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1日1食の子どもも・・・ 学校給食のない長期休みに、困窮家庭で一層深刻化する食生活の実態とは? 【フードバンクを利用するひとり親家庭への調査】

PR TIMES / 2024年6月26日 17時45分

認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(本部:東京都大田区、会長:福井玲)は2017年より日本国内の子どもの貧困対策事業として、低所得のひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」を運営し、ひとり親家庭への食品配付を行っています。
今回、グッドごはんを利用するひとり親家庭を対象に、子どもの長期休み期間中における食生活について調査を実施しました。その結果、学校給食のある期間と比べ、1日2食以下の子どもの割合が長期休み期間中には約3倍へ増加するなど、十分な食事をとることが難しい状況に陥るひとり親家庭の実情が明らかとなりました。



アンケート概要
「ひとり親家庭の子どもの長期休み期間中における食事状況に関するアンケート」
実施日程:2024年3月1日~3月10日
対象者:「グッドごはん」の食品受取に申し込んだ首都圏・近畿・九州の利用者(ひとり親家庭の保護者)のうち、学校給食がある子どもをもつ保護者
※首都圏は主に東京・神奈川・埼玉・千葉 / 近畿は主に大阪・京都・兵庫・奈良 / 九州は主に佐賀・福岡
※利用者は、ひとり親家庭等医療費受給者証保有者に限る(ひとり親家庭等医療費受給者証とは、18歳未満の子どもを養育し、所得が限度額未満かつ生活保護を受けていないひとり親家庭等に交付される医療費助成制度の医療証)

回答方法:アンケート回答フォームへの入力(オンライン)

回答者数:2,158名(首都圏1,032名 / 近畿892名 / 九州234名)



●「子どもが1日2食以下」の割合 学校給食のない長期休みは約3倍に増加
調査対象者に「学校給食のある期間中における、子どもの1日の標準的な食事回数(学校給食を含む)」を尋ねたところ、「2回以下」と回答した人の割合(「1回」「2回」の選択率計)は12.7%でした。これに対し、「学校給食のない長期休み期間中における、子どもの1日の標準的な食事回数」ではその割合が3倍以上増え、42.9%が「2回以下」と回答しました。なお、「1回」と回答した人の割合に着目すると、学校給食のある期間と比較し、長期休み期間にはその割合が17倍以上にも増加することが明らかになりました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/5375/84/resize/d5375-84-319d3707ece6a9177fa3-3.jpg ]


学校給食のある期間と比べ、長期休み期間中に子どもの食事回数が減る理由として最もあてはまるものを質問したところ、「経済的に余裕がなく、家庭で十分な食事を用意することが難しいため」「時間に余裕がなく、家庭で十分な食事を用意することが難しいため」と回答した人の合計が6割近くに及ぶ結果となりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5375/84/resize/d5375-84-591f74430d25490327ca-3.jpg ]


回答者からは、アンケートの自由記述欄で下記のような声が上げられました。
「子どもたちに食べさせるため、自身は長期休み中は仕事中に食べる小さなおにぎり一つに留めています。子どもたちも1日一食の日が多くなり、お腹が空いて寝られないと言われる日も…子どもが死んでしまわないか、こわいです」


「子どもが食べ盛りのため、ただでさえギリギリで余裕の無い生活を日々送っているのに、長期休み期間中となるとより一層生活に余裕が無く時々心が折れそうになります。親の食費を抑える(我慢する)ことで何とかここまで持ちこたえていますが、病気になったり予定外の出費(家電が壊れるなど)が出たりしたらと思うと心配で余計辛くなります」


「長期休みでは、食事をいつも以上にとれないこともあります。私は1日1食に抑えて、子どもはせめて2食とれるようにしています。でも難しいこともあり、子どももお腹空いたと言うことも多く、辛いです」


「長期休み中はいつも以上にお金がかかるので十分な食事を作れない。いつも質素だがそれ以上に質素になる。我慢ばかりさせて申し訳なくなり自分の分も子供に食べさせている」




グッドネーバーズ・ジャパンが2024年2月にグッドごはん利用者へ行った収入状況に関するアンケート調査[1]では、回答者全体[2]の58%が世帯年収200万円未満[3]と低い所得で暮らしていることがわかりました。日頃から経済面で余裕のない生活を送っている中、学校給食がなく家庭での食費が増えやすい長期休みにおいて、親の食べる量を減らしてもなお子どもに十分な食事を用意することができず、一層困難な生活を余儀なくされる家庭がみられます。

