Receptとサイバートラスト、eシールを活用してVerifiable Credentials(デジタル証明書)の信頼性向上を実証
PR TIMES / 2024年11月22日 11時0分
~ Recept 「proovy」とサイバートラスト「iTrust eシール用証明書」のサービス連携により、Verifiable Credentials 発行元の実在性と真正性を証明可能に ~
株式会社Recept(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:中瀬 将健 以下、Recept)とサイバートラスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北村 裕司 以下、サイバートラスト)は、Receptが提供する分散型ID/デジタル証明書(DID※1 /VC※2 )技術基盤「proovy」と、サイバートラストが提供する「iTrust eシール用証明書」を活用した実証実験を実施いたしました。本実証実験では、VCの発行者の実在性や真正性を保証して、VCを活用するエコシステム全体のセキュリティと信頼性を向上させるスキームを検証しました。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/86813/74/86813-74-b7c7ad3c09560778b0d92184a6fa9e4f-600x200.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
背景
DID/VC技術は、その使いやすさや高い信頼性から、教育機関や公的機関、金融、医療など多様なシーンで注目されています。これらの技術は、デジタルアイデンティティの管理や資格情報の検証を効率化し、今後の普及が見込まれています。しかし、VC発行者の実在性や真正性(発行者が本物であること、架空の組織や偽物ではないこと)を保証することが課題となっています。不正なVCが発行され、VCの受取人がそれを見抜けない場合、エコシステム全体の信頼性が損なわれるリスクがあります。これに対処するため、VC発行の信頼性を担保するシステム構築が求められていました。
実証実験の目的
本実証実験では、VC発行の透明性や信頼性を強化することを目的とし、サイバートラストが提供する「iTrust eシール用証明書」によるVC発行者認証を行い、Recept 「proovy」において VC への eシール(発行証明)の付与とeシール用証明書の格納を実現しました。
eシールは、電子データを発行する組織の身元を証明し、データの非改ざんを確認できるデジタル署名技術の一つです。サイバートラストの iTrust eシール用証明書は、Adobe社認定トラストリスト(AATL)※3 やMicrosoftルート証明書プログラムに登録されたパブリックルート認証局下に、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)※4 のトラステッド・サービス登録 ※5 (認証局)を取得した認証局から発行されます。サイバートラストが厳格に審査した組織のみに提供されるため、VCの発行元である組織の実在性や真正性をパブリックに証明することができます。
今後について
今後も、Recept とサイバートラストは、それぞれの強みを活かしDID/VCエコシステムをより使いやすく、実用性や信頼性をさらに向上させる取り組みを継続してまいります。具体的には、有効期間管理や鍵・eシール用証明書の更新の運用、ブロックチェーンやゼロ知識証明※6 、タイムスタンプなどを用いた VCの永続性の検討など、さまざまな利用シーンに寄り添ったソリューションを開発してまいります。
使用された製品について「proovy」について
Receptが提供する「proovy」は、DID/VCを活用したデジタル証明書の発行・管理を行う技術基盤です。企業や団体向けにVCの発行・検証基盤を提供するとともに、ユーザーがVCを管理できるデジタルウォレットアプリも展開しています。「proovy」は、EBSI(European Blockchain Services Infrastructure)の国際認証をアジアで二番目に取得しており、教育機関や資格発行団体などに公式アプリとして導入されています。
●関連Webサイト:https://proovy.jp
「iTrust eシール用証明書」について
iTrust e シール用証明書は、サイバートラストが厳格に審査した組織のみに向けて発行する「eシール用電子証明書」を活用し、組織が発行した電子データに e シールを付与することで、発行元の証明と改ざん対策が可能で、電子データに高い信頼性と真正性を確保することができます。
●関連Webサイト:https://www.cybertrust.co.jp/signature-certificate
※1 DID (Decentralized Identifier) とは、分散型デジタルIDを実現するための識別子。デジタルIDによって、ユーザーは自身のアイデンティティをデジタル空間で安全かつ主体的に管理することができる。関連する資格情報は、自らが管理するデジタルウォレットに保管され、選択的な情報開示が可能となる。ユーザー中心の分散型管理により、組織や国境を越えたデジタルIDの相互運用性が向上し、より柔軟で安全なデジタルアイデンティティエコシステムの実現が期待されている。
※2 VC(Verifiable Credentials)とは:検証可能なデジタル証明書。個人が自分の資格情報などを安全に管理し、提示先に必要な情報のみを選択的に提示することも可能。受け手はその真偽を簡単に検証でき、デジタル環境での安全な身分証明などが実現される。
※3 AATLとは:「Adobe Approved Trust List」として、Adobe社が求める要件をクリアした電子認証局のリスト。AATLに登録されたパブリックな電子認証局から発行されるデジタル署名用の電子証明書により、法人(組織)名、住所、署名者の肩書(または所属部署)、署名者の氏名について電子署名の有効性を検証でき、 本人が署名し改ざんされていないことの確認が可能。
※4 JIPDECとは:安心安全な情報利活用環境の構築を目的に、プライバシーマーク制度の運営、電子証明書を発行する認証局等の信頼性を評価するトラストサービス評価事業、情報の保護と活用に関する調査研究・政策提言、電子署名法に基づく特定認証業務の調査、ISMS等情報マネジメントシステムの普及啓発などを行う団体。
※5 JIPDEC トラステッド・サービス登録(認証局)とは:インターネット上のサービスを第三者機関である JIPDEC が安全なサービスであることを確認し、信頼性(トラスト)を担保する仕組み。
※6 ゼロ知識証明とは:ゼロ知識証明は、証明者と検証者と呼ばれる二者の間で行われる暗号プロトコルで、その情報の真実性を証明しながら、詳細情報を公開せずに正確性を証明する手法。
参考情報(補足資料)
本実証実験では、e シールの導入において、以下の三つの内容を中心に検証を行いました。
1. VC 発行者への e シール用証明書の発行
2. VC 内に e シール用証明書を格納するためのベストプラクティスの調査・検証
3. eシールが付与されたVCの発行
本実証実験の参考情報(補足資料)はこちら
会社情報Receptについて
Receptは2023年に創業し、デジタルアイデンティティ管理の先端技術「DID/VC」を専門に取り扱っております。DID/VCはデジタル証明書におけるスタンダード技術となりつつあり、欧米を中心に広く活用が進んでいます。日本でもコロナワクチンの接種証明書やマイナンバーカード機能のスマートフォン搭載で活用されており、今後の普及が見込まれます。
当社はヨーロッパで制定された国際標準規格に準拠した技術基盤を開発しており、この基盤を他事業者が保有するアセットとかけ合わせ、より便利で安全なデジタル社会を生み出します。
サイバートラスト株式会社について
サイバートラストは、日本初の商用電子認証局として25年以上にわたり提供している認証・セキュリティサービスと、ミラクル・リナックスのカーネル技術やオープンソースソフトウェア(OSS)の知見を応用したオンプレミス、クラウド、組込み領域向けのLinux/OSSサービスを展開しています。また、これらの技術や実績を組み合わせ、IoTをはじめとする先端分野に向けて、「ヒト・モノ・コト」の正しさを証明し、お客様のサービスの信頼性を支えるサービスを推進しています。
「すべてのヒト、モノ、コトに信頼を」。サイバートラストは、ITインフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現します。
* 本プレスリリースに記載されている会社名、製品名、サービス名は、当社または各社、各団体の商標もしくは登録商標です。
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