眼科機器「OCT-HS100」でOCT Angiographyの利用が可能 造影剤を用いず最短約3秒の検査時間で網膜の血管形態を描出
PR TIMES / 2016年3月28日 13時22分
キヤノンは、光干渉断層計(※1)「OCT-HS100」(※2)を用いて、最短約3秒の検査時間で網膜の血流の状態を可視化し、血管形態を描出する画像処理技術OCT Angiography(アンジオグラフィ)のオプションソフトウエア(※3)を、2016年4月7日より発売します。
[画像1: http://prtimes.jp/i/13980/80/resize/d13980-80-798314-1.jpg ]
[画像2: http://prtimes.jp/i/13980/80/resize/d13980-80-684686-2.jpg ]
OCT Angiographyは、光干渉断層計で取得した網膜の断層画像から血流情報のみを抽出し、血管像を再構築することで眼底の血管形態を描出する画像処理技術です。眼底の血管の状態を観察するために必要としていた造影剤を使用しないため、アレルギー反応を引き起こすリスクを伴わずに、網膜や脈絡膜血管内の血流の状態を可視化できます。糖尿病網膜症や緑内障などの検査に有用になることが期待され、病院や眼科クリニックでの利用を想定しています。
■ 最短約3秒の短い検査時間で、目が動く被検者の血管画像も高精細に再現
毎秒約7万本の高速スキャンにより、最短約3秒の検査時間でOCT Angiographyの画像を取得できます。これにより、被検者の負担を軽くすることに加え、目が動くことによる画像への影響が軽減され、高精細な画像を得ることができます。また、わずか2クリックの簡単な操作で、自動で鮮明な画像を取得することが可能です。
■ 3D表示により網膜血管網の立体情報の把握が可能
縦分解能3μm(※4)の優れた解像度により、網膜血管網を高画質に3D表示できます。動静脈や毛細血管の走行の上下関係を鮮明に可視化することで、緑内障診断に必要な視神経乳頭内の毛細血管の評価や、加齢黄斑変性で見られる脈絡膜の新生血管の位置を特定するなど、眼底疾病の応用検査として活用されることが期待されます。
なお、4月7日から10日まで、仙台国際センターで開催される「第120回日本眼科学会総会」で併設する器械展示会のキヤノンブースにて、OCT Angiographyのデモを実施する予定です。
[表: http://prtimes.jp/data/corp/13980/table/80_1.jpg ]
※1 Optical Coherence Tomography(OCT)のことで、網膜の断面図を見ることができる眼科機器。
※2 医療機器認証番号:224ABBZX00055000
※3 「眼科ソフトウェアプラットフォーム RX」医療機器認証番号:227ABBZX00088000でもOCT Angiographyの画像を参照可能。
※4 1μm(マイクロメートル)は、100万分の1メートル(=1000分の1mm)。
* 国内市場では、キヤノンマーケティングジャパングループの医療事業の中核企業であるキヤノンライフケアソリューションズ株式会社が、主体となって販売します。
<症例画像>
[画像3: http://prtimes.jp/i/13980/80/resize/d13980-80-502564-3.jpg ]
[画像4: http://prtimes.jp/i/13980/80/resize/d13980-80-811787-4.jpg ]
<OCTと眼底カメラの市場動向>
先進諸国での失明原因の上位は、加齢黄斑変性、緑内障、糖尿病網膜症です。加齢黄斑変性と緑内障は、加齢とともに発症の可能性が高くなります。今後、老齢人口が増加する中で、これらの疾病の早期発見のために、OCTおよび眼底カメラを活用する機会はさらに増えるものと予想されます。
また、糖尿病患者についても、糖尿病が疑われる人の推計は国内だけでも約2,050万人(※)であり、糖尿病の合併症の一つである網膜症の検査において、眼底カメラとOCTがますます注目されています。
※ 厚生労働省『平成24年国民健康・栄養調査』33ページに記載の、「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計の合計数。
<OCTの用途>
眼科市場におけるOCT装置は、黄斑や視神経乳頭など網膜の断層を検査するもので、眼底および眼底断層像を観察・撮影・記録し、より質の高い診断をサポートします。OCTの登場により、これまで確認できなかった疾患の詳細まで判別できるようになり、現在では日常診療においても、診断・治療方針の決定など効果判定になくてはならないものになっています。
また、眼底とは、目の奥の網膜や血管などがある部位のことで、全身の中で唯一、直接血管を見ることができ、多岐にわたる眼科疾患の診断に役立っています。
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