもとに、食と健康、栄養分野のリーディングカンパニーとして、健康アドバイス事業、健康情報の発信事業に取り組んでいます。
所在地 : 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1 新紀尾井町ビル5階
設立 : 2002年7月25日
資本金 : 7億8720万円
代表者 : 代表取締役社長 渡辺 敏成
URL : https://www.linkncom.co.jp/
<提供サービス>
・企業・健保・自治体・スポーツクラブ向け健康アドバイスアプリ「カロママ プラス」
・一般向け健康アドバイスアプリ「カロママ」
・健康医療ニュースを専門家が解説するレビューサイト「HEALTH NUDGE」
http://healthnudge.jp
・管理栄養士・栄養士向けのポータルサイト「かわるPro」
http://kawaru.biz/
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