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慶應義塾大学とのPHR活用による研究第二弾「PTPシートからの錠剤やカプセル剤の取り出しづらさに関する要因分析」がBritish Journal of Clinical Pharmacology掲載

PR TIMES / 2024年12月6日 14時15分



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/51375/81/51375-81-623b88777e6c0a0652bce1fd4b2addff-1920x401.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


健康な社会の実現を目指すシミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO 中村 和男)のグループ会社で、医療情報の電子化促進を目指すharmo株式会社(本社:東京都港区、代表取締役Co-CEO山東 崇紀、内上 昌裕、以下:harmo)は、慶應義塾大学薬学部 医薬品情報学講座(所在地:東京都港区、教授 堀 里子)との共同研究による論文「PTPシートからの錠剤やカプセル剤の取り出しづらさに関する要因分析」が、医学雑誌「British Journal of Clinical Pharmacology」に掲載されたことをお知らせします。

本研究では、harmoが展開する電子お薬手帳を基盤としたPHR(Personal Health Record:個人健康情報)サービス「harmo(ハルモ)おくすり手帳」を用いてデータを収集し、解析した結果、患者がPTP(Press-Through-Package)シートから薬を取り出しづらいと感じる要因を明らかにしました。本研究成果は、薬剤の包装の質を改善し、患者の服薬体験を向上させる一助になりえると考えられます。

なお、本論文は、harmoと慶應義塾大学薬学部 医薬品情報学講座による共同研究の一環であり、第一弾論文『「薬を大きくて飲みづらいと感じる」患者の予測モデル構築(論文掲載URL: https://www.jmir.org/2024/1/e54645 )』に続く第二弾です。

【研究概要】
研究の背景と目的
錠剤やカプセル剤などの包装として広く用いられるPTPシートは、高齢者や手や指に障害のある人々にとって、取り出すのが難しい場合があります。
本研究は、患者がPTPシートから薬を「取り出しづらい」と感じる要因を特定することを目的に実施しました。

方法
2023年3月23日~29日に、harmo利用者のうち過去90日以内に錠剤・カプセル剤のいずれかが処方されている20歳以上の男女51,175名を対象に、harmoのプラットフォームを利用して「薬の包装シートについてのアンケート」を行いました。研究への参加同意を得られた利用者から、PTPシートから取り出しづらいと感じる薬剤の有無および名称、手や指の状態に関する情報を収集し、匿名化を保持した状態でアンケート回答と回答ユーザーのPHR(調剤履歴等)を連結しました。連結した情報から、「取り出しづらい」と感じる薬剤の特定およびサイズ(下図)を調査し、PTPシートからの錠剤やカプセル剤の取り出しづらさに関する要因分析を行いました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/51375/81/51375-81-119a808e7a55fc2c3d18dd2ee7106bf6-1372x923.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



結果
1,143 名の有効回答が得られました。「飲んでいる薬で包装シートから押し出す時、取り出しづらいと感じる薬はありますか?」という質問に対し、「わからない」と回答した回答者(n = 83)を除外した1,060名のうち、319名(30.1%)が取り出しづらいと感じる薬剤が「ある」と回答しました。さらに、当てはまる薬剤の名称や特徴に対する回答(n=159)から、125種類の薬剤が「取り出しづらい」と特定されました。

多変量解析の結果、PTPシートから薬剤を取り出しづらいと感じる要因として「女性」、「手指に力が入りにくいこと」が抽出され、これらの要因を持つ患者に服用を容易にする措置やアドバイスの必要性を考慮すべきと考えられました。また、取り出しづらいと特定された薬剤の特徴として、「薬剤のサイズが小さいこと」「薬剤に対するPTPシートのポケットのサイズが小さいこと」「薬剤の形状が球形であること」が挙げられました。
本研究結果は、患者選好に基づく育薬(医薬品・製剤最適化)のためのエビデンスとして、取り出しやすい薬剤や包装の開発や、処方デザインへ生かすことを目指しています。


【論文情報】
(タイトル)Exploring the Factor Associated with Difficulties in extracting tablets or capsules from the Press-Through-Package (PTP) Sheet
(著者名)Masami Tsuchiya1, Shungo Imai1, Masaki Asano1, Yuri Shimizu1, Hayato Kizaki1, Yukiko Ito2, Makoto Tsuchiya2, Ryoko Kuriyama2, Nao Yoshida2, Masanori Shimada2, Takanori Sando2, Tomo Ishijima2, Satoko Hori1
1Division of Drug Informatics, Keio University; Faculty of Pharmacy and Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Tokyo, Japan
2 harmo Co.,Ltd, Tokyo, Japan
(雑誌)British Journal of Clinical Pharmacology
(DOI)10.1111/bcp.16355
論文掲載URL:https://bpspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/bcp.16355

【本共同研究について】
harmoと慶應義塾大学薬学部 医薬品情報学講座は共同研究契約を締結し、「電子お薬手帳を基盤としたPersonal Health Record (PHR)活用による治療最適化に関する研究」に取り組んでいます。本研究成果は共同研究の一環で実施したものです。
詳しくは共同研究Webサイトをご覧ください。
「PHRでつながる、育薬につなげる。」
https://harmo.keio-di.jp/

【慶應義塾大学薬学部 医薬品情報学講座について】
医薬品情報学講座では、情報学を基盤とした学際的なアプローチにより、医療や地域社会における諸課題の解決に取り組んでいます。特に、薬学的視座での疾患予防・治療の個別最適化と医療安全の推進を中心に据えています。リアルワールド(医療現場、地域や生活の場)における“情報”(= 医療・健康情報)の収集、 解析・評価、 検証(ラボワークも含む)、それらを通じた新規のエビデンス・システムの創出までを目指しています。
https://keio-di.jp/

【harmoについて】
harmo株式会社は、「harmoおくすり手帳」を基盤としたサービスを展開しています。「harmoおくすり手帳」は、個人やご家族が個々の医療・健康情報を活用可能にするスマホアプリケーションで、専用ICカードを合わせ約44万人の利用者を擁し(2024年1月現在)、全国2万軒以上の薬局で利用実績があります。また、川崎市・神戸市・豊中市・さいたま市・滋賀県などでは、地域の薬剤師会と協業し、地域住民の健康増進に資する活動を展開しています。
https://www.harmo.biz/

【シミックグループについて】
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器などの海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC(”Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,500人を超える従業員とグループ会社28社を擁しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
https://www.cmicgroup.com/

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