グラフィックデザイナーから「光の魔術師」への転身。偏光板アートで世界を変える!(有)プリントアートが「東京インターナショナル ギフト・ショー」に出展。進化を続ける足立区の81歳、エネルギーの源を探る!
PR TIMES / 2025年2月5日 12時45分
有限会社プリントアートは2025年2月12日(水)~2月14日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」に「足立ブランド」として出展します。
液晶ディスプレイの必須部品として知られる偏光板を、アートという新しい領域に持ち込み、さらにはセキュリティ技術へと進化させた『有限会社プリントアート』代表の島崎勝信氏(81)。40年に及ぶ偏光板との付き合いは、科学とアートの境界を超えた独自の世界を生み出してきました。島崎氏のものづくりには、既存の技術や素材に新しい可能性を見出し、独創的なもの作りの哲学が込められています。
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偶然か必然か。"偏光"との出会い
足立区竹の塚にある『プリントアート』の事務所の一角には、島崎氏の手による偏光板アートの数々が並びます。島崎氏は偏光板との運命的な出会いを振り返ります。
約40年前、当時グラフィックデザイナーだった島崎氏は、マジックミラーを使った演出効果について思案を重ねていました。鏡の中を鳥が飛んでいくような作品を作ろうと考え、光を制御するために手に入れたのが偏光板でした。
「当初は光を遮断するために使おうと思ったんです。ところが、透明素材に貼り付けたら、思いもよらない色が現れた。本来は光を遮断するはずなのに、色が出てしまうのです。悩みました、これは何だろう? と」
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<偏光板と偏光板の間にポリカーボネート等の光が曲折する透明な素材を挟むと、色が出る>
偏光板とは、特定の方向の光だけを通す特殊なフィルムです。普段私たちの目には見えない光の波を、特定の方向だけに整えて通す性質を持っています。2枚の偏光板を重ねることで、その交差角により光を通したり遮ったりできます。
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<偏光板の基本原理>
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<光の3原色が混ざりあうと白くなる>
「ワークショップなどで、子どもたちに『この色はどこにあるの?』って質問するんです。その答えは『光の中』にある。光の3原色である赤、青、緑が混ざると白になります。ですがふだん私たちは、大気中の全ての色が交じり合った白い光の中にいるため、3原色を識別することはできません。ですが偏光板は、その白い光の中に隠れている色を取り出してくれるんです」
この発見は、島崎氏の人生を大きく変えることになります。当時、島崎氏は六本木でグラフィックデザイン事務所を営んでいましたが、デジタル化が進むデザイン業界に違和感を覚えていました。
「コンピューターの時代になって、今まで使っていた道具が何もいらなくなってしまいました。1mmの線を引く、グラデーションを作る。それだけで大変な技術が必要だったのに、今はボタンひとつでできてしまう。あったはずの面白みがどんどん失われていったんです」
そんな時、偏光板アートは島崎氏の心に未来への可能性を開いてくれました。一見すると無色透明な作品が、偏光板を通して見ると鮮やかな色彩を放ちます。角度を変えると色が変化し、静止画が動き出すような錯覚さえ起こします。この偏光板アートの不思議な魅力は、多くの人々の心を捉えました。
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<1995年の東京都発明展で東京都知事賞を受賞>
1995年、この独創的な偏光板アートは東京都発明展で東京都知事賞を受賞します。しかし、特許の取得には思わぬ困難が待ち受けていました。
「特許庁の審査官も、なぜ色が出るのか理解できなかったんです。私自身も科学的な原理を完全には説明しきれません。ただ現物を見せたら一目瞭然。発明展での現物審査で評価されて、1997年にようやく特許が認められました」
興味深いことに、島崎氏は苦労して取得したその特許を、自ら放棄しています。
「このアートを世に広めたかったんです。自分で独り占めしないで、多くの人に楽しんでもらいたかった。素材としても販売されるようになり、今では多くの人が偏光板の特性を知り、楽しんでいただけるようになりました」
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<笑顔で語る島崎勝信氏。後ろの絵は自画像「32歳の俺」>
偏光板の特性を活かしたセキュリティ
偏光板との出合いは、やがて画期的な製品開発へと繋がっていきます。
「パソコンやスマートフォンなどの液晶画面には、必ず偏光板が使われています。ここから偏光板を外したらどうなるだろう、そう考えたのが始まりでした」
実験的に液晶画面から偏光板を剥がしてみると、画面は真っ白になりました。そこから生まれたのが、覗き見防止PCディスプレイ加工「ミラーレン(R)」です。通常の液晶画面から偏光板を剥がすことで、専用メガネをかけた本人にしか画面が見えない仕組みを実現しました。
「一般的な覗き見防止フィルターでは画面全体が暗くなり、使い勝手が低下します。また色変化も起こるため、デザインや動画編集には不向きです。ですが『ミラーレン(R)』なら、画面の明るさや色彩はそのままに、周囲からは真っ白にしか見えません」
実際の作業は「偏光板をはがすだけ」なのですが、その過程はひと苦労でした。試行錯誤を重ねて、最初は12時間もかかっていた作業も20分程度まで短縮させることに成功しました。
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<誰にも見られん・・ミラーレン>
「大手企業から『特許はどうなっているんですか?』と聞かれますが、この技術で特許は取得していません。特許を取ると全ての技術を公開しなければなりませんから、それは避けたいのです。原理は剥がすだけですから、真似したい人は自由に真似てください、と伝えています」
