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アストロスケール、JAXAの商業デブリ除去実証フェーズIIの契約を獲得

PR TIMES / 2024年8月20日 18時45分

デブリへの接近や周回観測等に成功しているADRAS-Jミッションの知見も活かし、大型デブリの除去へ

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)はこの度、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)との間で、大型デブリ除去等の技術実証を目指し実施する商業デブリ除去実証(CRD2※1)のフェーズIIの契約を締結したことをお知らせいたします。なお、契約額は約130億円(税込)です。

CRD2は、JAXAの進めるデブリ除去プログラムを起点に新しい宇宙事業を開拓し、日本企業が新たな市場を獲得することを目指したプロジェクトであり、軌道上にある日本由来のロケット上段を対象に、二つのフェーズで大型デブリへの近傍接近と除去の実証を目指すものです。ロケット上段は長期間軌道上に存在していたため、現在の状態が分かる情報が少なく、かつ非協力物体※2です。フェーズIでは、このデブリへの接近、近傍制御を行い、デブリの運動や損傷・劣化が分かる画像データを取得しました。アストロスケールは2020年1月にCRD2のフェーズIの契約相手方として選定され、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」を開発、2024年2月よりミッションを実施しています。フェーズIIでは、フェーズIと同様にデブリへ接近、近傍制御し、さらなる画像データを取得するとともに、デブリ除去としてその捕獲や軌道離脱も行います。今後、捕獲機構であるロボットアームを含め、フェーズIIで運用するADRAS-J2(Active Debris Removal by Astroscale-Japan2 の略)の開発を進めてまいります。

フェーズIIにおいては、アストロスケールが現在運用中のADRAS-Jミッションの知見が幅広く活かされます。ADRAS-Jは実際のデブリに対して安全な接近を行い、近距離でデブリの状況を調査する世界初※3の試みです。具体的には、大型デブリ(日本のロケット上段:全長約11m、直径約4m、重量約3トン)への接近・近傍運用を実証し、デブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行っています。2024年2月22日にデブリへの接近を開始して以降、遠距離からの接近や、定点観測、周回観測などに成功しています。

これまでのADRAS-Jミッション運用実績
2月18日:Rocket LabのElectronロケットにより打上げ
2月22日:デブリへの接近を開始
4月9日:相対航法(AON※4)と近傍接近を開始
4月16日:相対航法(MMN※5)を開始
4月17日:デブリの後方数百mへの接近に成功
5月23日:デブリ後方約50mへ接近に成功
5月23日:定点観測(1回目)を実施・成功
6月17日:定点観測(2回目)を実施・成功
6月19日:周回観測(1回目)を実施。アボートにより衝突回避機能の有効性を実証
7月14日:デブリ後方約50mに到達、定点観測(3回目)を実施・成功
7月15日:周回観測(2回目)を実施・成功
7月16日:周回観測(3回目)を実施・成功

ADRAS-Jミッションページ: https://astroscale.com/ja/missions/adras-j/

※1 CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstrationの略称
※2 非協力物体:接近や捕獲・ドッキング等を実施されるための能力・機器を有さない物体のこと
※3 過去に同様のミッションが実施されたか否かを自社で調査(2024年6月)
※4 AON:Angles-Only Navigationの略称。デブリの方角情報を用いる相対航法
※5 MMN:Model Matching Navigationの略称。デブリの形や姿勢の情報を用いる相対航法

商業デブリ除去実証(CRD2)について
大型デブリ除去等の技術実証を目指す商業デブリ除去実証は、深刻化するデブリ問題を改善するデブリ除去技術の獲得と、日本企業の商業的活躍の後押しの二つを目的とする JAXAの新しい取り組みです。除去効果が大きい日本由来の大型デブリの除去を2段階で実施します。フェーズIIでは、フェーズIと同様にデブリへの接近、近傍制御を行い、更なる映像を取得。そしてデブリを捕獲、降下させ、デブリ除去技術の軌道上実証を行います。フェーズIに続き、JAXAから技術アドバイス・試験設備供用・研究成果知財提供を受けて実施します。
商業デブリ除去実証ウェブサイト:https://www.kenkai.jaxa.jp/crd2/project/

アストロスケール について
アストロスケールは、軌道上サービスの世界的リーダーとして、安全で持続可能な宇宙開発に取り組んでいます。当社は衛星の寿命延長、故障機や物体の観測・点検、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去、既存デブリの除去など、多様で革新的な軌道上サービスソリューションを提供します。2021年3月以降、アストロスケールはELSA-dやADRAS-Jのミッションにおいて軌道上でRPO技術を実証し、軌道上サービスのリーダーとしての地位を確立してきました。アストロスケールの宇宙機は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米国宇宙軍、欧州宇宙機関(ESA)、英国宇宙庁(UKSA)、Eutelsat OneWebとの先駆的なミッションに採用されています。宇宙機の定期的な点検、移動、除去、寿命延長のためにより多くの衛星運用者が軌道上サービスを導入し、循環型宇宙経済の可能性が広がり、より持続可能な宇宙の未来が開かれつつあります。本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、フランス、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。
アストロスケールウェブサイト:https://astroscale.com/ja/

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