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アートチャイルドケア株式会社と、熊本大学三池輝久名誉教授との共同研究論文がスイスの学術誌「Clocks & Sleep」に掲載されました

PR TIMES / 2024年11月14日 16時40分

約5000件の乳幼児の睡眠データから得られた乳児・幼児の精神的、身体的発達における夜間睡眠の大切さと生活リズムの在り方の参考となる貴重な研究

 「アート引越センター」を中心に暮らし方を提案するアートグループの保育事業、アートチャイルドケア株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長:村田 省三)は、同社運営保育園における乳幼児の睡眠記録の分析結果を論文としてスイスの学術誌「Clocks & Sleep」に発表し、11月12日に掲載されました。
 今回の研究論文は、アートチャイルドケアと小児睡眠問題に詳しい、熊本大学の三池輝久名誉教授が共同で執筆したものです。世界的にもこれだけ多くの乳幼児の睡眠調査結果が発表されたのは初めての事で、乳児・幼児の精神的、肉体的発達における睡眠の大切さと睡眠と生活リズムの在り方の参考となる貴重な研究となっております。



【掲載論文について】
■雑誌名
Clocks & Sleep(2024年11月12日発行号)

■論文タイトル
Characteristics and transition of sleep wake rhythm in nursery school children:
The importance of nocturnal sleep
邦訳 「保育園児の睡眠・覚醒リズムの特徴と推移:夜間睡眠の重要性」

■著者(敬称略)
 長谷川武弘、村田省三、鍵村達夫、 尾前薫、 田中亜希子、 高橋香織、 
成澤美香、小西行郎、 鬼木健太郎、三池輝久
  
■発表概要
 アートチャイルドケアが運営する保育園に通う生後2か月から6歳までの乳幼児と小児を対象に2013年、2014年、2016年に14日間の睡眠・覚醒リズムを記録する「睡眠表※」を用いた睡眠・覚醒生活リズム調査を実施。
 実施には、この調査研究の意義を説明し、賛同を得た保護者の任意の参加を依頼した。約7,500名の応募があり、その中から、記録が十分である約5,000名の乳幼児の生活リズムを分析した結果として、日本の乳幼児には約10時間の夜間睡眠時間が必要であることを明らかにし、加えて、以下の新しい情報を得た。

・日本の乳幼児には年齢にかかわらず平均10時間程度の夜間睡眠時間が必要である
・年齢に伴って一日の総睡眠時間が減少するのは昼寝の時間の減少によるものであり、
 必要な夜間睡眠時間は変化しないので夜間基本睡眠時間(NBSD:Nighttime Basic Sleep Duration)
 と呼ばれる。
・2歳を過ぎると、年齢を問わず平均入眠・起床時刻はそれぞれ夜9時半、朝7時前で安定した。
 この結果は夜間 睡眠時間が9時間半あるいはそれより短いことを示しており、
 子どもたちには毎日若干の夜間睡眠不足が生じていることを示している。
・平日と休日の朝の起床時刻の比較では、休日の起床時刻の方が約30分遅い。この週末の朝寝坊は乳児期からす
 でに認められ、平日の夜間睡眠不足を補充する睡眠時間と考えられており、平日の夜間睡眠が不足しているこ
 とを示している。
 また、休日の朝寝坊は体内時計のズレにつながるあるいはズレを示唆するもので、心身発達のバランスを崩す
 もとになると共に将来の「社会的時差ボケ:SJL」につながる可能性があると考えられている。また、夜間睡
 眠不足は不規則かつ長時間の昼寝を生じさせ昼寝時間のない小学校への入学準備を整えにくいことが知られて
 いる。


結論:
・乳幼児期の子どもの心身発達と将来の学校生活を守るために必要な生活リズム形成には、まず、1)正確な
 夜間基本睡眠時間(NBSD)を知り、2)決められた朝起床時刻までに、3)NBSDが確保できる適切な就寝
 時間を設定することが必要である。
・この生活リズムが、睡眠負債を予防し、平日、週末ともにほぼ同じ時間に起床するリズムをつくることにつな
 がり、心身発達をバランス良く進めるとともに将来の学校生活が守られる。
・これまで、乳幼児期の適切な睡眠時間は一日総睡眠時間(夜間睡眠時間+昼寝時間)を指標として推奨されて
 きたが、これらの研究結果から正しくはそれぞれの夜間基本睡眠時間(NBSD:平均では約10時間)を基盤に
 おいて睡眠不足の有無を評価することが重要であると考えられる。

