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シリア政府による民間人の大量強制失踪

PR TIMES / 2015年11月5日 12時24分

シリアでは紛争中の過去4年間で数万人規模の民間人が、政府によって拉致され行方がわからなくなっている。さらに政府は、失踪した家族を食い物にするブラックマーケットから利益を得ている。アムネスティ・インターナショナルはこの実態を調査して報告書にまとめ、11月4日に発表した。

失踪した人の数は、凄まじい。シリア人権ネットワークの調べでは、2011年以来少なくとも65,000人が失踪した。そのうち58,000人が一般市民だ。連れ去られた人たちは通常、過密状態の拘禁所に入れられ、外部から隔離される。多くは、流行性の疾患や暴行、裁判を経ない処刑により命を落とす。

強制失踪の被害者には、デモ参加者、人権擁護活動家、ジャーナリスト、医者、救援活動従事者など、平和的な反政府派の人たちがいる。そのほか、国に不実とみなされた人びとや、当局に追われる人びとの親類縁者も標的になっている。

シリアでは、強制失踪が日常化するあまり、失踪者の消息や生死の情報を求める家族から数百から数万ドルの賄賂を受け取るブローカーが暗躍するブラックマーケットが出現した。地元の人権活動家によれば、この賄賂が同国の経済活動の一部になっているという。ダマスカスのある弁護士も、賄賂は「政府のドル箱だ。資金源として頼っている」とアムネスティに話した。大規模な強制失踪は人道に対する罪である。そこから政府が利益を得ているのだ。

失踪者の家族の中には、その消息情報と引き換えに全財産や蓄えのすべてをなげうった人もいる。2012年に兄弟3人が消息を絶った男性は、15万ドル以上の借金をして支払ったが、結局消息は分からなかったという。彼は今、借金を返すためトルコで働いている。

行方不明者を捜し求める家族には、しばしば自身も拘束や強制失踪を受ける。そのため、ブローカーに頼らざるをえない。

友人が2年前に強制失踪になった人権派弁護士カリル・マトクさんは、「強制失踪は、市民を震え上がらせるための政府の一大戦略だ」という。

衝撃的な事例がある。歯科医のラニア・アル=アッバシさんは2013年、自宅で襲撃を受け、夫が拉致された。その翌日、子ども6人とともに拘束された。それ以来全員の消息は不明だ。彼らが地元の人びとに人道援助をしていたために標的になったのではないかと思われる。

数カ国と国連がシリアの強制失踪を非難したが、言葉だけではまったく不十分だ。2014年2月、国連安保理は、シリアに強制失踪の停止を求める決議第2139号を採択したが、これが確実に履行されるにはさらなる段階を踏む必要がある。

国連安保理は、早急にシリアの状況を国際刑事裁判所に付託し、資産凍結など具体的な制裁措置を実行し、強制失踪をやめるよう圧力をかけるべきだ。


アムネスティ・インターナショナル日本
http://www.amnesty.or.jp

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