仏ロレアルがランザテック社、トタル社と、産業排出の炭素ガスを再利用した、世界初の化粧品用プラスチック容器を開発
PR TIMES / 2020年10月29日 8時45分
世界最大の化粧品メーカーである仏・ロレアルグループ(本社:パリ)は、10月27日、米国ベンチャー企業LanzaTech(以下、ランザテック社)、ならびにフランスの大手エネルギー企業であるTotal(以下、トタル社)の2社との革新的なパートナーシップにより、産業排出の炭素ガスを回収、再利用した、世界初の持続可能なプラスチック容器を開した旨を発表しました。
この画期的な変換技術は、下記の3つの工程で構成されています。
ランザテック社は、産業排出の炭素ガスを回収し、独自の生物学的プロセスを用いてエタノールに変換。
トタル社は、IFP Axensと共同開発した革新的な脱水プロセスにより、エタノールをエチレンに変換してから重合させ、化石燃料と同じ技術的特性を持つポリエチレンを製造。
ロレアルはこのポリエチレンを使用して、従来のポリエチレンと同等の品質と特性をもつ容器を製作。
これらの技術革新により、産業から排出される炭素ガスを用いてプラスチック容器を生産することが可能であることが証明されました。これは、持続可能なプラスチックの循環型経済の実現をめざす、3社間 パートナーシップの深い取り組み姿勢を表すものであり、また、炭素ガスの回収と再利用の新たな道を切り開くものです。
さらに、同3社は、これらの持続可能なプラスチックの生産規模を拡大するために引き続き協力し、この新しい持続可能なプラスチックの利用に参画することを望む、全ての関係各所との協働の機会を模索していきます。
ランザテック社のCEO ジェニファー・ホルムグレン氏は次のように述べています。
「今回のパートナーシップは、よりクリーンな地球の実現という共通の目標に基づいています。ロレアル、トタル両社の炭素排出量削減への取り組みに感謝します。共に排ガスを有用なものに変換することで、包装材のカーボンフットプリントの削減が可能となり、炭素の一時利用は過去のものとなります。」
トタル社のポリマー担当シニア・ヴァイス・プレジデント ヴァレリー・ゴフ氏は次のように述べています。
「本パートナーシップは、炭素ガスの再利用による未来のプラスチックの開発において、産業界のコラボレーションを示す優れた例であり、顧客からの強い要望にも応えるものです。このような炭素ガス排出量評価の新たな道筋の開発は、ヨーロッパにおいて、2050年までに温室効果ガスの排出ネットゼロを目指す当社グループのコミットメントにも寄与します。」
さらに、ロレアルグループ パッケージング&開発ディレクターのジャック・プレイ氏は、次のように述べています。
「ロレアルは常に包装材の環境フットプリントの削減に取り組んでいます。炭素ガスをポリエチレンに変換するこの技術革新により、新しい持続可能な包装ソリューションの開発を予定しています。2024年までにこの持続可能な素材をシャンプーとコンディショナーの容器に使用することを目指しています。他の企業もこの画期的な技術の利用に参加してくれることを期待しています。」
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ロレアルグループについて (https://www.loreal.com/)
仏・ロレアルは、100年以上にわたって美に捧げてきました。36の多様で国際的で独自なブランドポートフォリオを有し2019年でのグループの売上高は298.7億ユーロ、社員数は88,000人です。世界有数の化粧品会社であるロレアルは、マ ス市場から百貨店、調剤薬局、ドラッグストア、美容院、トラベルリテールや旗艦店、Eコマースなど、あらゆる流通チャネルで展開しています。4,100名の研究員を有し、研究開発をグループ戦略の基幹に置き、世界中の人々の美への熱望を 叶えるために日々活動しています。野心的で持続的発展を目的としたロレアルグループの2030年に向けたサステナビリ ティの取り組みは、よりインクルーシブでサステナブルな社会実現のためのエコシステムの実現を目指しています。
日本ロレアルについて (http://www.nihon-loreal.jp/)
ロレアルは 1963 年から日本で事業を開始し、1996 年に日本法人である日本ロレアル株式会社が設立されました。2019 年時点での社員数は、2,670 人、2020 年 10 月現在の取り扱いブランドは 17 です。化粧品の輸入、製造、販売、マーケ ティングを行っています。
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ランザテック社について (http://www.lanzatech.com)
カーボンリサイクルに取り組むランザテックは、ガス発酵のグローバルリーダーであり、生物学的手法を用いて廃棄物の炭素排出を変換し、持続可能な燃料や化学品を製造しています。対象とする廃ガスは産業用オフガス、すなわちあらゆるバイオマス資源(例:自治体の固形廃棄物、有機性産業廃棄物、農業廃棄物)から発生する合成ガス廃棄物、改質バイオガスなどです。発酵のスケールアップ、リアクター設計、機械学習、合成生物学の分野に知見を有し、その知見を駆使してリサイクルプロセスの商業化と100種類以上の化学物質の生産を行っています。ランザテックは、世界中の投資家やパートナーと共に、グローバル規模で商業ベースのプロジェクトを展開し、従来化石燃料を利用して製造されていた消費財の、製造時における炭素排出量の削減に、サプライチェーン全体を通じて取り組んでいます。ニュージーランドで設立されたランザテックは、米国イリノイ州に拠点を置き、中国、インド、ヨーロッパを含め170人以上の従業員を有しています。
トタル社について (http://www.total.com/)
トタルは石油・天然ガス、低炭素電力を生産・販売する大手エネルギー企業です。10万人の従業員はより安全、安価、クリーンなエネルギーをできるだけ多くの人々に届けることにコミットしています。130か国以上でビジネスを展開し、責任あるメジャーになることを目指しています。(トタル社日本語ウェブサイトより抜粋)。
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