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世界最小粒径のナノダイヤモンド温度計測に成功

PR TIMES / 2022年7月24日 1時40分

―細胞内など微細な対象の精密な温度測定へ前進―



株式会社ダイセル(本社:大阪市北区)と水落憲和 京都大学化学研究所教授、藤原正規 同特定研究員、大木出 同研究員らの研究グループは、独自に開発したシリコン-空孔(SiV)中心を含む爆轟ナノダイヤモンドを用いて温度感度測定の実証に成功しました。今回用いたナノダイヤモンドの粒径は20 nm程度で、これまで温度計測が報告されているナノダイヤモンドの中で世界最小径です。

細胞内などの微小な領域の温度を計測できる温度プローブとして、ナノダイヤモンド中の発光中心が注目されています。これまでナノダイヤモンド温度プローブとしては窒素-空孔(NV)中心が盛んに研究され、高い温度感度が実証されていますが、光とマイクロ波を使って電子スピンを制御する必要がありました。一方、SiV中心は鋭い蛍光スペクトルを示し、ゼロフォノン線のピーク波長・強度・線幅などの温度依存性を利用することで、マイクロ波を使わずに光のみで温度変化を検出できるという応用上重要な特長があります。しかし、これまでSiV中心を用いた温度計測での最小粒径は200 nmでした。当社は、大量に合成可能な爆轟法によって、SiV中心を含む1桁nmサイズのナノダイヤモンド(SiV-DND)を効率的に合成することに初めて成功しておりましたが、今回、京都大学水落教授らによる研究グループにおいて、温度精密制御装置を構築し、当社で製造、化学修飾等の処理を行ったSiV-DNDについて、ナノレベルの微小なSiV-DNDの高感度温度プローブとしての有用性を実証しました。20 nmでの細胞内小器官や細胞核内への導入、高い生体適合性、修飾の容易さといったナノダイヤモンドの特長を活かすことで、SiV-DNDの生体試料への導入やバイオイメージング、センシングなど生命科学分野等での応用が期待されます。
本研究成果は2022年7月13日に国際学術誌「Carbon」に掲載されました。

“All-optical nanoscale thermometry based on silicon-vacancy centers in detonation nanodiamonds”(爆轟ナノダイヤモンド中のシリコン-空孔中心を用いた全光制御ナノスケール温度計)
Masanori Fujiwara, Gaku Uchida, Izuru Ohki, Ming Liu, Akihiko Tsurui, Taro Yoshikawa, Masahiro Nishikawa, Norikazu Mizuochi, Carbon 2022, 198, 57.
DOI:https://doi.org/10.1016/j.carbon.2022.06.076
[画像: https://prtimes.jp/i/35577/104/resize/d35577-104-11c34d68e9a585de82d0-0.png ]



図: SiV中心爆轟ナノダイヤモンドの温度を変えながら発光スペクトルを測定し、発光の中心波長の温度依存性を調べる。


1 桁 nm サイズの SiV 蛍光ナノダイヤモンドについてはこちらをご覧ください。
https://www.daicel.com/news/assets/pdf/20210624_1.pdf

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