【世界社会正義の日に寄せて】子どもの貧困問題に社会が向き合うべき理由
PR TIMES / 2025年2月12日 17時45分
2月20日は、社会正義や貧困撲滅の必要性について社会全体で考える「世界社会正義の日」。空腹すら満たせない子どもが日本にも数多くいる現実に、改めて目を向ける機会に。
子どもは次世代の社会を支える存在であり、子どもたちが今どのような環境で育つかが、未来の社会の形を左右します。すべての子どもが貧困に苦しむことなく、健やかに生きる権利を得られるよう、子どもの貧困問題に社会全体で向き合うことが求められています。
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社会正義とは、社会における公平や平等を追求する価値観で、すべての人々が権利や機会を等しく得られる状態を目指すものです。
毎年2月20日は「世界社会正義の日」とされ、社会正義の重要性を再認識し、社会全体で貧困や社会的排除の撲滅に取り組む必要性を考える日として、2007年に国連によって定められました。
私たち認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(本部:東京都大田区、代表理事:小泉 智)は、貧困削減に向けた支援活動を長年実施しております。その中で、「人々が公平な権利や機会を得られないこと」の恐ろしさ、危うさを痛感してきました。そして何よりも、その不公平な状況を“他人事”だと目を背けることが、社会や個人にとって最大のリスクになり得ると考えています。
日本で深刻な子どもの貧困 有識者「市民が声を上げることが重要」
とりわけ「子どもの貧困」を放置することによる影響は、非常に大きいものと考えます。子どもの貧困問題は、未来を担う世代の可能性を奪い、社会全体の持続可能な発展を阻む重大な課題であるためです。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5375/100/5375-100-aff3d4d092517e8ae6a3be2cf2d092f6-2976x2362.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
しかし、日本では約9人に1人の子どもが相対的貧困状態にあり[1]、その貧困率は先進国最悪レベルとも言われています。健やかに生きる権利が子どもたちに保障されていない状況が存在しているにもかかわらず、その実態が外からは見えづらく、十分な支援が行き届いていないことが強く懸念されます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5375/100/5375-100-f3e50c75af6cb158b8842cc391d9bf79-1688x1125.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
グッドネーバーズ・ジャパンは日本の子どもの貧困対策事業として、困窮度合いが比較的高い傾向にあるひとり親家庭を対象に食品支援を実施しています。2017年の事業開始以来、当団体が同支援を利用するひとり親家庭に対し行ってきた実態調査においては、下記のような声を絶えず受け取ってきました。
「小3の息子が、給食はクラス内でも1番と言われるくらいよく食べているそうなのですが、家ではあまり食べようとしません。家計の事情を気にして遠慮がちになっているようなところもある」
「子供が部活や塾、 進学したい学校を諦めている」
「もっと働きたいのに、自分の鬱病、子供の不登校…もう無理です。どうしたら良いのか分かりません。離婚した元主人からの養育費も無くとても生活が苦しい。子供たちは未来に希望も夢も無いと話します」
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5375/100/5375-100-f330f559691da3c4d7ee325fa3b0df48-2000x887.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
◆実態調査結果をまとめた報告書はこちら◆
「ひとり親家庭の生声白書」(全編閲覧無料・2024年12月発行)
フードバンク「グッドごはん」を利用する低所得のひとり親家庭へ過去7年間に実施してきた幅広いテーマの調査から、12件の調査結果を精選し再編纂。当事者の【生の声】から、貧困の実態と社会の行く末を考える。
上記白書において、貧困研究の第一人者である阿部彩教授(東京都立大学)は、貧困に苦しむ子どもたちが数多く存在する中、公的に何とかしようと市民の方々が声を上げることが重要だと指摘します[2]。
子どもの貧困は、社会の中で見えにくい問題の一つです。しかし、この問題に対して一人ひとりが関心を持ち、解決に向けて声を上げることで、「これは他人事ではなく、社会全体で取り組むべき課題である」という意識を広く共有することにつながります。
子どもの権利を守ることが、未来の社会を支える
子どもたちは、未来の社会を築いていく存在です。子どもたちが十分な食事をとる権利や平等な教育の機会を享受できなければ、将来大人になった時に自らの能力を発揮できず、社会の隅に追いやられてしまう可能性が高まります。すなわち、子どもの貧困を見過ごすことは、子ども自身に加えて、将来の社会にも深刻な影響を与えるのです。
そのため、今の社会全体で協力し合い、子どもの貧困を食い止めるための努力を続けることが欠かせません。まずは、子どもの貧困問題について身近な人と意見を共有し合うなど、一人ひとりが小さな行動を起こすことでそれが周囲に波及し、やがて社会に変化を生み出すきっかけとなります。
「世界社会正義の日」を迎えるにあたり、私たちが直面している「子どもの貧困問題」について周囲の人と共に考え、解決の必要性を改めて見つめ直す機会となることを願っています。
[1]厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022年)
[2] 必要なのは、社会の方が変わること ~貧困研究の第一人者・阿部彩先生へのインタビュー~ (認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン「ひとり親家庭の生声白書」より)
ーーー
■団体について
特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパンは、国際組織グッドネーバーズ・インターナショナルの一員として、2004年に開設されました。「子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会」を目指し、国内外の子ども支援を行っています。公益性の高い団体である「認定NPO 法人」として東京都から認可を受けています。
https://www.gnjp.org/
■ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」とは
「グッドごはん」とは、ひとり親家庭等医療費受給者証をもつ、所得が限度額未満のひとり親家庭を対象に、食品を毎月無料で配付する事業です。2017年9月の事業開始以降、延べ11万以上の世帯に食品をお渡ししてきました*。
首都圏、近畿および九州における約50か所*の配付拠点にて、企業や個人の寄付によって集まったお米や調味料、レトルト食品、お菓子など、約10,000円相当のカゴいっぱいの食品をひとり親家庭に配付しています。
*2025年1月時点
https://www.gnjp.org/work/domestic/gohan/
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