ファシリティドッグは終末期のつらさを和らげたり、子どもたちが前向きに治療に取り組むようになったりすることを、研究で明らかにしました
PR TIMES / 2023年6月1日 14時15分
静岡県立こども病院にて行った重要な研究が国際的学術誌PLOS ONEに掲載されました。
小児がんや重い病気の子どもたちをサポートする認定 特定非営利活動法人 シャイン・オン・キッズ(東京都:理事長キンバリ・フォーサイス)、静岡県立こども病院(http://www.shizuoka-pho.jp/kodomo/)、関西大学(https://www.kansai-u.ac.jp/ja/?stt_lang=ja)の共同研究が、国際的学術誌「PLOS ONE」に掲載されました。本研究によりファシリティドッグは、入院中の子どもたちの終末期の緩和ケアの一助になったり、子どもたちが前向きに治療に取り組むことを促したりする効果があると、ケアに関わる医療者が評価していることが明らかになりました。
Please see below for the English Press Release.
https://prtimes.jp/a/?f=d23199-89-14b2d3418737afc5cb23d40e62f192f9.pdf
研究タイトル
Exploring the benefits of full-time hospital facility dogs working with nurse handlers in a children’s hospital
(小児医療施設にホスピタル・ファシリティドッグが看護師のハンドラーと常勤する新たな有用性の探索)
掲載誌:PLOS ONE
URL:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0285768
著者:村田夏子(1) 鈴木恵子(1) 森田優子(1) 美濃部晴美(2) 水本篤(3) 瀬戸嗣郎(2)
(1)認定特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズ、 (2)静岡県立こども病院、 (3)関西大学
[画像1: https://prtimes.jp/i/23199/89/resize/d23199-89-4b69d065f258e259e150-0.png ]
研究の特徴
こども病院でファシリティドッグが入院患者の「終末期の緩和ケア」や、痛さ恐怖を伴う「治療や処置への協力」を向上させることを、体系的に初めて示すことができました。
ファシリティドッグと看護師資格のあるハンドラーが常勤するケースについて、医療スタッフを対象に網羅的、かつ量的に調査したこのような研究は、海外でも類を見ないものです。
日本に限らず国内外のこども病院で、ファシリティドッグが研究を通じて広く普及することを目指し、論文はオープンアクセスの国際科学誌であるPLOS ONEに、また使用したデータや解析コードはOSF (Open Science Framework, https://osf.io/hxktc/ ) で公開しました。
研究概要
全医療職スタッフ626名を対象に匿名質問紙を用いて調査しました。回答は431名(69%)から得られ、そのうちファシリティドッグの活動を観察したことがある270名を分析対象としました。質問項目9つは、5段階評価(5が最も評価が高い)で回答され、自由記述欄も設けました。
最も高く評価されたのは「終末期の緩和ケア」でした。回答者の73%(56/77名)が効果を "よく感じる" もしくは "常に感じる" と回答しました。また効果を "全く感じなかった" とする回答が0名だったことも特徴でした。
同様に、処置や検査の時に「患者の協力が得られやすい」ことも高く評価されました。回答者の73%(140/193名)が効果を "よく感じる" もしくは "常に感じる" と回答しました。処置の例として自由記述欄では、骨髄穿刺や手術室への同行など、侵襲性の高い処置が挙げられました。
また「終末期の緩和ケア」も「患者の協力が得られやすい」のどちらも、回答者の職種、臨床経験年数、犬の飼育経験の有無による統計的な差はみられませんでした。
今後、さらに小児医療施設における常勤型の活動の有用性を調べることで、よりタイムリーで効果的な介入策の考案や、実施施設のニーズを満たす最適な運用方法の特定に繋がり、ファシリティドッグの医学的な効果が解明されると期待できます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/23199/89/resize/d23199-89-1e341dd65e5fcf0bf51b-2.png ]
最も高く評価された項目「終末期の緩和ケア」の自由記述欄には、回答者270名中23名(9%)から記入が得られました。論文 Table4 に掲載したコメントの一例です
[画像3: https://prtimes.jp/i/23199/89/resize/d23199-89-1dfe3d35a558b7401509-0.png ]
■ファシリティドッグ・プログラムとは
医療施設など、ある特定の施設に常勤し活動するために、専門的なトレーニングを受けた犬のことです。シャイン・オン!キッズでは、2010年日本初のファシリティドッグ・プログラムを静岡県立こども病院との協働事業として導入し、現在国内の4つのこども病院で活動しています。看護師として臨床経験のあるハンドラーと共に入院中の子どもたちを関わるため、触れ合い活動はもちろん、採血など痛みや不安を伴う検査や処置の付き添い、手術室等への同伴、ベッド上安静の際に添い寝を行うなど、活動は多岐に渡っています。
■シャイン・オン!キッズとは
小児がんや重い病気の子どもたちとそのご家族を心のケアのプログラムで支援。ファシリティドッグ・プログラム(動物介在療法)、ビーズ・オブ・カレッジ プログラム(アート介在療法)、キャンプカレッジ(小児がん経験者のコミュニティ運営)、シャイン・オン!コネクションズ(オンラインで心のケアや学習支援アクティビティを提供)、シャイン・オン!フレンズ(小児がん経験者のWEBコミュニティ)などを運営。2006年設立、2023年4月現在全国28病院にて活動中。https://ja.sokids.org/
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
余命は1カ月どころか週単位…70代女性がよろめく体を奮い立たせてやった驚くべき行為と奇跡的に生きた年月
プレジデントオンライン / 2024年8月21日 9時15分
-
「あと生きられるのどのくらい?」胆のうがんで亡くなった母のバッグから出てきたもの
週刊女性PRIME / 2024年8月10日 16時0分
-
子どものアピアランスケアの先にある病弱児の復学支援について考える小冊子を全国の小児がん拠点・連携病院に無償配布
PR TIMES / 2024年8月8日 17時45分
-
「なぜ、途上国で命を救うことが日本の未来を救うのか?」未来の日本医療を担う医師たちによるトークイベント実施決定!
PR TIMES / 2024年8月8日 15時45分
-
低刺激スキンケアメーカー株式会社ナチュラルサイエンスが千葉大学医学部附属病院と連携協定 旭市で取り組む「アレルギー発症予防のための健康増進プロジェクト」を支援
PR TIMES / 2024年7月24日 17時40分
ランキング
-
1「通販・訪問販売」の倒産件数が急増、過去最多の可能性も その理由は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月22日 17時15分
-
2好きなフルーツ・ランキングでイチゴが僅差の2位に! 1位になったのは?
OVO [オーヴォ] / 2024年8月22日 11時30分
-
3常にスマホを充電しておきたい人に言いたいこと 必ず知っておくべきバッテリー寿命を延ばすコツ
東洋経済オンライン / 2024年8月22日 10時0分
-
4焦点:加社の買収提案、実現に幾重ものハードル セブンに重い説明責任
ロイター / 2024年8月22日 13時6分
-
5「朝昼夜0円サービス」愛知の喫茶チェーンの正体 パンやスイーツが無料で付く「カフェヨシノ」
東洋経済オンライン / 2024年8月22日 10時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください