直接トロンビン阻害剤ダビガトランエテキシラート(日本での製品名:プラザキサ(R))、ワルファリン群と比べて、致死的な頭蓋内出血および外傷性の頭蓋内出血の発現率を有意に低下
PR TIMES / 2012年5月23日 17時46分
2012年4月18日 ドイツ/インゲルハイム
直接トロンビン阻害剤ダビガトランエテキシラート(日本での製品名:プラザキサ(R))110 mg 1日2回投与群と150 mg 1日2回投与群では、良好にコントロールされたワルファリン群と比べて、致死的な頭蓋内出血および外傷性の頭蓋内出血の発現率のいずれも有意に低下したことが、18,113人を対象とした大規模臨床試験RE-LY(R)の新たな解析結果により示されました1。
主要安全性評価項目の評価の一環として、試験期間中に153人の患者に発現した154件の頭蓋内出血が解析されました。この解析には、出血部位、発現率、リスク要因、関連する外傷、アウトカムが含まれました。この安全性解析の結果は先ごろ、Stroke: The Journal of the American Heart Associationオンライン版に発表されました。
なお、頭蓋内出血は抗凝固療法に共通した深刻な合併症であり、注意が必要となります。
RE-LY(R)試験で発現した154件の頭蓋内出血を新たに詳細に解析した結果、次のことが明らかになりました。
・ ダビガトランエテキシラート110 mg 1日2回投与群とダビガトランエテキシラート150 mg 1日2回投与群は、良好にコントロールされたワルファリン群と比べて致死的な頭蓋内出血イベントを有意に減少させた
(110 mg1日2回投与群:11件vs. 32件, P<0.001、150 mg1日2回投与群:13件 vs. 32件, P<0.001)1
・ ダビガトランエテキシラート110 mg 1日2回投与群と150 mg1日2回投与群はいずれも、良好にコントロールされたワルファリン群と比べて外傷性の頭蓋内出血イベントを有意に減少させた
(110 mg1日2回投与群:11件 vs. 24件 P<0.05, 150 mg1日2回投与群:11件vs. 24件、P<0.05)1
・ 頭蓋内出血が発現した際の予後は、全治療群で同様であった1
・ RE-LY試験で示されたダビガトランエテキシラート110 mg 1日2回投与群と150 mg1日2回投与群の頭蓋内出血イベントの発現率は過去のデータが示す抗血小板療法を受けた心房細動患者の発現率と同程度に低かった1,5
デュイスブルク-エッセン大学(ドイツ)神経内科教授兼学部長のハンス・クリストフ・ディーナー(Hans-Christoph Diener)は次のように述べています。「今回の新たな解析結果により、プラザキサ(R)110 mg1日2回投与群ならびに150 mg1日2回投与群のいずれもが、ワルファリン群と比べて頭蓋内出血において、より安全性の高いことが示されました。頭蓋内出血は医療専門家が抗凝固療法のリスク・ベネフィットを検討する際に重要なポイントになります」。
この解析から、RE-LY(R)試験で頭蓋内出血を発現した患者は概して高齢であり(平均年齢75歳[頭蓋内出血あり]vs. 71.5歳[頭蓋内出血なし]、P < 0.001)、脳卒中または一過性脳虚血発作の既往歴の頻度が高く(P = 0.001)、アスピリン併用使用の頻度が高く(P = 0.001)、推算されるクレアチニンクリアランスが低い(P < 0.001)ことが示されました1。頭蓋内出血を発現した患者に見られる前述の差異は、全治療群で一貫していました1。なお、RE-LY(R)試験の患者で、転倒の既往は頭蓋内出血の独立したリスク因子ではありませんでした1。
心房細動および脳卒中について
心房細動は最も一般的な不整脈であり7、40歳以上の約4人に1人が生涯に罹患します8。心房細動患者では血栓リスクが高く、これによって脳卒中リスクは5倍に上昇します8,9。世界各国で毎年、最大300万人が心房細動に起因する脳卒中を発症しますが10-13、心房細動に起因する脳卒中は重篤になる傾向があり、死亡率(20%)および後遺症発生率(60%)も高くなります14。心房細動に起因する脳卒中の多くは、適切な治療によって予防できます15。心房細動に起因する脳卒中のコストは、欧州全域の医療システムに大きな負荷となっています。心房細動に起因する脳卒中は、その他の脳卒中と比べて重篤になる傾向から、医療コストも大きくなります(年間直接医療費11,799ユーロ vs. 8,817ユーロ)16。
ダビガトランエテキシラート(日本での製品名プラザキサ(R))について
プラザキサ(R)は日本で、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果として2011年1月21日に承認され、同年3月14日に発売が開始されました。同様の適応症で、米国、欧州各国、カナダ、日本を含む世界50カ国以上で承認されています。
プラザキサ(R)は、直接トロンビン阻害剤として、血栓形成プロセスで中心的な役割を果たす酵素、トロンビン(遊離トロンビンならびにフィブリン結合トロンビン)の活性を直接かつ選択的に阻害することにより、抗凝固作用・抗血栓作用を発揮します。
医師が本剤を使用するにあたっては、必ず添付文書をご確認ください。なお、プラザキサ(R)に関する最新の情報は、弊社ホームページ(www.boehringer-ingelheim.co.jp)内の医療用医薬品基本情報サイトに掲載しています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と44,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
ベーリンガーインゲルハイムにとって、社会的責任を果たすことは、企業文化の最も重要な柱の一つです。事業を展開する世界の国々において、社会問題に取り組み、社員とその家族を思いやり、全社員に平等な機会を提供することが、 ベーリンガーインゲルハイムの基盤です。そして、尊重と誠実を重んじ、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて貢献することが、ベーリンガーインゲルハイムの本質であり使命です。
2011年度は132億ユーロ(約1兆4,624億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の23.5%相当額を研究開発に投資しました。
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約2,700人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。
日本ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。また、グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所を神戸に擁しています。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp
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