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次世代集光型太陽熱システムの開発を手掛ける豪州スタートアップ企業への出資について

PR TIMES / 2024年11月27日 13時30分

~世界の産業用熱需要の脱炭素化に貢献~

 大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原 正隆)は、このほど、次世代集光型太陽熱(CST:concentrated solar thermal)システムの開発を手掛ける豪州のスタートアップ企業FPR Energy Limited(以下「FPR Energy社」)に出資しました。今後、本システムの商業化に向けた取り組みを共に推進し、産業用熱需要の脱炭素化への貢献を目指します。



 現在、世界では120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」の実現を目標に掲げており、これに向けては産業用熱需要の脱炭素化が重要となります。
 集光型太陽熱システムは、太陽光エネルギーを集約して熱として蓄える熱媒体を用い、太陽光を効率よく熱エネルギーに変換して貯蔵・供給する次世代のクリーンエネルギー技術として開発が進められており、得られる蒸気は産業分野などで利用することが可能です。太陽光を熱エネルギーとして貯蔵することで、変動性が高い再生可能エネルギーをより安定・安価に供給することが実現します。しかしながら、既存技術では、天候不順時に熱媒体を天然ガスで加温することが必要であったり、配管・タンクを腐食させたりするなど、運転面で大きな課題があり、コストも高止まりしていました。

 FPR Energy社は、豪州を代表する科学研究機関であるオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で開発された次世代集光型太陽熱技術の社会実装を目指すスタートアップとして、2023年に設立されました。
 同社のシステムでは、熱媒体として化学的に安定なセラミック粒子を活用し、さらに独自に開発したレシーバー、熱交換器などを採用しています。これにより、既存技術と比べて高温(最高1,200℃)の熱供給が可能となるとともに、コストや熱交換効率、運転管理の面でも優位性があります。
 既にFPR Energy社は、1MWt*1規模での実証を完了しており、今後、2026年内をめどに、商業化規模である50MWtへのスケールアップに向けた技術開発や運転システムの最適化を進める予定です。
 その後、豪州をはじめ、太陽光が豊富な北米・南米・中東などにおいて、50MWt規模での事業化や、将来的にはその数倍およびそれ以上の規模での社会実装を視野に入れています。大規模な高温蒸気を供給することで、従来脱炭素化が難しかった産業用熱需要の脱炭素化に貢献したいと考えています。
 また、当社グループが知見を有する高効率で環境負荷の低いガスコージェネレーションやガスボイラーと組み合わせることで、エネルギーの供給安定性をさらに高めます。

 Daigasグループは、2021年1月に発表した「カーボンニュートラルビジョン」や2023年3月に発表した「エネルギートランジション2030」のもと、脱炭素社会に貢献する技術・サービスの開発に取り組み、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの"さらなる進化"のお役に立つ企業グループを目指してまいります。

*1:MWtはMegawatt thermalの略で、毎時3,600MJの熱エネルギーを回収・貯蔵する容量を表しているもの

1.次世代集光型太陽熱システムの概要について
・本システムは、下記で構成される(【】内は下図の番号と対応)
 【1.】特殊な鏡(ヘリオスタット)で太陽光を一か所に反射(集光)
 【2.】レシーバーで太陽光を受け、粒子(熱媒体)を加熱
 【3.】貯蔵箱で高温粒子を貯める
 【4.】熱交換器で高温粒子により水を高温蒸気等に変換
 【5.→2.】熱交換器で冷やされた粒子はレシーバーに移し、装置内で粒子を循環
・1MWtの実証機において850℃まで実証済であり、1,200℃まで対応可能と見込む

■1MWtの実証機の外観とシステムの概要(FPR Energy社提供)
[画像1: https://prtimes.jp/i/139670/75/resize/d139670-75-128fa8bb3f3e8fa5f83e-3.png ]


2.会社概要
[画像2: https://prtimes.jp/i/139670/75/resize/d139670-75-29d22b8a55c4834e83c6-3.jpg ]


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