睡眠調査票モデル:NBSDの良い例、悪い例
[画像1: https://prtimes.jp/i/14945/91/resize/d14945-91-f1b27765ec0423d21a49-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/14945/91/resize/d14945-91-d8362dafef46e5c9de51-1.jpg ]




 当社は、児童福祉事業者として、乳幼児の保育、療育に科学的に取り組むという方針の下で、過去10年以上に亘り、当社が運営する保育所あるいは児童発達支援施設での保育、療育の基本に睡眠と生活リズムを整えることを置いてきました。

 その一環として、2012年から日本における小児睡眠の第一人者である三池輝久熊本大学名誉教授を顧問に迎え、保育園児の睡眠実態調査と分析を行いました。
 その実態調査の結果を三池名誉教授とともに分析・評価し発表したものが今回の論文になります。世界的に見ても、これほどの量の乳幼児の睡眠実態調査が発表されたことはなく、今後の乳幼児の睡眠と生活リズムの在り方や、睡眠と生活リズムを整える事が、乳幼児の感情機能や注意力、身体的行動変化に有意に関連しているという研究に大いに役立つものだと考えています。また、更には、睡眠と生活リズムを整えることが乳幼児の神経発達障害を改善するために重要であるという研究の基礎となるものだと考えます。
 
 今後は、当社保育所並びに児童発達支援教室における、保育活動・療育活動において、より一層この知見を活かしながら、乳幼児の健全な精神的・肉体的発達に注力していきたいと考えています。





               【アートチャイルドケア株式会社 概要】
 アートチャイルドケア株式会社は、2005年にスタートしたアートグループの保育事業を母体とし、2010年にアートグループ3社の保育事業統合により発足いたしました。企業理念に「We Care  For」(ケアを真ん中に)を掲げ、子ども達が「自分らしく」主体的にいきていける成長を助けることを目指して保育、療育のみならず児童福祉事業者として社会に貢献していこうと考えています。現在では認可保育所、当社独自に運営する保育園、院内・企業内保育所あるいは、発達に課題のある乳幼児を対象とした児童発達支援教室、子育て支援センター、児童館など全国で約200か所の児童福祉施設を運営し、約6,000名の乳幼児をお預かりしております。
 ひとりひとりが持つ個性や状況を、それぞれの違いとして認め合い、尊重しあいながら、「みんな一緒」に助け合ったり関わり合ったりして過ごしていける「インクルーシブな社会」を児童福祉事業者という立場から地域に提案していけるよう、こども食堂(社内通称 みんなの食堂)や医療的ケアの必要な児童の受け入れなどの活動を広げています。 

              【商  号】 アートチャイルドケア株式会社
              【本  社】 東京都品川区東品川1-3-10
              【社  長】 村田 省三
              【事業内容】 児童福祉事業
              【資 本 金】  5,000万円
              【売  上】 約100億円(2024年9月期)
              【従業員数】 2,400名(2024年9月、非常勤社員含む)
              【U R L】 https://www.the0123child.com/


[画像3: https://prtimes.jp/i/14945/91/resize/d14945-91-3b91fe6a1db865fa4e1e-2.jpg ]


【三池輝久(みいけてるひさ)氏の略歴】
〇小児科医、小児神経科医、熊本大学名誉教授、日本眠育推進協議会理事長。
1942年生まれ。熊本大学医学部卒業後、熊本大学小児科入局。米国ウエスト・ヴァージニア州立大学留学などを経て熊本大学医学部小児発達学教授、東京大学教育学部教授(併任)、熊本大学医学部附属病院長、日本小児神経学会理事長、を務める。2008年、兵庫県立リハビリテーション中央病院に「子どもの睡眠と発達医療センター」を開設、13年までセンター長。2017年日本眠育推進協議会発足。35年間にわたり、子どもの睡眠障害の臨床および調査・研究活動に力を注ぐ。

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