フィリピンで小水力発電に着手
PR TIMES / 2021年11月8日 16時45分
~持続可能なエネルギーで経済成長を支える~
シン・エナジー株式会社(兵庫県神戸市、代表取締役社長:乾正博、以下当社)は、このたびフィリピン国ルソン島イフガオ州で発電出力560kWの小水力発電所の建設に着手いたしました。本発電所は2023年7月に運転開始予定です。
■事業の目的
フィリピンは年々経済成長と共に人口が増加しており、電力需要が逼迫し、一部地域では計画停電が実施されるといった電力不足に悩まされています。また、7,000以上の島からなるため、送電や配電設備に多額の費用がかかり、電気料金の高額化も課題となっています。同国のエネルギー省は、安定的にエネルギー源を調達する観点から、輸入によって調達する化石燃料の依存ではなく、再生可能エネルギーへの転換を目指し2040年までに全電源に占める再生可能エネルギーの比率を55.8%にする目標を掲げ、積極的な持続可能な再生可能エネルギーの導入を推進しています。
本事業の実施により、既設水力発電所(発電出力1,020kW)と併せて、イフガオ州内の年間電気需要の約70%を賄うことが可能となり、州内の電力供給の安定化と電力の自給率の向上に貢献できることになります。州内の電力供給の安定化は、電気料金の引き下げや地域経済の活性化を促します。特に、イフガオ州は世界遺産の棚田郡で有名であり、国内外の観光客も多いため、観光業の振興が期待されています。
また、発電所の運転・維持管理は、建設期間中に地元住民に対してノウハウ継承のための研修を行い、その中から発電所運転要員を採用する予定です。
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■参画理由
当社は、これまで日本国内での水力発電事業の推進やイフガオ州の既設水力発電所2カ所のプロジェクトマネージャーとして従事した技術者を有しています。本プロジェクトは、イフガオ州の配電会社であるIFELCO(Ifugao Electric Cooperative)、地元の建設会社のAlfalfa Construction Inc.と当社で共同出資し、新たな事業会社としてFIRECO(First Ifugao Renewable Energy Corporation)を設立し、本発電所の発電所の建設、維持管理を行います。出資比率は過半数を地元企業が出資することにより、地域主導の意思決定を可能にします。発電した電力は固定価格買取制度(FIT制度)を利用し、国営送電公社TRANSCOへ全量売電する予定です。
当社は、「水力資源は地域固有の資源である」という開発理念のもと、地域のための「地域貢献型開発」として水力開発を推進していまいりました。本事業は当社にとって初めての海外での取り組みとなり、当社の新たな海外水力事業の第一歩と位置付けております。当社はこれからも、脱炭素化社会実現に向けて地産地消の再生可能エネルギーの開発に取り組んでまいります。
■発電所概要
発電所名:リクッド2水力発電所
発電事業者:FIRECO(First Ifugao Renewable Energy Corporation)
所在地:フィリピン国コルディリラ自治区イフガオ州アシプロ郡
河川名:ラムット川
有効落差:29.5m
最大使用水量:2.20m3/s
最大発電出力:560kW
発電方式:流れ込み式・水路式
年間売電量:約3,769MWh
発電設備メーカー:Vaptech社(ブルガリア)
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