第58回CBCクラブ文化賞(くちなし章)に生川久次さんを選出
PR TIMES / 2017年1月19日 11時9分
中日劇場の開場に携わり、昭和41年のこけら落とし公演から現在に至るまで50余年にわたり、グラッフィックデザインの分野で活躍している生川久次さんに、第58回CBCクラブ文化賞を贈呈する事になった。
[画像: https://prtimes.jp/i/15357/69/resize/d15357-69-186765-0.jpg ]
東海地方において一芸一能に徹して、社会的に貴重な存在となっている人を表彰する、CBCクラブ文化賞(くちなし章)の95人目の受賞者にグラッフィックデザイン(舞台宣伝美術)の生川久次(なるかわ・ひさつぐ)さん(82)を選出しました。
生川さんは大学卒業後、中日新聞社に入社。中日劇場の開場準備等に携わり、昭和41年5月の柿落し公演「中京五流舞踊公演」を皮切りに、50余年にわたり、主に舞台関係の宣伝美術を担当。まだ宣伝美術と言う仕事が確立されていない時代に独学・試行錯誤によりその手法・技法を習得し、全国の商業劇場の中で、いち早くコンピューターを使って制作を行うなど業界を牽引してこられました。
現在も多くの仕事に取り組む一方で、後進の指導にもあたるなど、この地方の芸術・文化の下支えを行い、その振興に大きく貢献したとして、今回「CBCクラブ文化賞」を贈呈する事になりました。
贈呈式は来月3日(金)名古屋銀行協会内のホテルオークラレストランにて行われます。
【生川久次さん 略歴】
昭和 9年 三重県鈴鹿市生まれ
昭和31年 早稲田大学法学部卒、中日新聞社入社、東京支社総務局等勤務。
昭和37年 名古屋本社事業部に異動。中日劇場の開場準備等に携わる。
昭和41年 中日劇場柿落し(5月1日)「中京五流舞踊公演」を皮切りに主に舞台関係の宣伝美術を担当。
平成 6年 定年を迎えるが、嘱託として引き続き同じ仕事に携わる。
平成25年 退職。その後もフリーで宣伝美術の仕事を継続。
平成29年 82歳になる現在も、依頼される多くの仕事に取り組む一方、後進の指導にもあたっている。
【これまでの業績】
「中京五流舞踊公演」、「長寿の會(西川長寿)公演」、「NHK名古屋青少年交響楽団公演」、「名古屋市文化振興事業団自主公演」、「民謡・川崎会公演」、「演劇 劇座公演 やっとかめ探偵団」、「坂東玉三郎写真集 ひかりの中で」、「古川為三郎自伝」、「説教師 祖父江省念 自伝」など多数。
【授賞理由】
宣伝美術は、チラシ、ポスター、パンフレットなどでその公演のコンセプトを分かりやすく示し、多くの人に広く周知されることが求められ、公演の成功不成功を大きく左右する。まさに目立たない裏方でありながら、大変重要な仕事。
特に舞台関係の宣伝美術という仕事がまだ確立されていない時代に、この地方の先駆けとして多くの制作に携わり、独学・試行錯誤によりその手法・技術を習得。また全国の商業劇場の中で、いち早くコンピューターを使って制作を行うなど業界を牽引。
以来、宣伝美術一筋に現在に至るまでの50余年間、この地方の芸術文化の下支えを行い、その振興に貢献した。
【CBCクラブ文化賞(くちなし章)について】
CBCクラブ文化賞、通称「くちなし章」と親しまれているこの賞は、功成り名を遂げた方に贈るのではなく、この地方にあって、一業、一芸に黙々と従事し、人知れずこの地方の文化の発展に貢献している方を発掘し、顕彰するというところに特色があり、他の文化賞とは一線を画すユニークな賞として評価を得ています。
CBCクラブ文化賞は、CBCクラブ(下記参照)が創設されてから3年後の昭和35年(1960年)に制定されました。当時の資料を紐解くと、賞の趣旨を次のように書いています。
「世の中にはすぐれた腕をもっていたり、社会的に意義のある仕事をしていながら、一向に報いられず、また報いられようともせず、黙々と自分の使命を、さも当然のように果たしている人がある。そういう人を探し出して顕彰する」
「ご褒美は、文化勲章より少々シャレていて、粋で、一杯機嫌のときは首に掛けてみたくなる『章』と、副賞として賞金をもらっていただくことにする」とあり、社会的な意義は勿論ですが、より楽しい表彰をと考えていたようです。
くちなし章=口にだして大仰に伝えられなくとも、その一芸一能の芳しい香色は世の中の認められるところとなるという意味合いが、くちなしという花のもつ意味合いと合致し、CBCクラブ文化賞の象徴として選ばれ、徽章を贈ることとなりました。
なお、章は当時の院展院友の野村ショウ(公の下に木)韵画伯がクチナシの花と実を図案化したものを七宝で製作したものです。
【CBCクラブとは】
CBCクラブは、昭和25年に会社を創立した中部日本放送が「文化の発展と向上に寄与することが放送の使命」という企業姿勢に基づき、昭和32年に東海地方在住の芸術・文化・学術の分野を代表する145人で創設しました。
発足メンバーとして、後に人間国宝指定の栄誉に続いて文化勲章を受章する荒川豊蔵氏(陶芸)や名古屋初の芸術院会員に選出される鬼頭鍋三郎氏(洋画)、そして愛知県文化会館館長で徳川美術館初代館長の徳川義親氏といった方々がCBCクラブ会員として名を連ねていました。
平成29年1月1日現在、CBCクラブの会員数は290人。CBCクラブ文化賞選考以外の主な活動は、「チャリティ美術工芸展」などのチャリティ活動、「CBCこども絵画展」「CBC翔け!二十歳の記憶展(はばたけはたちのきおくてん)」(美術大学の学生を対象にした美術展)等開催による若手アーティスト育成支援、芸術・文化交流のための例会開催、地域の文化人を紹介するラジオ番組「文化・楽楽」の放送などで、これらの活動を通して地域貢献活動を行っています。
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