[1]アンケート調査概要
「ひとり親世帯の収入に関するアンケート」
・実施日程:2024年2月2日~2月18日
・対象者:グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンク事業「グッドごはん」の利用者
・回答方法:アンケート回答フォームへの入力(オンライン)
アンケート調査結果プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000005375.html
[2]有効回答数:2207名
[3]各種社会手当・養育費・同居家族の収入含む


●魚や野菜が買えず・・・栄養が偏ることへの不安
「子どもの長期休み期間中の食生活において、子どもや保護者自身が困った経験や不安に思うこと」について、自由記述で回答を得ました(回答数:845名)。テキストマイニングにより分析を行ったところ、「栄養バランス」が回答の中で頻出する単語として抽出されました[4]。
[画像3: https://prtimes.jp/i/5375/84/resize/d5375-84-133925142ee8dc8f04f6-2.jpg ]


さらに、子どもの長期休み期間中、学校給食のある期間と比べて食べる量が大幅に減るものを質問した結果、「魚」「野菜」が比較的高い割合で選択されました(複数回答)。
[画像4: https://prtimes.jp/i/5375/84/resize/d5375-84-013cf958f47dcbe65f68-3.jpg ]

子どもの長期休みに食費がかさむ中、値段の安さを優先せざるを得ず、栄養バランスの整った食事を用意できない家庭は少なくありません。回答者からは、下記のような声が寄せられました。

「値段の事を考えてしまうとお米でお腹一杯にしてもらうしか出来ず、栄養のバランスは二の次になります。長期休みの時は家で食べる分、親は1食抜きその分を子供に回しています」


「給食は栄養バランスのとれた食事なので同じようなものは家では難しい。魚や肉(とくに魚)は高いので食べさせてあげられない」


「米でお腹を膨らませて、肉、魚、野菜、乳製品、卵は激減する。給食で栄養バランスをとっているので、急激に炭水化物のみになってしまう」


「子どもが体調を崩さないよう、必ず毎食とるよう言っています。その分自分の食事量とおかずを減らし子どもに回します。給食のようにバランスの良い食事を作ることより、コスパ重視です。お腹さえ満たせれば良いという状況です」


「学校の給食の様に栄養やバランスを考えた食事を毎食出してあげることが出来ず、炭水化物多めの食事になってしまい、便秘気味にさせてしまうことが多々あり、申し訳ない」




[4]ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析( https://textmining.userlocal.jp/


●すべての子どもに十分な食事を
厚生労働省によると、「栄養・食生活は、生命を維持し、子どもたちが健やかに成長し、また人々が健康で幸福な生活を送るために欠くことのできない営み」[5]です。本調査では、学校給食のない長期休み期間中、この「欠くことのできない営み」が揺らぐと言っても過言ではないほど、より切迫した食生活に陥るひとり親家庭の状況が浮き彫りになりました。これから始まる夏休みを前に、グッドネーバーズ・ジャパンはこの状況に対し大きな危機感を抱いています。また、今般の著しい物価高もその状況を悪化させる怖れがあり[6]、困窮家庭における子どもたちの食生活が一層懸念されます。

健やかに成長し、生きる権利をすべての子どもが持っています。生きることに直結する「食」の安心が家庭環境により左右されることは、見過ごしてはならない課題です。未来の社会を担う子どもたちの成長を支えることは、私たちが将来生きる社会を守ることにもつながるため、今の社会全体で子どもたちを育み見守ることが大切であると考えます。

[5]厚生労働省 “栄養・食生活” https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html
[6]グッドネーバーズ・ジャパンが2024年2月に行った「グッドごはん」利用者へのアンケート調査で、今般の物価上昇により家計が「非常に苦しくなった」と回答した人は6割、「やや苦しくなった」と回答した人は3割に及んだ(有効回答数:2,376名)。
アンケート調査結果プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000005375.html



■団体について
特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパンは、国際組織グッドネーバーズ・インターナショナルの一員として、2004 年に開設されました。「子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会」を目指し、国内外の子ども支援を行っています。公益性の高い団体である「認定NPO 法人」として東京都から認可を受けています。
https://www.gnjp.org/

■ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」とは
「グッドごはん」とは、ひとり親家庭等医療費受給者証をもつ、所得が限度額未満のひとり親家庭を対象に、食品を毎月無料で配付する事業です。2017年9月の事業開始以降、のべ82,731世帯に食品をお渡ししてきました*。
首都圏、近畿および九州における約50か所*の配付拠点にて、企業や個人の寄付によって集まったお米や調味料、レトルト食品、お菓子など、約10,000円相当のカゴいっぱいの食品をひとり親家庭に配付しています。
*2024年5月時点
https://www.gnjp.org/work/domestic/gohan/
※通常、配付拠点に直接取りに来られる方を対象に食品を配付しています
※生活保護受給中の方は対象外です

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