「そんなに簡単にできることではありませんから」と自信に満ちた表情を見せる島崎氏。40年に及ぶ偏光板との付き合いが、その確信を支えています。実際、大手企業からの引き合いも多く、とくにコロナ禍でのテレワーク増加を背景に、会社から離れての作業が増え、情報セキュリティ対策として注目を集めています。
「カフェや公園、電車でもパソコンを開く時代です。スマートフォンを持っているということは、誰もがカメラを持ち歩いているのと同じことです。画面を撮られるリスクは常にあります。家族にも見せたくない機密情報を扱う企業にとって、情報をどう守っていくのかは重要な課題なのです」
1インチあたり3500円という手の届く価格設定も、普及を後押ししています。この独創的な技術は、多くのメディアやモノづくりのコンテストでオリジナリティの高い技術として注目を集め、テレビ番組や新聞等の多くのメディアでも取り上げられました。
科学とアートの融合
島崎氏の偏光板アートは、現在、東京都北の丸公園内にある日本科学技術館をはじめ、全国の科学館で展示されています。
日本科学技術館5階「トリックギャラリー」には、3m×2mの巨大な偏光板アートが常設展示され、多くの来館者の目を楽しませています。科学館では、偏光板を使ったワークショップも行われています。
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<科学技術館に常設展示される大型偏光板アート>
「科学館での展示は特別な意味があります。子どもたちに『なぜ?』という気持ちを持ってもらえるからです。色がないのに色が見える、この不思議な現象を通じて、光の性質や科学の面白さを伝えることができます」
縁あって事務所を現在の竹の塚に置いて、15年以上が過ぎました。
「『足立ブランド』を知ったのは、本当に偶然でした。パラパラとめくっていた足立区の広報誌で見つけたんです。足立の産業や技術の素晴らしさを全国に広く発信し、足立区のイメージアップを図るとありました。当時は主にグラフィックデザインを行っていましたが、もの作りへ移行していきたいと考えていたタイミングでもあり、それまでコツコツと研究してきた他に類を見ない偏光板を使ったアートで応募したんです」
以来、「足立ブランド」の一角を担い、博物館などでも展示され、メディアでも取り上げられるようになりました。オフィスにはアート作品が飾られており、見学も自由です。テレビの街紹介番組や情報番組でも取り上げられることが多く、徐々に知られる存在となってきました。「テレビ出演を通して、当社も足立区の宣伝にひと役買っていますよね」と笑顔の島崎氏。今では足立区竹の塚という場所は、偏光板を使ったユニークなアートを見せ、科学を楽しむ心を育み、そして情報を守る場所となっています。
「将来の夢を聞かれることがあります。でも私は、『夢も希望もなく生きている』と答えます。つまり『ああなりたい、こうなりたい』と思って生きているのではなく、今を一生懸命やっていたら、これからどうなっていくのかということを楽しみながら生きているのです」この姿勢は、島崎氏の創作活動の本質を表しています。最高の作品を問われても、
「どの作品も作った時は最高だと思って、サインを入れます。でもしばらくすると『もっとこうすれば良かった』と思います。それは自分が成長している証なのだと思います」
この姿勢は、島崎氏の創作活動の本質を表しています。最高の作品を問われても、「これから作る作品」と答える姿に表れています。
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/136487/89/136487-89-2cc686a12507ce2dfc28ea8b05f6f64c-842x595.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<プリントアートのロゴマークは「くちばしを縛ったオウム」をモチーフにしています。オウムはヒトマネを得意とする鳥。そのくちばしを縛るということは、すなわち「ヒトマネをしない」という私の信念を表現しています。>
ただし、ひとつだけ語れる夢があると言います。
「癒しのアート美術館を作りたいですね。自分の作品だけでなく、癒やしにつながるアートを集めた美術館です。誰かが悩んだ時に、ふらっと立ち寄って、心が晴れて帰っていけるような場所を作りたいのです」そして続けました。
「グラフィックデザイナーから、もの作りの人になって本当によかった」
それが島崎氏の今の気持ちです。
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<大型万華鏡に興味津々の子供たち。小さなお子さまやお身体の不自由な方など、どなたでも気軽に楽しめるアートを>
有限会社プリントアートは2025年2月12日(水)~2月14日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」に出展します。
めくるめく偏光板アートの世界をどうぞお楽しみください♪
ギフト・ショー内の「SOZAI展」コーナー「足立ブランド」のブースでお待ちしております。
企業情報
有限会社プリントアート
https://www.print-art.co.jp/
会社名:有限会社プリントアート
住 所:東京都足立区西竹の塚2-15-21-2F
電話番号:03-5647-0306
創業年:1985年
代表者:島崎 勝信
事業内容:偏光板を使ったアート作品制作および偏光板の特性をいかしたシークレットパソコン「ミラーレン(R)」の製作。大型万華鏡製作ほか、便利グッズの開発・販売。
「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。
『有限会社プリントアート』は、この「足立ブランド」認定企業です。
取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。
足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605
足立ブランド公式Webサイト
https://adachi-brand.jp/
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