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【調査発表】「異動とキャリア開発に関する意識調査」結果を発表

PR TIMES / 2020年10月6日 13時15分

キャリア実現に不安を感じる人ほど、異動の際に条件や環境への考慮を希望。不安払拭には、一般社員と管理職双方での人材情報開示が有効か

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤島 敬太郎)組織行動研究所は、企業に勤務する一般社員と管理職1192名に「異動とキャリア開発に関する意識調査」を実施しました。
本調査では、一般社員の「キャリアが実現できるか不安だ」という思いの強さと、「異動の際に条件や環境を考慮してほしい」「異動やキャリア開発の際に必要な情報を把握したい」という思いの強さとの間に、相関関係があることなど、異動への適応やキャリア開発の参考となる結果が明らかになりました。一般社員と管理職それぞれの「異動やキャリア開発に関する意識」について、インターネット調査の結果をもとに紹介します。
*詳細は10月5日に公表した当社Webサイトの調査レポート
https://www.recruit-ms.co.jp/research/study_report/0000000904/)からも参照できます。



調査担当研究員のご紹介
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HR Analytics & Technology Lab 所長 入江 崇介

[画像1: https://prtimes.jp/i/29286/90/resize/d29286-90-957396-6.png ]

株式会社 人事測定研究所入社(現リクルートマネジメントソリューションズ)。アセスメント、トレーニング、組織開発の商品開発・研究に携わり、現在は人事データ活用や、そのための測定・解析技術の研究に従事する。さまざまな企業・団体からの講演・執筆依頼が多く、学術的知識はもちろん、それを企業現場などでどのように活用すると効果的かに関する内容に定評がある。
一般社団法人ピープルアナリティクス&HR テクノロジー協会上席研究員。
著書:『ピープルアナリティクスの教科書 組織・人事データの実践的活用法』(共著/日本能率協会マネジメントセンター)『人事のためのデータサイエンス ゼロからの統計解析入門』(著書/中央経済社)

1.調査背景と結果のポイント
近年、人事異動やキャリア開発の場面でHRテクノロジーやHRアナリティクスの導入が進みつつあります。これらは、人事異動やキャリア開発に関わる業務の効率性を高める、あるいは施策の効果を高めるために、有効な取り組みであることは間違いありません。一方で、これらの取り組みは、どちらかといえば「人事管理部門の視点」から行われているもので、現場の社員や管理職の視点を取り込むことで、よりよい施策にしていく余地があると考えられます。そこで、本リリースでは、一般社員と管理職それぞれの異動やキャリア開発に関する意識について、インターネット調査の結果をもとに紹介します。

■調査結果より一部抜粋 ※調査の詳細は、「 2. 調査結果 」を参照ください 。


異動に関して、一般社員は管理職と比較して、肯定的な印象についての選択率が低く、否定的な印象についての選択率が高い(図表2)
異動がキャリア開発に有効だと感じた経験に関して、一般社員は「過去に経験がない分野の仕事に取り組んだこと」と「過去に接点のない人々と仕事に取り組んだこと」の選択率が高く、それぞれ3割を超えている(図表3)
「勤務地や勤務時間など、制約事項」や「上司と本人の相性(管理職とメンバーの相性)」など、異動にあたって「考慮してほしい」、「把握したい」ということが、一般社員と管理職の双方にある。また、選択率も概ね一致している(図表4)
一般社員は、長期的な視野でキャリア開発について検討する際に必要な情報に対し、異動先への適応のために必要な情報、すなわち短期で必要な情報を知ることへの関心が相対的に高い(図表5)
一般社員の「キャリアが実現できるか不安だ」という思いの強さと、「異動の際に条件や環境を考慮してほしい」という思いや「異動やキャリア開発の際に必要な情報を把握したい」という思いの強さとの間には相関関係がある(図表6)


2.調査結果                                    
●一般社員と管理職、それぞれが抱く異動に関する印象(図表2)
 ・一般社員と管理職、いずれにおいても肯定的な印象についての「あてはまる/ややあてはまる」の選択率は50%を超えている。
 ・一般社員と管理職、いずれにおいても否定的な印象についての「あてはまる/ややあてはまる」の選択率は50%を下回っている。
 ・管理職と比較して、一般社員は肯定的な印象について「あてはまる/ややあてはまる」の選択率が低く、否定的な印象についての選択率が高い。
 ・中立的な「管理職や経営幹部になるために欠かせないものである」という印象の「あてはまる/ややあてはまる」の選択率は、管理職で高い。
[画像2: https://prtimes.jp/i/29286/90/resize/d29286-90-248142-0.gif ]


●異動がキャリア開発のために有効だと感じた経験(一般社員)(図表3)
 ・人事異動に伴うと考えられる「過去に経験がない分野の仕事に取り組んだこと」と「過去に接点のない人々と仕事に取り組んだこと」の選択率が高く、それぞれ3割を超えている。
 ⇒これらの結果から、意に沿わない異動などに対する否定的な印象が一部あるものの、チャンスであるという肯定的な印象も持たれていることが確認できる。

