博報堂DYホールディングスと美団の広告部門Solid Bit、中国から日本へのインバウンド予報調査を共同実施中国人生活者の3か月後の訪日意欲を表す「インバウンド予報指数」を算出。
PR TIMES / 2023年5月29日 17時45分
~6月のインバウンド予報指数は81.1点、訪日目的は“買い物”よりも “体験重視”~
株式会社博報堂DYホールディングス (東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)の研究開発部門マーケティング・テクノロジー・センター(以下 MTC)と、中華人民共和国(以下 中国)のライフサービスオンライン検索プラットフォーム「美団」の広告部門Solid Bitは、中国における「インバウンド予報調査」を共同で実施しました。
中国からの渡航者に対する水際対策が4月に緩和され、本格的な受け入れ再開に向けた動きが始まっています。2019年には、訪日外国人3188万人の3割にあたる960万人が中国から日本へ訪れており、訪日インバウンド本格回復の鍵を握っている中国人生活者の訪日意欲や訪日意識などの実態を把握することが急務です。
今回の「インバウンド予報調査」は、MTCと「美団」の広告部門Solid Bitの共同研究第一弾として、美団が保有する生活情報プラットフォーム「大衆点評」のビッグデータを活用し調査を実施しました。本調査では、中国人生活者の3か月後の訪日意欲を表す「インバウンド予報指数」の算出や、訪日目的・訪日意識に着目し、今後の中国生活者訪日インバウンド関連ビジネスの攻略の糸口を探りました。
<調査結果のポイント>
●6月のインバウンド予報指数は、81.1点。訪日4回以上の層が牽引
中国人生活者の訪日意欲について、社会環境や実現可能性を考慮せず、調査時点から3か月後の気持ちを端的に表す指標を「インバウンド予報指数」とし調査しました。6月のインバウンド予報指数は81.1点(23年3月に調査)で3月のインバウンド予報指数82.1点(22年11月に調査)と比較してもほぼ横ばいで、継続して訪日意欲があることが分かりました。特に訪日4回以上の層では93.2点と他の層に比べて高く、中国人生活者の訪日意欲の強さがうかがえます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/36543/67/resize/d36543-67-90b090acfaa12e74bedc-1.png ]
●訪日目的は、「買い物」よりも「大衆料理を楽しむ」「四季の体感」「温泉入浴」などの“体験重視”を求める傾向に
●訪日意識は、「行ったことのないところを探検」「いろんな体験を楽しむ」など好奇心旺盛な結果に。一方で訪日中の体験設計において工夫の余地あり
●訪日意向の高まりに影響を与えるものは、「日本のコンテンツを楽しむ」「リアル店舗で日本関連商品を購入」。訪日意欲の醸成に寄与
●訪日意欲のある中国人生活者向けの情報発信に際し、「充実系欲求」や「安心系欲求」の捕捉が重要
今後もMTCは「インバウンド予報調査」を定期的におこない、インバウンド事業・中国現地でのビジネスに参入を検討している日本企業・団体に向けた、日中クロスボーダー全域におけるフルファネル型マーケティングを進めてまいります。
<1回目調査概要:3月インバウンド予報調査>
・調査対象都市:北京、上海、広州、深セン
・調査対象者:20歳~49歳までの男女
※2019年~2020年の間、生活情報プラットフォーム「大衆点評」を海外渡航中に利用した人
・サンプル数:合計569人
・調査期間:2022年10月27日~11月10日
・調査手法:ミニプログラムによるインターネット調査
・調査機関:北京雲捷亮数科技有限公司
<2回目調査概要:6月インバウンド予報調査>
・調査対象都市:北京、上海、広州、深セン
・調査対象者:20歳~49歳までの男女
※2017年~2023年の間、生活情報プラットフォーム「大衆点評」を海外渡航中に利用した人
・サンプル数:合計435人
・調査期間:2023年2月20日~3月12日
・調査手法:ミニプログラムによるインターネット調査
・調査機関:北京雲捷亮数科技有限公司
<調査結果の詳細>
●訪日目的は、「買い物」よりも「大衆料理を楽しむ」「四季の体感」「温泉入浴」などの“体験重視”を求める傾向に
今後の訪日目的を調査したところ、「大衆料理を楽しむ78.4%」、「四季の体感77.5%」、「温泉入浴77.2%」、「自然・景勝地の観光74.5%」、「高級レストランを体験する72.9%」、「旅館に宿泊72.6%」が「買い物67.4%」を上回った結果になりました。中国人生活者は「買い物」よりもさまざまな体験を求めて訪日することが予想されます。
Q. 今後、訪日旅行の際に何をしたいですか。(複数回答)
[画像2: https://prtimes.jp/i/36543/67/resize/d36543-67-ab692040896ce6142f8b-6.png ]
