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細胞増殖休止期のタンパク質が線維芽細胞を活性化することを発見

PR TIMES / 2024年7月16日 11時15分

「F13A」はDNA修復、細胞増殖、コラーゲン産生を促進する



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/93/92303-93-4b4c8ad8ed8ba8ce707ee3b70216c21f-2153x708.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 
 ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)は、ヒト真皮由来の線維芽細胞の細胞周期に加えて休止期にも着目した研究を独自に進め、以下を発見しました。
- 線維芽細胞では、増殖を休んでいる「休止期」にタンパク質「F13A」が増加する
- F13A(補足資料2)は、線維芽細胞においてDNA損傷を修復し、細胞増殖、コラーゲン産生を活性化する
- クダモノトケイソウ果皮エキスとアーチチョーク葉エキスの組み合わせの添加によって、休止期の線維芽細胞ではF13Aの発現が増加する


このことから、クダモノトケイソウ果皮エキスとアーチチョーク葉エキスの混合エキスは、F13Aを増加させ、線維芽細胞の活動を活性化することが期待されます。本知見の一部は、2024年9月4日~7日に開催される欧州研究皮膚科学会(European Society for Dermatological Research 2024)にて発表予定です。


細胞増殖を休んでいる線維芽細胞は何をしている?
線維芽細胞は、皮膚の真皮においてコラーゲンなどを産み出すことから、肌のハリに影響する細胞として注目されています。細胞の状態には、分裂・増殖のサイクル(細胞周期)に入っている時期と、増殖を休んでいる「休止期」があります(補足資料1)。ポーラ化成工業によるこれまでの研究で、休止期の線維芽細胞は実はコラーゲン6を増産しており※1、肌のハリなどに影響する可能性が示されました。そこで休止期の線維芽細胞が他にどのような特徴をもつのか、詳しく研究を進めました。

※1 参考リリース: 「増殖休止中の線維芽細胞はコラーゲン6増産体制にあることを発見 コラーゲン6を介し真皮全体に影響を及ぼしている可能性も」(2023 年 6 月 29 日) http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20230629_1.pdf

休止期の線維芽細胞で増加するF13Aが、線維芽細胞のDNA修復、細胞増殖、コラーゲン産生に働きかける
真皮由来の線維芽細胞を用いた実験で、細胞を休止期に導く条件で培養すると、細胞周期の異なるさまざまな細胞が混ざっている場合に比べて、F13A(補足資料2)というタンパク質の遺伝子発現量が増加することが分かりました(補足資料3)。これは、真皮の線維芽細胞にとって、休止期はF13Aを活発に生み出す時期であることを表しています。
F13Aの役割を探るため、線維芽細胞にF13Aを添加したところ、「DNA損傷の修復」「細胞増殖」そして「コラーゲン産生」が活性化することが分かりました(図1、補足資料4、5、6)。
以上のことから、休止期にある線維芽細胞は、増殖は休んでいても、F13Aの増加を通じて線維芽細胞全体の活動を活性化していると考えられます。

植物エキスにF13Aを増やす作用を発見
 クダモノトケイソウ果皮エキスとアーチチョーク葉エキスの混合物が、休止期のF13A産生をさらに高めることを見出しました(補足資料7)。本研究は、肌のハリ・リフトアップを実現するための新たなメカニズムの理解につながります。
【補足資料1】 細胞周期と休止期について
 細胞には、分裂して増殖する細胞周期(G 1期、S期、G2期、M期からなる)と呼ばれる状態と、増殖を停止している休止期(G0期)と呼ばれる状態が存在します(図2)。休止期にはいくつかの定義がありますが、ここでは増殖能力は保ちつつも増殖のための活動を休んでいて、環境に応じて再び細胞周期に戻れる状態を研究対象としました。
これまでの研究報告から、皮膚でも休止期の線維芽細胞が一定レベル存在すると考えられます。しかし、これまで真皮の線維芽細胞の休止期だけに着目した研究はほとんどありません。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/93/92303-93-55ca7bd2fe07c46d6771b031ad881c3e-2263x1657.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



【補足資料2】 F13Aについて
 F13A(Coagulation Factor XIII A Chain)は細胞外に分泌されて活性を持つタンパク質で、フィブリンの安定化に関与して創傷治癒の過程に働くことが知られています。
ポーラ化成工業でこれまで進めてきた線維芽細胞の研究の中で、休止期ではF13Aの発現が増加することが分かったことから、F13Aに着目して研究を進めることとしました。


【補足資料3】 休止期の線維芽細胞ではF13Aの産生が増加する
 休止期に導く条件で真皮由来の線維芽細胞を培養すると、細胞周期の異なるさまざまな細胞が混ざっている場合に比べて、F13Aの遺伝子発現量が増加することが分かりました(図3)。
これは、真皮の線維芽細胞にとって、休止期はF13Aを活発に生み出す時期であることを表しています。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/93/92303-93-ed92170c802de02a74cd6fef8b89aae4-3177x1542.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]




【補足資料4】 F13AはDNA修復を活性化させる
 DNA損傷に対するF13Aの影響を調べました。休止期に導く条件で培養した真皮由来の線維芽細胞にF13Aを添加すると、DNA修復に関連する遺伝子が活性化し(図4グラフ)、DNA損傷量が減少しました(図4画像)。これにより、F13AはDNA損傷の修復を活性化することが示されました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/93/92303-93-eac5c6a4bc88b0c76906e3461db11da7-3900x1973.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



【補足資料5】 F13Aは細胞増殖を活性化させる
 F13Aの細胞の増殖能力に対する影響を調べました。休止期に導く条件で培養した真皮由来の線維芽細胞にF13Aを添加し、細胞周期の異なるさまざまな細胞が混ざっている状態に戻すと、細胞増殖が活性化することが分かりました(図5)。

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/93/92303-93-96318ab0f2c995d2c6be43f40e1d23de-3376x1615.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]




【補足資料6】 F13Aはコラーゲン産生を活性化させる
 F13Aのコラーゲンの産生に対する影響を調べました。細胞周期の異なるさまざまな細胞が混ざった状態で培養されている線維芽細胞にF13Aを添加すると、コラーゲン産生が活性化することが分かりました(図6)。

[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/93/92303-93-6624763aa2975d8fa5511687f100e5b5-3452x1675.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



【補足資料7】 F13Aを増やすエキスを発見
 休止期のF13A産生をさらに高めることのできる成分を探索したところ、クダモノトケイソウ果皮エキスとアーチチョーク葉エキスの混合物が有効であることが分かりました(図7)。

[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/93/92303-93-3646748b5fed51b8aa1cc614fc94c305-3701x1717.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



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