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国内初!高速道路を通行止めせずにUHPFRCで大規模修繕

PR TIMES / 2024年8月30日 13時15分

長野自動車道岡谷高架橋のPC箱桁橋床版打替えに導入



 鹿島(社長:天野裕正)は、NEXCO中日本(社長:縄田正)と共同開発した超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC※1)を用いた道路橋床版のリニューアル工法(以下、本工法)を、高速道路を供用しながら行う大規模改良工事に国内で初めて導入しました。本工法は、老朽化した道路橋床版のコンクリート上面を「防水性・耐久性・強度特性」に優れたUHPFRCに打ち替えることで、床版全体を撤去・再構築することなく道路橋床版の性能を回復させるものです。
 今般、本工法を専用の施工機械と共に長野自動車道(特定更新等)岡谷高架橋改良工事に導入し、高速道路を通行止めせずに、128mのUHPFRCの施工を約8時間で完了しました。

※1 Ultra High Performance Fiber Reinforced cement-based Composites
水結合材比が15%程度で極めて緻密なセメント系材料を繊維で補強したもの(世界的な名称)
本工事に適用したUHPFRCの規格値は、圧縮強度150N/mm2、引張強度12.0N/mm2

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/99/116603-99-ad86363261c96bc6a1e457595ba1d281-510x348.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
UHPFRC による床版打替え(岡谷高架橋改良工事)


【導入の経緯】
 道路橋床版のリニューアルでは、橋の構造によって、床版全体を撤去し新たな床版に取り替える工事と、劣化部のみを除去した後、新たな材料に打ち替える工事があります。岡谷高架橋はプレストレストコンクリート箱桁橋(以下、PC箱桁橋)であるため、主に後者の方法で改良工事を進めています。これまでの打替え工事においては、SFRC※2を打ち込み、床版厚を大きくして耐荷力を高める対策を行ってきましたが、この方法は床版の重量が大きくなるため、橋梁下部構造の追加補強や床版の増厚に伴う路面高の調整工事が発生するといった課題がありました。
 そこで当社は、SFRCの代替として、舗装を含めた厚さを変えずに耐荷力と塩害に対する抵抗性を高める本工法を2020年にNEXCO中日本と共同開発し、今般、国内で初めて高速道路を供用しながら行う大規模改良工事に導入しました。
※2 Steel Fiber Reinforced Concrete 一般的な強度レベルのコンクリートを鋼繊維で補強したもの

【本工法の概要】
 本工法は、PC箱桁橋の床版上面コンクリートの劣化部を除去した後、その上面にUHPFRCを打ち込んで一体化させることで、舗装を含めた厚さを現況と変えることなく、床版を高耐久化する工法です。橋梁上部構造の重量がほとんど変わらないため、下部構造の補強を最小限に抑えることができます。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/99/116603-99-0b8c20df95b3a831ac2f08b60ce8d4e5-1461x480.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
PC 箱桁橋のコンクリート床版上面の打替えイメージ


【本工法の施工手順】
 片側2車線道路の1車線を規制し、既設コンクリートの劣化部(深さ30mm)をウォータージェットで除去後、レールと専用の施工機械を設置します。その後、以下の手順でUHPFRCを施工します。

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/99/116603-99-07074a54f06ec30345db30e487ab3981-490x368.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
自走式運搬機械


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/99/116603-99-c352cfb492b2d64b67295c1e05f3ab63-489x368.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
専用フィニッシャー


1.場外からの運搬
現場近くに設置した専用プラントでUHPFRCを製造し、アジテータ車で運搬

2.場内での運搬
撹拌機能と打込み機能を有する専用の自走式運搬機械にUHPFRCを荷卸し後、だれ止め剤「アジャストフロー(TM)」を添加・撹拌し、道路勾配に応じた仕上げ性(流動性)に調整しながら打込み位置まで移動

3.接着剤塗布
既設床版面に専用の接着剤を全面塗布

4.敷均し・締固め
UHPFRC打込み後、専用フィニッシャーで敷均し・締固め

5.仕上げ・養生
後続台車でこて仕上げを行い、養生シートと飛散防止ネットを設置して養生

UHPFRCの硬化後は、アスファルト(基層および表層)を舗設し、車線規制を解除します。
本工事では、車線規制内で1.~5.の作業を繰り返し、約8時間で128mを施工しました。


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/116603/99/116603-99-fb49af2e8773c1ca90de62d7ebca23f0-1539x430.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
本工法の施工手順と機械配置図


【今後の工事と展開】
 本工事では、2024年7月の第I期UHPFRCの打替えに続き、第II期の打替えを2024年11月に予定しています。その後も打替えを実施し、6年間で施工延長2,066m(20,315平方メートル )の打替えを完了する予定です。引き続き、より安全かつ効率的に工事を進めていきます。
 「防水性・耐久性・強度特性」に優れたUHPFRCを用いた現場打ちによる補修・補強技術は、高速道路のリニューアルに大きく寄与することが期待されます。鹿島は、本工事のようなコンクリート床版上面の打替えの他にも、鋼床版の増厚や橋脚の巻立てなど様々な工事に導入できるよう、同技術の研究開発を進めてまいります。

【工事概要】
工 事 名 : 長野自動車道(特定更新等)岡谷高架橋改良工事(平成30年度)
工事場所: 長野県岡谷市川岸東~成田町
発 注 者 : 中日本高速道路(株)
施 工 者 : 鹿島建設(株)・(株)富士ピー・エス特定建設工事共同企業体
工事諸元: 岡谷高架橋他4橋のPC箱桁橋の改良工事ほか
工  期 : 2022年11月~2029年10月

(参考)
動画でみる鹿島の土木技術「リニューアル」
https://www.kajima.co.jp/tech/c_movies/index.html#anc_renewal

超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を用いた高速道路床版リニューアル工法を開発
(2020年12月23日プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/202012/23c1-j.htm

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