●訪日意識は、「行ったことのないところを探検」「いろんな体験を楽しむ」など好奇心旺盛な結果に。一方で訪日中の体験設計において工夫の余地あり
今後の訪日意識において、対となる2項目のどちらをより重視するかを調査したところ、「行ったことのあるところを再訪32.6%」に対し「行ったのことないところを探検67.4 %」、「ショッピングを楽しむ39.1%」に対し「いろんな体験を楽しむ60.9%」と中国人生活者の好奇心旺盛な訪日意識が明らかとなりました。その一方で、「滞在中に思う存分楽しむ87.8%」に対し「帰国後も余韻を楽しむ12.2%」、と訪日後も楽しめるような体験設計にまだ工夫の余地があると考えられます。
Q. 今後、訪日旅行の際に、下記の項目について、あなたの気持ちに最も近いものをそれぞれ一つずつお答えください。(それぞれ単一回答)
※2回目調査の結果のみをグラフ上に表示[中田1] 。
※Aは、「かなりAを重視する」「Aを重視する」「どちらかといえばAを重視する」の合計。
Bは、「かなりBを重視する」「Bを重視する」「どちらかといえばBを重視する」の合計。
[画像3: https://prtimes.jp/i/36543/67/resize/d36543-67-69a16df1faa5972d4309-3.png ]
●訪日前の中国国内での日本に関連する活動は、「リアル店舗で日本関連商品を購入」「日本のコンテンツを楽しむ」が高く、訪日意欲の醸成に寄与
次の訪日前に中国国内で実施した日本に関連する活動を調査したところ、「日本のテレビ番組、映画、アニメ、音楽、ゲーム、書籍等を楽しむ60.5%」、「日系ブランドの商品、日本産の食品や飲料等をリアル店舗で購入する51.7%」、「日本食、日本の酒を体験する49.2%」、「訪日旅行に関する情報を収集する38.4%」、が訪日意欲の醸成に寄与していることがわかりました。
Q. あなたが中国国内で実施した日本に関連する活動のうち、訪日意向の高まりに影響を与えるものは何ですか。あてはまるものはいくつでもお選びください。(複数回答)
[画像4: https://prtimes.jp/i/36543/67/resize/d36543-67-541cfe07d5a3b064304d-6.png ]
●訪日意欲のある中国人生活者向けの情報発信に際し、「充実系欲求」や「安心系欲求」の捕捉は重要
本調査では、博報堂行動デザイン研究所が定義した次世代型行動デザインモデル「PIX ループ(TM)」*という概念を用いて訪日中に満たしたい欲求についても探りました。「12欲求」のうち、五感や感覚的なものを含めて「物事をもっと楽しみたい」という「愉楽欲」が74.0%と最も高く、2番目に「簡単・便利で効率的な暮らしがしたい」という「簡便欲」(72.4%)、3番目に「自分なりの目標に到達したい」という「達成欲」(66.0%)、4番目に「危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい」という「安全欲」(63.0%)、5番目に「失敗や損失を避けたい」という「損失回避欲」(61.6%)、「未知なるものを知りたい・出会いたい」という「発見欲」(61.6%)が見られました。訪日意欲のある中国人生活者向けの情報発信に際して、自己完結によって満たされる、これらの欲求(充実系欲求、安心系欲求)を捕捉することは特に重要と考えます。
Q. あなたが今後訪日の際における意識や行動について、以下の項目ごとにあてはまるものを1つずつ
お選びください。(それぞれ単一回答)
※本質問は2回目の調査より導入。
※12欲求の数値はそれぞれの項目に対する「非常にそう思う」「かなりそう思う」の回答の合計値を使用。
[画像5: https://prtimes.jp/i/36543/67/resize/d36543-67-ebed5232679e640b8c76-5.png ]
※ PIX ループ(TM):博報堂行動デザイン研究所は、“いまどき”の生活者は“情報行動”と“消費行動”を明確に区別しておらず、『Pool (情報を引き寄せ貯めておく)』⇒『Ignite (気持ちに火が点く)』⇒『eXpand (体験をやってみて情報圏を拡げる)』という行動をループさせながら自己充足を図っていることを発見、次世代型行動デザインモデル「PIX ループ(TM)」を開発しました。「12欲求」とは、4つの群に分けられた、a.安心系欲求(簡便欲・安全欲・損失回避欲)、b.同調系欲求(一体欲・追従欲・容認欲)、c.優越系欲求(独占欲・競争欲・顕示欲)、d.充実系欲(発見欲・達成欲・愉快欲)です。
https://www.hakuhodo.co.jp/activation-design/
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