[画像3: https://prtimes.jp/i/29286/90/resize/d29286-90-553835-1.gif ]


●異動の際に考慮してほしいこと(一般社員)、把握したいこと(管理職)(図表4)
 ・いずれの項目に対しても、一般社員の「必ず考慮してほしい/考慮してほしい」、管理職の「把握したい/やや把握したい」の選択率が5割を超えている。また、選択率も概ね一致している。
 ・一般社員の「必ず考慮してほしい/考慮してほしい」と比較して、管理職側の「把握したい/やや把握したい」の選択率が低いのは、「勤務地や勤務時間など、制約事項」と「上司と本人の相性(管理職とメンバーの相性)」。
 ⇒「勤務地や勤務時間など、制約事項」については、多様な人材の活躍を支えるためには不可欠なものではあるものの、管理職側はそれらの制約事項に対してすべてケアすることができない場合もあるため、このような乖離が出ていると推察される。また、「上司と本人の相性」に関しては、メンバーである一般社員にとって上司である管理職は原則1名であるのに対し、管理職のもとには複数のメンバーが所属する形になるため、一般社員側がより「考慮してほしい」と考える傾向になっているのではないかと推察される。

 ⇒一部で選択率が異なる点はあるものの、異動にあたって「考慮してほしい」、「把握したい」ということが、一般社員と管理職の双方にあることが確認された。タレント・マネジメント・システムの活用と関係することではあるが、相互理解のために可能な範囲で人材情報が共有できる仕組みを整えていくことが必要だと考えられる。

[画像4: https://prtimes.jp/i/29286/90/resize/d29286-90-806500-2.gif ]

※図表04注釈1:一般社員については、「必ず考慮してほしい~考慮されなくても構わない」の5段階のリッカート形式の選択肢に対する、「必ず考慮してほしい/考慮してほしい」の選択率
※図表04注釈2:管理職については、「把握したい~把握する必要はない」の5段階のリッカート形式の選択肢に対する、「把握したい/やや把握したい」の選択率

●異動やキャリア開発のために知りたいこと(一般社員)(図表5)
 ・「異動先で携わる仕事を遂行する上で必要な知識やスキルが分かること」、「異動先の職場で行われている仕事の進め方が分かること」、「異動先の上司の性格特性などの特徴がわかること」など、まずは異動というイベントが起こった際に、異動先への適応のために必要な情報、すなわち短期で必要な情報を知ることへの関心が相対的に高い。
 ・上記に続いて、「どこに異動すれば、自分が望む仕事に携われるかが分かること」、「どこに異動すれば、自分が身につけたい知識やスキルを身につけられるかが分かること」、「自分のキャリアパスが明確に提示されていること」、「さまざまなポストについて、過去にどのような人が携わっていたかが分かること」など、長期的な視野でキャリア開発について検討する際に必要な情報への関心も高い。
[画像5: https://prtimes.jp/i/29286/90/resize/d29286-90-902552-3.gif ]


●キャリアに関する意識と、考慮してほしいこと・知りたいこととの相関係数(一般社員)(図表6)
 ・「私は、自分が将来歩みたいキャリアが実現できるか不安だ」との間で、「考慮してほしいこと」や「知りたいこと」の相関係数が高い。
 ⇒「キャリアが実現できるか不安だ」という思いの強さと、「異動の際に条件や環境を考慮してほしい」という思いや「異動やキャリア開発の際に必要な情報を把握したい」という思いの強さとの間に関係がある。社員のキャリアに関する不安を払拭するために、人材情報や職務情報の共有化や開示が有効である可能性が示唆されている。


[画像6: https://prtimes.jp/i/29286/90/resize/d29286-90-616603-4.gif ]

※図表06注釈:表中の数値はピアソンの相関係数。-1~+1の間の値を取り、絶対値が1に近いほど、直線的な関係が強いことを示します。また、+の場合は「一方が高くなれば、他方も高くなる」、-の場合は「一方が高くなれば、他方が低くなる」という関係にあることを示します。

3. 調査担当者 入江コメント
 リモートワークの導入やジョブ型雇用への転換などにより、これまでよりも拠点や職種をまたぐ異動の機会が減る可能性があります。一方で、人生100年時代のキャリア開発を考えた際に、現場の社員が積極期に自己申告や社内FA(フリーエージェント)制度を活用することによって異動の機会が増える可能性もあります。
 いずれにせよ、一定程度、異動というイベントはこれからもあると考えています。その際、そのイベントについて、キャリア開発の機会と結び付けられること、あるいはスムースに適応できることなど、異動対象者の経験の価値を高めることがこれまで以上に必要になると考えています。
 その際に、冒頭に述べた通り、HRテクノロジーやHRアナリティクスも有効なツールになります。そして、それらをうまく機能させるためには、「情報の開示性を高めること」や社員や管理職にとって「分かりやすい」情報を提供すること、また情報を活用した対話の仕組みを整えることなどが求められると考えられます。その促進のために必要な知見について、今後も研究を進めていきたいと思います。

4. 調査概要

[画像7: https://prtimes.jp/i/29286/90/resize/d29286-90-442321-5.gif ]


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